【ダイキン】米スタートアップ企業 Poppy社へ出資

ダイキン工業株式会社は、このたび、空気に関する先端技術のリーダーであるPoppy Health, Inc. （本社：米国カリフォルニア州、以下、Poppy社）へ出資を完了しました。米国子会社のダイキン・アプライド・アメリカズ社を通じてPoppy社と協業し、ビルの省エネ性向上や居住者の健康増進、脱炭素化を支援する、スマートで適応性のある空調システムや建物への移行を加速します。今回の出資は、イノベーティブな空調、室内空気質（IAQ）ソリューションを通じて、健康で快適、持続可能な空間を提供するというダイキンのミッションとも一致したものです。

Poppy社は空気のパフォーマンスを視覚化し、優れた空気質を維持しながらエネルギーの無駄を削減し、温室効果ガス排出を低減するツール・技術を、ビルオーナーやエンジニアに提供する重要なパートナーです。クリーンな気流とエネルギー管理技術の最前線に立つとともに、運用効率の改善を推進する洞察を提供しています。同社の特許取得済みの空気のリアルタイム測定システムおよび換気最適化ソリューションは、新たに業界に導入された試験方法を通じて業界規格のASHRAE Standard 241に組み込まれており、ビルオーナーが安全で持続可能な室内空気管理の規格に準拠しながらエネルギーコストを削減するのを支援します。
両社の協業は、顧客の脱炭素化目標を支援するダイキンの機器・サービスポートフォリオを強化するものです。Poppy社の技術は、ビルオーナー、施設管理者、および空調専門家に対して、換気の過不足といった非効率な箇所を特定し、最適なIAQを維持しながら省エネを実現させるための洞察を提供します。
今回の出資に先立ち、ダイキンとPoppy社は空気のリアルタイム測定技術をさまざまなタイプの建物で検証するために、フィールド試験を実施しました。商業オフィス、医療、教育、ホスピタリティなどの幅広い分野から10地域にわたる70の建物で試験し、65%の現場が過剰換気であり、省エネの大きなポテンシャルがあることを示し、25%の現場では換気不足で、換気改善の必要があることを明らかにしました。さらに、Poppy社の技術は、顧客が関連する規格に適合させるために、幅広い空調機器およびフィルター機器の更新による影響を定量化することができました。
ダイキンは、新たな技術開発や高度なソリューション提供のため、2019年11月にスタートアップ企業との協業を推進する組織「テクノロジー・イノベーションセンター CVC室」を設立し、これまで国内外の20社以上に出資をしてきました。今後もグローバルで様々な分野の新たなパートナーと強固な関係を構築し、オープンイノベーションの取り組みを加速します。

ダイキン・アプライド・アメリカズ社COO　西脇 優のコメント
多くの施設オーナーや運用担当者は、省エネ性の改善および居住者体験の向上の機会を認識していますが、何が最良の投資収益をもたらすのか、わかりづらいものとなっています。Poppy社の先進的な空気測定技術はこれらの機会を明らかにするとともに、ダイキンの専門的なノウハウを活用し、省エネやその他の利益を実現するための改修を実現可能にします。

Poppy社 共同最高経営責任者 兼 共同創業者　Sam Molyneux氏のコメント
ダイキンは、ビル業界における省エネ性と持続可能性の限界を常に押し広げる先駆者として知られています。このイノベーションへの共通の焦点こそが、ダイキンがPoppy社の技術を広範な顧客基盤に提供することを非常に楽しみにしている理由です。共に、私たちの能力の範囲と影響を拡大し、組織が最適な空気の質を達成し、光熱費と炭素排出を削減するのを支援します。

Poppy社について
Poppy社は、商業ビルの換気を最適化するためのリアルタイム空気測定技術のパイオニア企業です。建物の換気を、高コストで不透明なものから、エネルギーの節約と居住者の健康のための強力なツールへと変革しています。2019年にシリコンバレーで設立され、Meta社の創設チームをはじめ、Microsoft社、スタンフォード、MIT出身のリーダー、ニューヨークの不動産業界のベテラン、世界屈指の空調エンジニア等を有しています。クラスAビルの75%が過換気される中、Poppy社のソリューションは年間エネルギー使用量を10%以上削減しつつ、室内の健康基準を確保します。5,000万平方フィート以上の測定経験があるPoppy社は、Fortune 500に入るような大手企業から学校まで、北米全域でビルのオーナーと管理者をサポートし、JLL、CBRE、Colliers、BGISなどの不動産企業と提携しています。
https://www.poppy.com/