【セントマーケティング】~香りで販売を促進する方程式~

本能に働きかける「香り」がマーケティングにどう影響するのか

香り

人間には視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の5つの感覚があり、実は無意識のうちに様々な角度から影響を受けています。
その中でも多くの方が無意識のうちに大きく影響を受けているかもしれない「香り」についてお話しします。
まだ解明されていないことも多い香りに関する科学ですが、実は2004年の大きな発見により香りが大きく注目されることになりました。

「2004年度のノーベル医学生理学賞は、米コロンビア大学のRichard Axel博士と米フレッド・ハッチンソンがん研究センターのLinda Buck博士に授与された。受賞理由は、匂いの受容体遺伝子の発見と嗅覚感覚の分子メカニズムの解明である。AxelとBuckは、1991年、匂い受容体をコードしていると思われる遺伝子ファミリーをみつけ、Cellに発表した。この発見は、それまで生理学中心に進んできた嗅覚研究に分子生物学の潮流をいれることによって新たな展開のきっかけとなる大ブレークスルーであった。この論文をきっかけに、特にAxel研出身の研究者達が中心になって、嗅覚神経系のメカニズムがどんどん解明されていった。」一部抜粋(生物科学研究所HPより:http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/biological-chemistry/profile/essay/essay04.html

香り成分は現在解明されているだけでも40万種類以上あると言われています。
どの香りのどの成分がどのような心理効果をもたらしたり、行動を促進させる(させやすい)のかは企業だけでなく、多くの研究者にとって今でも興味深い研究テーマになっています。

五感と情報の関連性

私たちは普段無意識のうちに多くの情報を得ていますが、ほとんどの情報は視覚(目)から得ていると言われています。論文や調査機関によって違いはあるものの、おおよそ80%程度の情報を視覚から得ていることが分かっています。実際目で得られる情報はどれだけのものがあるでしょうか?
以下のサイトによると驚きの事実が分かっています。

 1秒間の情報量は少しむずかしい単位になりますが、ビット/秒で表わします。たとえば音を聞くことから得られる情報量が8000ビット/秒であるのに対し、目でものをみることは430万ビット/秒と、実に聴覚の600倍近い情報が得られます。すなわち、ヒトが外界から得る全情報の80パーセントを目が担っているのです。
(引用:https://web.archive.org/web/20070401135502/http://www.bausch.co.jp/eye/r106400.html

ですからマーケティングにおいて、視覚(目)を中心とした戦略が中心に行われているのも納得できますし、正解だと言えるでしょう。

視覚マーケティング立ちはだかる二つの壁

しかしここで立ちはだかる2つの壁が...

コモディティ化されつつある視覚マーケティング戦略

レジ横のポップなどのポスターや目立つデザインと色の看板など、宣伝のがワンパターン化しています。多くの企業が新たなアイディアを出し、試行錯誤していますがこれといった革新的な視覚マーケティングプラットオームを創出することは出来ていません。

情報過多により情報処理できる範囲を超えている

人間の脳は多くの情報を常に処理し続けています。知らず知らずのうちに情報を把握し、処理し、それに影響を受けることだってあるでしょう。しかし、似たり寄ったりの視覚マーケティング情報がたくさんあるとどれを見ればいいか分からず、どこに注目すればいいかも分かりません。

視覚マーケティングは確か多くの企業が採用するマーケティング戦術ではありますし、一般的に効果があると言われていますが、同時にそれは多くの企業が同じ事をしているという意味でもあります。
これからのマーケティングは視覚だけに頼らず、五感全てにアプローチできるようなものに変わっていくのかもしれません。

セントマーケティングの実用例

ふとした香りをきっかけに昔の記憶が今起きているかのように鮮明なフラッシュバックをしたり、懐かしい感じがした経験がありませんか?これはフランスの作家、マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」という本の中で主人公が紅茶に浸したマドレーヌの香りにより、幼少期を思い出した描写から「プルースト効果」と言われています。
このブルースト効果を上手く活用したマーケティング例をご紹介致します。

コーヒー

アメリカ、シアトルで元々はコーヒー豆の卸し会社として始まったスターバックスコーヒー。初期段階ではお客様へ安定したクオリティのコーヒーを作り、居心地のいい環境を提供するために換気を良くし、全自動コーヒーメーカでコーヒーを淹れていました。しかし、かえって売り上げが落ちてしまいました。あえて香りを漂わせるために半自動のコーヒーメーカーに戻したことで売り上げと定着率が大幅にアップしました。

