東京国立博物館で「博物館でアジアの旅 アジアのパーティー」を 9月26日(火)~10月22日(日)に開催
東京国立博物館「博物館でアジアの旅」は、今年、記念すべき10年目を迎える秋の恒例企画です。2023年は9月26日(火)~10月22日(日)に開催します。本企画は、アジアの美術・工芸・考古遺物を展示する「東洋館」を舞台に、毎年独自のテーマを掲げ、それにちなんだ作品を館内随所に展示します。
今年のテーマは「アジアのパーティー」です。雅な人びとの詩会のひとときや音楽の集いを描いた作品、アジア各地の宴に用いられた酒器や祭器、婚礼を祝う人びとの思いが込められた刺繍など、アジアのパーティーにまつわるさまざまな作品をご紹介します。
小冊子(*1)と「博物館でアジアの旅 アジたびマップ2023」(*2)を手に、東洋館で作品たちの饗宴をお楽しみください。
*1 各ミュージアムショップにて販売予定。
*2 会期中、東洋館インフォメーションで無料配布予定(数に限りがございます)。
当館ウェブサイトからもダウンロードできます。
●主な展示作品● ※すべて東京国立博物館蔵、通期でご覧いただけます。
東洋館の各展示室では、「アジアのパーティー」にまつわる作品のそばに「博物館でアジアの旅 アジアのパーティー」の札を添えています。ご観覧の目印としてお役立てください。
東洋館5室
加彩楽人(かさいがくじん)
中国 唐時代・7~8世紀 横河民輔氏寄贈
竪琴や琵琶、太鼓を持って演奏する女性たちを表したやきものの人形です。唐時代、死後の世界を豊かに過ごすため、人や動物、生活道具などをかたどったやきものが墓に納められました。
東洋館3室
衆人奏楽図(しゅうじんそうがくず)
中国・ベゼクリク石窟第33窟
高昌ウイグル期・10~11世紀 大谷探検隊将来品
ベゼクリク石窟は、『西遊記』でおなじみの火焔山(かえんざん)の麓につくられた石窟寺院で、そこには10世紀にこの地に移り住んだウイグル人独自の仏教美術がみられます。くっきりとした目鼻立ちの人物は、横笛、縦笛、シンバル、太鼓、四絃琵琶などを演奏しています。スピード感あふれる、にぎやかな音楽が聞こえてくるようです。
東洋館3室
舎利容器(しゃりようき)
中国・伝スバシ 6~7世紀 大谷探検隊将来品
本作品は、中国の西北部に位置する新疆(しんきょう)ウイグル自治区クチャにあった、スバシ遺跡とよばれる寺院遺跡から出土したと伝えられています。
蓋には楽器を演奏する天人、身の側面には仮面舞踏や楽団が描かれており、いずれも当時のクチャ地方の芸能文化を知る手掛かりとなっています。
東洋館3室
山羊頭形リュトン(やぎがしらがたりゅとん)
イラン、ギーラーン地方
アケメネス朝時代・前6~前5世紀
東洋館3室
動物形リュトン(どうぶつがたりゅとん)
イラン パルティア時代・前3~後3世紀
山内信和氏寄贈
リュトンとは、宴席には欠かせない、お酒を入れる酒器のことです。野生動物をかたどった酒器は西アジアでは青銅器時代から定番でした。山羊頭形リュトン(上)は顎(あご)の下に、動物形リュトン(下)は両前足の先端に、それぞれ小さな孔(あな)があり、ワインなどの液体を注ぎ出す機能が備わっています。
東洋館5室
重要美術品 五彩金襴手水注(ごさいきんらんですいちゅう)
中国・景徳鎮窯 明時代・16世紀
坂本五郎氏寄贈
お酒を入れるのに使われる「仙盞瓶(せんさんぴん)」とよばれるこの水注は、イスラームの金属器の影響を受けた形と考えられています。華やかな金彩による絵付けは高価な金襴にたとえられ、16~17世紀の日本でも戦国大名や豪商に珍重されました。
東洋館10室
詩会風俗図軸(しかいふうぞくずじく)
李尚権筆 朝鮮 朝鮮時代・18~19世紀
小倉コレクション保存会寄贈
のどかな田園での文人たちのパーティーです。村の老若男女が興味津々で見物しています。
東洋館13室
プルカリ(覆い布) 茶木綿地波形幾何文様刺繍(ぷるかり おおいぬの ちゃもめんじなみがたきかもんようししゅう)
インド・パンジャーブ 19~20世紀
