noteの #買ってよかったもの2020 分析レポート
投稿数は前年比2.4倍、商品カテゴリは「ガジェット」がトップ、 ひとにオススメしたい気持ちは「変化」「自愛」から
メディアプラットフォームnoteへ2020年の1年間で投稿された、ハッシュタグ「#買ってよかったもの」がついた記事1.5万件を分析しました。だれも予測できない年になった2020年。新しいライフスタイルに対応するために、さまざまなひとが、それぞれの想いをnoteに投稿しています。特に、これまでとは違った買い物や体験をした方々の投稿もたくさん集まりました。だれかに伝えたい気持ちがこもった記事をレポートにまとめたものをご報告します。
noteでは、2018年から毎年末にお題企画「#買ってよかったもの」をおこなっています。お題企画は、noteが設定したお題にそった投稿を募集して、クリエイターが投稿するきっかけを作り、新しい記事との出会いを生むものです。「買ったもの」でも「売れたもの」でもない「買ってよかったもの」。そこには、さまざまな感情や思い出、日常のインサイトが、 たくさん詰まっています。
分析結果サマリー
1:#買ってよかったもの で2020年に投稿された記事数は、前年比2.4倍の15,092件
2020年は例年にない買い物をした方、消費心理の変化もあり、#買ってよかったもの のハッシュタグがついた記事の投稿数は前年比2.4倍に増えました。特に年末年始の期間に、総投稿数の半数にせまる7,000件以上の記事が投稿されています。
2:#買ってよかったもの 人気カテゴリトップ3は「ガジェット」「家庭」「グルメ」
リモートワークで自宅デスクの環境を整えたり、おうち時間を充実させたりするために新たな商品を購入したひとの影響で、「ガジェット」が前年比5.7ポイント、「家庭」が同2.3ポイント増加。それぞれ2019年よりも順位が上昇しました。
3:書きたい気持ちの正体は「愛用」「変化」「便利」「発見」「偏愛」「絆」「自愛」
投稿された記事を読み込んでわかったのは、買った後に「愛用」している、またはすごく感動した「便利」や「発見」が、だれかにシェアしたい気持ちの出発点になっていること。そして、記事を書くまでの感情には「愛用」の派生として「偏愛」、また2020年ならではの「変化」「絆」「自愛」などの感情が見られます。
4:人気ブランドへ寄せられる熱量
#買ってよかったもの に投稿された記事のテキストから、自然言語処理技術で、ブランド名や社名などの固有表現を抽出。人気のあったブランド(UNIQLO、無印商品、Panasonic、Nintendo、ニトリ、Aesop、IKEA、Anker)と、そのブランドがどのような言及をされているのかを見てみました。クリエイターの記事から、いくつかすてきな表現もご紹介しています。
具体的な投稿記事の一例は、調査レポートのなかにまとめています。以下からご覧ください。
調査概要
調査対象
2020年1月1日〜12月31日に「#買ってよかったもの」のハッシュタグつきでnoteへ投稿された記事15,092件および関連するSNS投稿
分析手法
1:アクセス解析ツールを用いたnoteの投稿データ及びSNSの定量分析
2:noteの投稿データを用いた定量・定性分析
・対象カテゴリに関するデータの収集
・自然言語処理技術を用いた、頻出ワードの抽出/記事のピックアップ
・上記結果の分類および要約整理
調査コメント:ブランドストラテジー領域ディレクター 京樂里奈
noteはクリエイターのみなさんが「だれかに伝えたい」「この気持ちを書きとめておきたい」と感じたままの飾らない言葉たちが投稿されます。#買ってよかったもの のハッシュタグでは、2020年ならではのカテゴリごとの特徴が数多く見られました。また、人気ブランドとそのブランドがどのように言及されているのかを見てみると、そのまま商品のキャッチコピーになりそうな、他のひとをファンにしていくような表現の数々。ひとの気持ちを動かすのは、そんな体験者の生の声だと実感しています。
買ってよかった感情を分析した分類で、特に2020年ならではだと感じたキーワードは「変化」と「自愛」です。あるものを買ったことによって、生活が劇的に変わった。自分の知らないだれかにも、変化を体験してほしい。日常の雑貨やリモートワーク関連のアイテムなど、まだ、あまり知られていないアイテムもたくさん紹介されました。また変化に富んだ2020年は、自分へのご褒美よりもご自愛、自分やだれかをケアする気持ちが、noteにもあふれていました。
このレポートを通じて、ブランドやショップオーナーの方には、熱量の高いファンの気持ちに触れて、ファンの巻き込み方や寄せられた記事の活かし方を考えるきっかけになればと思っています。そして、たくさんの投稿をしてくださったnoteのクリエイターのみなさん。すてきな体験のおすそ分け、ありがとうございました。
調査コメント:noteプロデューサー(ショッピング領域担当) 最所あさみ
「買ってよかったもの」は毎年盛り上がるお題ですが、2020年は特にその盛り上がりを感じました。投稿数はもちろん、記事のシェアも12,000件超と投稿数なみに発生していました。「買ってよかったもの」は、書きたいだけでなく読みたいテーマであることがわかります。
例年は個人のクリエイターが自主的に執筆するスタイルがメインでしたが、これだけ盛り上がり、かつ傾向を分析したり企業名ごとに投稿の傾向がわかるようになれば、2021年以降はブランドが主体となって「○○で買ってよかったもの」という企画を実施したり、買ってよかったものの投稿を集めて「消費者の声」としてブックレットを作るといった動きも可能になるのではないかと思います。
「買ってよかったもの」のお題は「売れたもの」ではなく、買ったあとにどれだけ消費者が満足し、愛着を持ってくれているかがわかるという意味で、他にはない価値をもつ情報だと考えます。
「だれもが創作をはじめ、続けられるようにする」をミッションに掲げる立場としても、売り手と買い手のよい関係を作るために、こうしたnoteらしい企画を通して今後もクリエイターの活動を支援していきたいと思います。
前半は、#買ってよかったもの のレポートの中身を発表。後半はその内容を受けて、BASE CEOの鶴岡さんとnote CEO 加藤さんの対談セッションを開催します。2020年を振り返りながら新年のスタートを切りたい方、ぜひご視聴ください
note
noteはクリエイターが文章や画像、音声、動画を投稿して、ユーザーがそのコンテンツを楽しんで応援できるメディアプラットフォームです。だれもが創作を楽しんで続けられるよう、安心できる雰囲気や、多様性を大切にしています。
個人も法人も混ざり合って、好きなものを見つけたり、おもしろい人に出会えたりするチャンスが広がっています。2014年4月にサービス開始し、約870万件の作品が誕生。月間アクティブユーザー数は6,300万(2020年5月時点)に達しています。