【名城大学】イギリスで得た新しい価値観が、可能性を広げてくれた

The new values I embraced in England have broadened my horizons.

外国語学部 国際英語学科3年 長谷川 恭子(はせがわ きょうこ)

春休みに海外英語研修に参加し、イギリス・ブライトンに3週間ほど滞在した長谷川恭子さん。幼い頃からヨーロッパへの憧れがあり、念願の渡英だったとか。充実した時間を過ごし、価値観が大きく変わる体験をしたというイギリス滞在について話を聞きました。

英語学習者から英語使用者になりたかった

英語教師の母の影響もあって、中学生のときから英語は得意科目でした。名城大学附属高等学校の国際クラスに進学し、海外研修にも行きたいと思っていたのですがコロナ禍でプログラムはすべて中止に……。大学に進学して状況がやっと落ちついて、2年生の春休みは自由に時間が使える時期でもあったので、念願の海外留学に行くことを決意しました。

海外留学にどうしても行きたかったのは、長年学んできた英語を実際に使いたかったからです。日本にいると実際に英語を使う場面はどうしても限られてしまい、どれだけ勉強しても英語学習者のままだなと感じました。座学はもちろん必要ですが、語学は知識だけではなく話してこそと考え、英語使用者としてスキルを磨きたいと思いました。

行き先に選んだのは、イギリス・ブライトン。幼い頃からイギリスやフランスのテレビ番組を見ていたり、親戚がロンドンに住んでいたりする縁があって、ヨーロッパには親しみがありました。イギリス英語の高貴な雰囲気にも憧れがあり、英語を学ぶならイギリスと決めていました。

イギリスに行くことが決まり、準備のために始めたのは大好きなハリーポッターの英語原作を読むこと。勉強というよりは、楽しみながら語学力アップに努めました。また、キャンパス内で英語が使えるグローバルプラザで、入学当初から洋画や英語のニュース番組を見ながらシャドーイングをよくしていました。聞き流すだけでは上達しないので、しっかりと聞き取って、聞こえた通りに発音することで、生きた英語を身につけられたと思います。

学生主体で進む、予定調和ではないユニークな授業

現地ではブライトンの語学学校に通いました。クラスメイトにはヨーロッパや南米、アジアなどいろいろな言語圏から来ている人がいて、英語だけでなくスペイン語やフランス語などが飛び交っていました。私は第二外国語でフランス語を学んでいるので、フランス語を使う機会にも恵まれました。

授業は一応教科書があり、その内容を確認してグループでプレゼンテーションをするという流れでした。

でも、授業が予定通りに進むことはほとんどなく、学生たちが次々と関係のない質問をして雑談しているうちに授業時間が終わってしまいます。先生が一方的に授業を進めることに慣れている私にはとても新鮮でした。

特に印象的だったのは、キャリア教育の授業です。さまざまなビジネス形態について学んだ後に、先生からどんなビジネスに興味があるのか質問されました。これまで私はビジネスを自分ごととして捉えていなかったので、固まってしまい曖昧な返答しかできませんでした。でも、私以外のクラスメイトは将来のビジョンをしっかりと持っているんです。いつも雑談ばかりしているクラスメイトたちが、自分のやりたいビジネスについて明確に語る姿に驚きを感じました。

世界遺産に足を運んだら、価値観が180度変わった!

滞在中はプライベートな時間もたくさんあったので、いろいろなところに出かけました。
楽しみにしていたのは憧れのロンドン。ブライトンからは電車で1時間くらいでした。真っ赤な2階建てのロンドンバスに乗って市内を巡りながら、車内でアフタヌーンティーを楽しめるツアーに参加しました。夕方に出発する便だったのですが、ライトアップされたロンドンの街並みがとてもロマンティックで素敵でした。

また、子どもの頃から大好きだったハリーポッターの聖地めぐりもしました。物語が生まれたエディンバラでは、街を一望できるカールトン・ヒル、物語の中で出てくるダイアゴン横丁のモデルであるヴィクトリアストリート、ハリー最大の敵だったトムリドルのお墓などを訪ねました。

もっとも心動かされたのは、イギリスの雄大な大自然です。

世界遺産にも登録されているストーンヘンジでは、澄んだ青空の下、何もない平原に突如巨大な石の遺跡が現れて、太陽がものすごく近くに感じられるんです。今まで見たことのない圧巻の光景に、自然の偉大さや歴史の重みを感じました。

またイギリス南部の有名な観光地で、ハリーポッターの映画ロケ地でもあるセブンシスターズを訪れた際にも、真っ白な断崖と青い海、水平線まで見渡す限り続く草原など、雄大な景色に感動しました。

これまではロンドンやパリなど、ヨーロッパの都市ばかりに惹かれて、自然や遺跡に興味をもったことはありませんでした。でもいろいろな場所を訪れて感じたのは、開発し尽くされた都市はロンドンでも東京でもどこか同じような景色に見えますが、世界遺産や自然は、まさにそこにしかない特色が色濃くて、心を揺さぶられるということです。これまで自分の興味の範囲は狭く、凝り固まっていたのだと気づかされました。

心動かされる豊かな経験を積み重ねていきたい

自然の素晴らしさに気づいたことで、興味の範囲がすごく広がったのを感じます。ストーンヘンジのような世界遺産についてもっと詳しく知りたいと思って、帰国してから世界遺産検定の勉強をはじめました。勉強していると行きたいところが次々と出てきて、来年は屋久島を訪れる予定です。これまでだったら、日焼けをしたくないし、雨に濡れるのも嫌だし、虫も苦手なので、選ばなかった場所だと思います(笑)。

イギリスで出会ったクラスメイトのように遠い将来のビジョンを明確にもつことはまだできていませんが、まずは目の前の目標として世界遺産検定1級の合格を目指しています。

来年から名城大学の交換留学先にフランスが加わると聞いたので、第二外国語として学んでもいることもあり、機会があれば挑戦したいです。他にも行ってみたい国はたくさんあるので、いつかクルーズ旅行をしたいという夢もあります。いろいろな国をめぐることで、たくさんの刺激を受けて、新しいことを吸収し、心動かされる豊かな経験を積み重ねていきたいです。

イギリス名物のフィッシュ&チップス。何軒か食べに行きましたが、どれも口に合いませんでした(笑)
ロンドンバスで楽しめるアフタヌーンティー。結構揺れるので、紅茶はカップではなくタンブラーで提供されるんです
ハリーポッターに登場するヴォルデモート卿(トム・リドル)のお墓。心霊スポットにもなっています
エディンバラにあるハリーポッター発祥の地と言われるカフェで、本物のバタービールを楽しみました
真っ白な断崖のセブンシスターズ。たどり着くまでの道中も、景色が素晴らしかったです
ブライトンで滞在していたホテルの朝食。朝夕の食事付きだったので安心でした。毎食とても美味しかったです
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