岩佐静子氏寄贈
プルカリとは「花刺繍」を意味する、インド北西部からパキスタンに広がるパンジャーブ地方伝統の婚礼ショールです。木綿地が見えないほど施された絹の刺繍は、代々母から娘へ教えられます。新たな門出を祝うプレゼントです。
東洋館13室
白地花唐草人物文様更紗(しろじはなからくさじんぶつもんようさらさ)
インド北西部 19世紀
イスラーム教の叙事詩『ユースフとズライハ』より、宴の場面を表した更紗です。エジプト王の高官の妻・ズライハの願いを聞き入れ、預言者・ユースフ(上段左から2番目の人物)が水差しを持って現れます。ユースフの美しさに女性たちは目を奪われ、オレンジの皮を剥(む)くはずのナイフで誤って手を切ってしまいます。
東洋館11室
浮彫アプサラス像(うきぼりあぷさらすぞう)
カンボジア、バイヨン アンコール時代・12~13世紀
フランス極東学院交換品
アンコール都城の中心、バイヨン寺院を荘厳していた天女アプサラスの彫刻です。インド神話にみられる水の精霊アプサラスは、やがてインドラ神の住む天界で神々のために舞い歌う美しい天女としての性格を帯びていきました。
アンコール時代の寺院には、独特の舞姿のアプサラスの彫刻が多くみられます。
東洋館3室
葡萄収獲(ぶどうしゅうかく)
パキスタン・ガンダーラ クシャーン朝・2世紀
酔っぱらって支えられているのは豊穣と葡萄酒の神、ディオニューソスで、収穫を祝う饗宴図の浮彫です。
ガンダーラの仏教寺院には、一見、仏教に関連しているとは思えない享楽的な情景を表現した彫刻がみられます。
仏教徒に死後の世界、来世の楽しさをわかりやすく示す目的で表されました。
●関連企画●
※すべて参加無料(ただし当日の観覧料が必要)、事前申込不要です。
▼アジ旅スペシャルトーク
「アジアのパーティー」をテーマに、展示作品について研究員による解説を行います。
「中国石仏はパーティーの賜物!?」
10月3日(火) (1)11:00 (2)13:30(各回約30分)
講師:児島大輔(日本・東洋彫刻)
「パーティーへ行こう!~新羅人のおめかし~」
10月17日(火) (1)11:00 (2)13:30(各回約30分)
講師:玉城真紀子(東洋考古)
会場:東洋館地下1階 TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
定員:各回90名(先着順)
※開場は各回15分前です。
※同日の解説は各回同じ内容です。
▼ボランティアによるガイドツアー
「博物館でアジアの旅」にあわせて、東洋館のガイドツアーや、構内のアジアに関連する樹木を紹介するガイドツアーなどを企画しています。詳細は当館ウェブサイトをご確認ください。
*その他、オンラインギャラリートークを当館YouTubeチャンネルにて配信予定です。
詳細は当館ウェブサイトをご確認ください。
●博物館でアジアの旅 アジアのパーティー●
会期 : 2023年9月26日(火)~10月22日(日)
会場 : 東京国立博物館 東洋館
開館時間 : 9時30分~17時 ※入館は閉館の30分前まで
休館日 : 月曜日、10月10日(火) ※10月9日(月・祝)は開館
観覧料 : 一般 1,000円/大学生 500円
※総合文化展観覧料でご覧いただけます。
※特別展、有料イベントは別料金。
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。
入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※障がい者とその介護者1名は無料。
入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間等については、
今後の諸事情により変更する場合がありますので、
東京国立博物館ウェブサイト等でご確認ください。
お問合せ : 050-5541-8600(ハローダイヤル)
ウェブサイト: https://www.tnm.jp/