ブラック校則と戦う子どもがいます。
熱中症や人権侵害、たくさんの危険が潜んでいる?
(執筆:林幸奈)
基準が曖昧で、「なんのために守るのかわからない」という校則は多い。たとえば「日焼け止めの使用は禁止」という決まり。「化粧品だから、不要なもの」「学校にふさわしくない」という考えのもと、設置した学校がほとんどのようだ。
多くの学校にあるルールでも「なぜ守らなくてはいけないのか」と思うものから、「生徒の安全は大丈夫だろうか」と心配になるものも出てくる。こうした校則は「ブラック校則」と呼ばれ、人権侵害や人種差別にも繋がらないかと議論されている。
髪型の指導で訴訟が起きた背景とは?
髪を整え続ける・制服を買い替えさせるなどは、経済面でも負担がかかる。黒く染めたことにより、染料が肌に合わずアレルギーを起こしたり、さらに髪色が明るくなる場合もある。心地よく過ごすための校則が、生徒や家族を苦しめているのだ。
昔から生徒はそうした規則と対立し、1981年の熊本では「男子は丸刈りにすべきという校則は、基本的人権の侵害だ」と訴えた男子生徒がいるという。2017年には、大阪の高校に通う女子生徒が、校則で黒髪を強要されたとして訴訟した。生徒は地毛が茶髪であると認められず、精神的苦痛を受けたとして、約220万円の損害賠償を求めた。
30度を超えても「制服の下に体操服着用」
服装についての校則は、安全性についても問われる。冬場に防寒着が禁じられている場合もあるというが、近年問題視されるのは、30度を超す気温の日も多い、夏の過ごし方だ。令和元年の調査によると、全国の公立小・中学校における冷房設置状況は、普通教室が77.1%、特別教室が48.5%だという。
学校生活に合わない校則があるのはなぜ?
生徒に違和感を与える「ブラック校則」の原因は、学校設立時に設置された校則が、見直されずそのまま残っていること。設立時の気候では、冷房がなくても涼しく過ごせたかもしれない。しかし現在は、普通に生活しているだけで熱中症の危険がある日も多い。
子どもたちを取り巻く環境は変化し、校則を設立した時代とは事情が異なる。現在学校に通う生徒の安全を考え、校則を見直してほしい。厳しい校則により、苦痛に感じる子どもがいる。学校が辛くなり、最悪の場合不登校につながるケースもある。そんな子どもたちがいたら、「そんな小さなことで」と思わず、まずはその声に耳を傾けてほしい。
この記事のまとめ
・生徒が苦痛に感じる「ブラック校則」が問題になっている
・「地毛は黒髪であるはず」など、人権の侵害だとされる指導もある
・水分補給制限・制服の下に体操服着用などの校則は、熱中症につながる
・髪型の強要による訴訟・熱中症による死亡事故も起こっている
・生徒の声を聞き、校則を見直す必要がある
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