「ビル再生100の物語」田町の個性派間取りオフィス
ビル再生100の物語 第99話
テナワンでは、これまで多くのビルの空室対策や賃貸運営を行ってきました。
それぞれの問題を解決してきたビル再生の事例を「100の物語」としてこれから公開していきます。
芝の個性派間取り
田町から徒歩数分、飲み屋街の中にDビルはあります。
駅徒歩の立地の良さからお問い合わせの多い物件ですが、当初は4室ほど空室があり、苦戦する物件と思われていました。
その理由はこの個性的な間取り。いわゆる旗竿状の敷地で、入口からくびれたような形になっています。
内見でわかった支持層
苦戦すると思われていたDビルですが、田町駅、三田駅数分の立地の良さから、徐々に内見が入りはじめました。
内見客の反応を恐る恐る聞いていると、実は支持派と反対派に二分されることが分かってきました。
しかも意外なことに支持派の方がやや多いのです。
正方形のような整形を求める人も多いのですが、逆にDビルのような部屋が使いやすいという評もあるのです。
それは鍵型のような形にあります。
EVから至る通路のような空間が打ち合わせスペース兼、エントランス空間のように使えるので、23坪程のサイズとしてはオフィスとして使い勝手が良いのです。
2階か10階か
募集しはじめた当初、2階と10階が空いており、同じビルでも全く違う条件の部屋が空いていました。
担当の感覚としては、当然眺望の良い10階でしょう、と考えていましたが、意外なことに内見客には2階を好む人も多かったのです。
2階は窓から裏通りの景色しか見えず、多少暗い感じがします。
しかし、Dビルはエレベーターが1基しかないので、上層階の入居者は待たされることも多いようでした。
さらに、2階は外階段から1階へすぐ出られることから、コンビニに出かけるなど、ちょっとした外出にはちょうどよかったのです。
それ以来、10階の眺望の良さ、2階のアクセスの良さを売りにするようになりました。
まだまだある、意外な利点
Dビルの最大の売りは、なんといってもエレベーターの不停止機能です。
不停止機能くらいなら世間のビルにたくさんついている機能ですが、Dビルの場合は、在室中でも不停止機能を使えることです。
通常は警備をかけるとその階には止まらないようになることが多いのですが、Dビルの場合は警備はもちろん、部屋内からもエレベーターに鍵をかけることができるので、例えば女性社員1人での留守番の場合などもインターホンで会話してからエレベーターを解除できるなど、安心です。
入居者には、飛び込み営業をシャットダウンできると、好評です。
この機能、意外なことに当社管理物件でも2物件しかありません。
また、Dビルは1フロア、1テナントのため、フロアを専有でき、他の入居者に気を使わないことも特徴です。
この結果、Dビルは、外資系ファッションブランドのリペアセンターや地方企業の東京支店、ITベンチャー企業などが入居し、順調に稼働しています。
始めて読まれる方に
中小築古ビルのオーナーを対象に空室対策を実戦的に解説した空室対策技術集を無料配布してします。
これまで、東京都心の中小型ビルが検討客を集められない4つの原因へ対応する考え方として、リーシングマネジメントという考え方が大切だとご説明しました。
リーシングマネジメントの基本的な考え方は、
「打点(空室を埋めること)は、打席数(認知度を上げること)×打率(決まりやすい条件やウリ)に比例する。」
です。
弊社での空室対策の事例やオーナーさんの声など、テナワンのHPにて詳しくご覧いただけます!