第11回新千歳空港国際アニメーション映画祭レポート|エアポート音楽会:ライブコーディングによる音と映像のセッション
2024年11月1日(金)~5日(火)までの5日間に渡り開催している「第11回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」では、新千歳空港ターミナルビルを中心に、世界中の最新アニメーション作品を上映する他、新千歳空港のさまざまな会場にて、体験展示やトークプログラム等を展開しています。
2011年から札幌市内でインディペンデントの音楽イベントを開催する「OTO TO TABI」と、新千歳空港国際アニメーション映画祭がコラボレーションした「OTO TO TABI × NEW CHITOSE 2024 エアポート音楽会」が11月2日(土)、新千歳空港シアター会場にて開催されました。音楽会では、DTMユニット・パソコン音楽クラブと、ライブコーディングVJ・Renard氏によるセッションが行われ、音楽と映像が織りなす世界が観客を魅了しました。
ライブコーディングで生み出す、音楽と映像のシンクロ
セッションが始まる前に、Renard氏は自身が行うライブコーディングVJのパフォーマンスについて、「まっさらな状態からリアルタイムでVJシステムそのものをコーディングします。キーボードでプログラムを書き、パラメーターを変えることで、VJシステムを作りかけの状態から動かしていきます」と説明。
また、ライブコーディングVJとの共演が今回初となるパソコン音楽クラブの2人は、「昨日のリハーサルで、Renardさんが楽器を演奏するようにキーボードを触り、音楽に合わせてどんどん映像を変えていくのを見て、本当に一緒にセッションしている感覚になって。今日がすごく楽しみです(西山真登氏)」「映画館では映像がめちゃくちゃ鮮明に映し出される。クラブなどでは滅多に実現できないことなので、とても惹き込まれると思います(柴田碧氏)」と、観客の期待を盛り上げました。
セッションが始まると、Renard氏がキーボードを打ち込むたびにコードがスクリーンに映し出され、同時にその場で生成された映像が重なります。パソコン音楽クラブが奏でるエレクトロニック・ミュージックに合わせて、オーロラのような幻想的な光やアルファベットなど様々なモチーフが現れ、曲調やテンポの変化にぴったりシンクロしながら動き続ける。まるで音楽が視覚化されているかのような不思議な世界観が生み出されていました。
映画館の大スクリーンと音響が生み出す迫力に没入感が高まる中、観客は音楽に合わせて体を揺らしたり、時には映像に見入ったりしながら、その世界観に深く引き込まれているようでした。
新千歳空港国際アニメーション映画祭
新千歳空港国際アニメーション映画祭は、北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港ターミナルビル(北海道千歳市)を会場とした、アニメーション専門の国際映画祭です。
第11回目の開催となる今年は、2024年11月1日(金)~11月5日(火)の5日間で、国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、多様な未来につながるアニメーションの体験を提供する様々なプログラムを展開します。
今年もゲストと観客が密接に交流できる独自の場を活かし、アニメーションの意義を拡張するような新しい価値を生み出す「遊び場」として、エネルギーを持ち帰ることができる文化交流拠点の創造を目指します。