【名城大学】リトアニアのヴィリニュス大学の歴史学部長が都市情報学部で講義
国際交流プログラムで来学 ヨーロッパの大学の歴史を解説
本学と学術交流の協定を締結しているリトアニアのヴィリニュス大学歴史学部長のロレッタ・スクルヴィダイテ教授が12月6日、ナゴヤドーム前キャンパスで、都市情報学部の稲葉千晴教授が担当する講義「国際社会と政治」でゲストスピーカーとして登壇し、ヨーロッパの大学の歴史について解説しました。
「大学は好きなことを学び、将来に役立てる可能性を秘めている」と学生へ呼び掛け
スクルヴィダイテ学部長は今年8月、本学の「杉原千畝と難民に関する研修プログラム」の一行がリトアニアの首都ヴィリニュスを訪れた際、2日間にわたってヴィリニュス大学の構内や旧市街などを案内したほか、同大ではハチミツ酒やバウムクーヘンの起源とされるお菓子「シャコーティス」をふるまってくれました。今回は都市情報学部の国際交流プログラムで本学を訪問しました。
3年生約40人を前にスクルヴィダイテ学部長は、美術史が専門とあって「知の巨人」が子どもに読み聞かせをしている絵画作品などを示しながら、「知の探究」「知識の伝承」を図るために中世ヨーロッパで生まれた大学は、キリスト教の教会を中心に次々と設立され、18世紀にはそれまでの貴族などの特権階級だけでなく、より多くの人々が知の世界を広げる実践的な学問を学べる大学になったことなどを説明しました。
さらに、19世紀以降は国家が大学を支配して官僚を育てるフランス方式の大学と、上から教えるのではなく、学生が自ら考えて研究や実験で自ら実践していくドイツ方式の大学の2グループに分かれるようになったと指摘。「現在は学生は自ら学び、考え、知識を得て、学んだことを生かせる職業に就くというドイツ方式が日本も含めて中心的になっている」と強調しました。
ヴィリニュス大学は1990年にリトアニアがソ連から独立してやっとドイツ方式になり、自ら学問を探究できるようなったことも伝えたスクルヴィダイテ学部長。最後に「自らの考えで何でも自由に描くことができる自由」を表現したという15世紀の学生が描いた絵画作品を映し、「大学は自由に学べるところ。好きなことを学んで将来に役立てる可能性を秘めているところです」と、力を込めて学生たちに呼び掛けました。