ごみ処理施設のBTO事業を受注(湖北広域行政事務センター向け)
株式会社タクマ(本社:兵庫県尼崎市、社長:南條博昭)は、湖北広域行政事務センターが発注するごみ処理施設のBTO事業(※1)(以下「本事業」)を受注しました。
本事業について
国内のごみ焼却施設は約1,000施設が稼働していますが、稼働開始後20年以上が経過した施設が半数を超え老朽化が進行し、更新・長寿命化が進められています。また、廃棄物処理事業を通じた省エネ・創エネ、温室効果ガスの排出抑制が求められていることを背景に、廃棄物エネルギーを最大限に活用できる先進的な施設整備の需要が高まっています。
本事業では、湖北広域行政事務センター管内に分散する稼働開始後20年以上が経過した焼却施設やリサイクル施設、汚泥再生処理センターの他、新たにバイオガス化施設を加え、これら4施設を同一敷地に一括事業として更新・整備し、約20年間の運営を行います。
4施設の同一敷地への一括更新は日本初の取り組みであり、各施設で発生する残渣や資源もそれぞれの処理が得意な施設に搬送して処理する、各施設が有機的に連携した総合的な廃棄物処理システムを構築することで、エネルギーの最大限の活用と廃棄物処理の効率化・コスト削減を図り、循環型社会・低炭素社会の形成に貢献するものです。
当社の取り組みについて
当社は、焼却施設及びバイオガス化施設の設計・建設ならびに、2045年度までの18年間の運営業務を担当します。当社は、ごみ焼却、バイオガス化、リサイクル、し尿処理の4施設すべての納入実績を有していることから、そのノウハウを活かして各施設の連携を最大化したシステムを構築することで、脱炭素やコスト削減に大きく貢献します。
特に、本事業の要となる焼却施設とバイオガス化施設のコンバインドシステム(※2)はこれまで3件の納入実績を有しています。コンバインドシステムの構築により、ストーカ式焼却炉単独での処理に比べより高効率なエネルギー回収が可能となるもので、ごみが持つエネルギーを最大限活用します。
また、AI燃焼制御システム(ICS)(※3)やSolution Lab(※4)による焼却施設の運転支援など最新技術・サービスを導入することで、さらなる長期間の安全・安定的な稼働を実現します。
今後の取り組みについて
当社グループは、今後も国内外の都市ごみ焼却施設をはじめとする各施設の多数の建設・運営実績を活かして、地域の安心・安全な生活と環境保全を実現し、継続できる施設の建設・運営を通じて、ESG課題(※5)でも掲げる気候変動対策への貢献、資源・環境保全を図り、持続可能な社会の形成を目指してまいります。
(※1)BTO事業
建設(Build)、所有権移転(Transfer)、運営(Operate)の略。PFI法に基づき、民間事業者が資金調達・施設のEPCを行い、完成後に施設の所有権を公共に移転し、その後、民間事業者が運営を行う事業方式。
(※2) 当社のバイオガス回収プラントについて
https://www.takuma.co.jp/product/msw/biogas.html
(※3)当社のAI燃焼制御システム(ICS)について
https://www.takuma.co.jp/news/2021/20210628.html
(※4) 当社のプラント遠隔監視・運転支援拠点
https://www.takuma.co.jp/news/2018/20181213_2.html
(※5) 当社のESGへの取り組みについて
https://www.takuma.co.jp/esg/
事業の概要
発注者
湖北広域行政事務センター
受注者
湖北ハイトラスト株式会社(SPC)
【代表企業】
株式会社タクマ
【構成員】
クボタ環境エンジニアリング株式会社 大阪支社
株式会社タクマテクノス 西日本支社
【協力企業】
株式会社奥村組 関西支店
株式会社材光工務店
オオサワ株式会社
株式会社オオバ 大阪支店
株式会社鴻池組 京都支店
株式会社ヴァイオス
太陽技建株式会社
事業名
湖北広域行政事務センター新一般廃棄物処理施設整備運営事業
建設場所
滋賀県長浜市木尾町字込田他
事業内容
施設の設計・建設、運営業務、現焼却施設の解体撤去工事
施設概要
①熱回収施設(焼却施設)
処理能力:124t/24h(62t/24h×2炉)
処理方式:ストーカ式
発電出力:3,690kW
②熱回収施設(バイオガス化施設)
処理能力:25t/日
処理方式:乾式高温メタン発酵方式
発電出力:242kW
③リサイクル施設
処理能力:不燃・粗大ごみ処理設備21t/5h
ストックヤード:約440㎡
④汚泥再生処理センター
処理能力:83kL/日
事業方式
BTO(Build:建設、Transfer:移転、Operate:運営)方式
契約金額
487億3,870万円(消費税抜き)
設計・建設期間
①設計・建設期間
2023年3月~2028年3月(5年間)
②解体撤去工事期間
2028年4月~2030年3月(2年間)
運営期間
①熱回収施設・リサイクル施設
2028年4月~2046年3月(18年間)
②汚泥再生処理センター
2025年10月~2046年3月(20.5年間)