10~70代女性のライフステージ別愁訴の変化に関する研究において日本女性医学学会「2023年度水沼賞」を受賞 ~ 11月10日(日)第39回学術集会にて授賞式及び受賞講演 ~

2024-11-06 15:00
図1

小林製薬株式会社(本社:大阪府大阪市、社長:山根聡、以下「小林製薬」)と近畿大学東洋医学研究所(大阪府大阪狭山市、所長:武田卓)は、10~70代女性のライフステージ別愁訴※1 の変化に関する研究において日本女性医学学会「2023年度水沼賞」を受賞いたしました。
本賞は、「日本女性医学学会雑誌」に掲載された原著論文の中から当該年度の最優秀論文に授与されるもので、2021年度に設置されてから今年で3回目となりますが、民間企業の担当者が筆頭著者として受賞するのは今回が初めてです。
授賞式及び受賞講演は、11月10日(日)開催の「第39回日本女性医学学会学術集会」にて執り行われます。
※1 愁訴・・患者が訴える心身の不調や違和感

【授賞式及び受賞講演について】
日時  :2024年11月10日(日)15:00~(予定)※第39回学術集会内
場所  :ライトキューブ宇都宮
アクセス:JR宇都宮駅直結 東口改札より徒歩約2分
※授賞式及び受賞講演のご取材は、下記の事務局へお問い合わせください。
(株式会社コングレ 東北支社 TEL(022)723-3211 E-mail:jmwh39@congre.co.jp

【受賞論文】
10~70代女性のライフステージ別愁訴の変化 ―7万人のデータ解析に基づく横断的検討―(日本女性医学学会雑誌 第31巻4号掲載 原著)

【共同著者】
小林製薬株式会社中央研究所 田中美穂、加藤知樹、長谷川綾郁、赤木淳二
近畿大学東洋医学研究所 武田卓

【論文の概要】
<1.背景>
女性は、それぞれのライフステージにおいてホルモン変動の影響や環境変化を受けながら生活しており、年齢問わず不定愁訴に悩む方が多くいらっしゃいます。代表的な疾患に更年期障害や月経前症候群(PMS)が挙げられますが、それらの症状は個人差が大きく、年齢によっても変化していくため、患者自身も疾患状態であるかを自己判断しにくいと推察されます。
本研究ではウェブサイトで収集した約7万人のアンケートをもとに、多岐にわたる症状を分類し、年齢による症状の変化を可視化することを目的として実施しました。

<2.研究内容>
小林製薬の『命の母』ブランドが運営する「命の母AIお悩み相談※2」を利用した15~70歳のうち、同意を得た約7万人の回答(年齢、月経の状況、心と体の症状)を用いて、クラスター分析をおこないました。クラスターごとの特徴的な症状をクラスター名とし、年齢層別での出現率と年齢推移を図式化しました(図1)。大きくはA~Dの4つに分類され、AとBは性成熟期の症状、Cは更年期の症状、Dは老年期の症状と考えられました。

また、本研究では、心の症状として多く出現する「イライラ」の心理的背景をより深堀するべく「イライラ」とともに挙げられる単語を分析し年齢層別で可視化しました(図2)。

図2

すべての年齢層において頻出された「生理」と「生理前」を背景色のある四角枠で、それ以外の頻出単語を背景色のない四角枠で記しています。感情を表現する単語を中心に見ると、20~29歳は「些細」、40~49歳は「些細」と「不安」、50~59歳は「不安」が抽出されていることが分かります。つまり、20代では些細なことにイライラする感情が、40代以降になるとイライラする感情とともに不安などのネガティブな感情も現れ、50代になると不安が徐々に強くなることが推測されました。
さらにこれらの感情の背景には、20代では「人」、30代では「子供」、40代では「子供」と「家族」の単語が頻出し、ライフステージごとに周囲の身近な人から及ぼされる影響の強さが伺えました。これに対して50歳以降では、「子供」や「家族」といった身近な人よりも老後や第二の人生を考える時期とも呼ばれるように身体不調への不安を感じている様子が推察されました。

<3.成果>
多岐にわたる症状のパターンを分類し、年齢変化を俯瞰することで、自身の症状を客観視できるよう情報を可視化することができました。今回得られた情報を社会へ提供することで、自身の変化を客観視し、数年後に感じるであろう症状を事前に知り、症状に気づきやすくすること、そしてセルフメディケーションや医療機関の受診など適切な対処の選択に繋がることが期待できます。

【※2「命の母AIお悩み相談」について】
2021年から開始した「命の母AIお悩み相談」は、命の母の長年の研究で培ったビッグデータを活用し、ご自身の不調をタイプ分類し、監修医によるアドバイス、適した商品とのマッチングを行うサービスです。PMSや更年期の症状の出方は人ぞれぞれであるため、同性・同世代でも相談がしづらい、自分にあった対処方法や商品選びが難しいといった悩みの声をうけて開発されました。
同サービスは、現在までに累計113万人※3、月間平均3万人※4 の方に利用されています。
URL:https://www.kobayashi.co.jp/brand/inochinohaha/chatbot/
※3 2021年10月~2024年8月
※4 2021年11月~2024年8月

【関連リンク】
東洋医学研究所 教授 武田卓(タケダタカシ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/818-takeda-takashi.html

東洋医学研究所
https://www.med.kindai.ac.jp/toyo/

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