映画館とポップコーン

映画館へいくとポップコーンが食べたくなりますし、ポップコーンの香りがすると映画館を思い出しますよね?実はこれは計算されており、多くの映画館ではあえてポップコーンの匂いを充満させることによって購買意欲を刺激していると言われています。映画館の周りだけではなく、建物周辺にまで通気口を通じてポップコーンの香りを充満させ、お客様の心理に影響を与えています。

香水

老若男女に人気な自然派の化粧品会社SHIRO。化粧水などのスキンケア、メイク用品、香水やルームフレグランスなど様々な角度から人生を華やかにするアイテムを販売しています。こちらのお店で製品を購入すると、紙袋に自社製の香水をふりかけます。購入後お客様は様々な場所に立ち寄り、香りを届けることでそれに注目した他のお客様がSHIROの紙袋を見て、存在を認識します。

これらの事例は実に上手く「香り」をマーケティングやブランディングに取り入れています。
さらに、香りを調合してオリジナルブレンドの香りを作ることができれば、お客様がその香りを嗅ぐと「自動的にあなたの会社やサービスを連想する」そんなことが可能になるかもしれません。

実際自社ブランドのオリジナル香水を使ったり、使用しているケースも多く見受けられます。
航空業界のANAは自らの企業イメージに合わせて香りを調合し、空港のラウンジや機内など様々な場所で使用しています。

香りは大きく分けて2種類ある?

香りは大きく分けると鎮静系と覚醒系の二つに分けられます。

鎮静系の香り

リラックス

ラベンダーやジャスミン、カモミールなどのお花系の香りやハーブ系のなどは沈静系の香りですので、副交感神経を優位にしたり、リラックス効果が期待できます。

ペパーミントやシナモン、グレープフルーツ、胡椒などの柑橘系の香りやスパイス系の香りは覚醒作用のある香りですので、やる気アップや気分のリフレッシュなど気持ちを切り替えたり集中力を高めたいときにおすすめです。

覚醒系の香り

興奮・イライラ

鎮静系と覚醒系の香りにはお互いメリットとデメリットがあります。状況に応じて使い分ける、か雰囲気に合わせての利用をお勧めしています。
例えば、柑橘系に多く含まれている「リモネン」という成分ですが、レモンやオレンジ、グレープフルーツに含まれており爽やかで、気持ちをリフレッシュしてくれる効果があります。さらに、交感神経を刺激させ、新陳代謝が活発になる効果もあるのです。ここまで聞くといいこと尽くしの様な気がしますが、実は使ってはいけない業界があります。

飲食店

マカロン

実は柑橘系含まれている「リモネン」や「ヌートカトン」には食欲を抑制する効果があるのです。たくさん食べたり、飲んだりして欲しい飲食店の店内でこれらの成分が含有されている香りを漂わせてしまうと本来の売り上げよりも下がってしまう可能性だってあるのです。

ですが、なぜ「香り」でこうも影響されるのでしょうか?
実は香りを感じる嗅覚が大きな可能性を秘めています。

五感で唯一の特徴

脳と五感

唯一五感の中で直感や本能を司る大脳辺縁系に作用します。
大脳辺縁系の中には海馬という脳の記憶に関する司令塔のような役割を担っており、海馬から長期記憶または短期記憶へファイリングが行われます。
つまり海馬を通ることにより、記憶に密接に関わるので、理論ではなく本能に直接訴えることが出来るのです。
本能に直接アプローチすることで、密接に結びついている記憶も呼び覚まされることがあります。

NoviSignで視覚×嗅覚

あなたのお店のイメージに合った香りを充満させ、お客様が気になって振り向いたところにお客様に合わせてコンテンツ切り替えが行われるデジタルサイネージを置き、相乗効果のあるマーケティングストラテジーを活用してみませんか?

NoviSignなら多くのサードパーティーアプリと連携しています。
例えばRFID連携を利用すれば、気になる製品のアレルギー情報を確認し、安心して購入することも可能に。
他にも人感センサーやカメラと連携すれば、人の動きや表情、性別などに合わせてカスタマイズされたコンテンツに切り替えることも可能。
このように様々なサードパーティーサービスとインタラクティブに、そしてシームレスな連携が可能なので、デジタルサイネージソリューションの枠組みにのみ囚われることなく自由度の高い運用ができます。

まとめ

これまでのマーケティング戦略は基本的には目を通じて、情報を伝えるのみでした。
その中で自分の製品の見てもらうためには、面白い仕掛けを導入したり、目立つ色で使用してみてもらったり、独特な世界観を押し出してSNSでの配信を期待したりと様々な工夫が必要にも限らずコモディティ化しているので結果が出しづらい実情があります。そんな状況を打破するには、五感を駆使したマーケティングが必要です。

NoviSignについて詳しくは以下のリンクよりSNSやホームページへアクセスすることができます。

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