正体は誰だ?映画評論家「水野晴郎」がYouTuberデビュー

水曜ロードショー、そして金曜ロードショーの映画解説を務め、人々に広く愛されていた映画評論家 水野晴郎氏が亡くなったのは、2008年6月ことだった。

2020年、今年はちょうど13回忌にあたる。

そんな節目となる年に世にも奇妙な「珍事」が起こっていることを皆さまは知っているだろうか。
令和を生きるはずのない水野氏が「YouTuberデビューをしている」という話が映画好き達の中で噂になっているのだ。
「ご機嫌いかがでしょうか。水野晴郎です。」というお馴染みのセリフで始まり、「いやぁ、映画って本当にいいもんですね。」というお馴染みのセリフで終了する。

水野晴郎本人しか知らないようなマル秘エピソードを次々と楽しげに語るこの男の正体は一体誰なのか。

YouTubeのチャンネル名は「ぼんちゃんの映画百科」。
そう、水野氏の愛弟子“ぼんちゃん”こと西田和昭氏だ。

【天国の映画評論家】と称して付け耳をし師匠の姿に似せたぼんちゃんが登場。
水野氏が命名したと言われている映画の邦題秘話や、ショーン・コネリーの拳銃秘話等、長年水野氏と共に歩んできた「ぼんちゃん」だからこそ話すことができる嘘か本当か分からない数々の映画エピソードは、映画ファン必見。動画の大きな魅力となっている。

水野氏が亡くなった2008年以降、YouTubeをはじめとする「SNS」は映画のPRに最も強い影響を与えたものの一つといって過言ではないだろう。
2018年、2019年とあらゆる映画賞を受賞した作品として記憶に新しい「カメラを止めるな!」。予算300万円のインディーズ映画ながら、SNSの口コミ効果で全国公開へと拡大し、国内及び海外の映画賞を数々受賞した。
あらゆる映画が上映に先駆けて、公式SNSを開設することがスタンダードとなり、実に多くの映画情報が投稿されネット上を飛び交っている。

お茶の間の人気映画評論家が存在しない21世紀は「インターネット上での口コミ」でPRしていくという時代なのだろう。

もはやスマホさえあれば、SNSを通じていつでもどこでも映画の予告を視聴できるし、すでに映画を観てきた人たちの感想やレビュー動画も視聴することができる。

水野氏の訃報と入れ替わるように日本に浸透したSNS「YouTube」を、もし彼が生きていればどう活用しただろうか。

様々な映画のPRを行ってきた水野氏だけに、きっと誰も思いつかないような活用方法でPRを行なったに違いない。水野氏がMIKE MIZNO名義で監督・原作・脚本を手掛け、さらには主演まで果たしたカルト映画「シベリア超特急」も、もしかするとYouTubeで配信されていたかもしれない。

そんな「水野晴郎」の想いを継ぐ「西田和昭」が創る「ぼんちゃんの映画百科」は果たして新たな映画のPRの場所として確立するのか。そして水野氏の13回忌という節目の年でのスタートは水野イヤーの幕開けを意味するのか。筆者は「ぼんちゃんの映画百科」にしばらく注目してみようと思う。