男性の豊胸…だけど「乳がん」が怖いです。男性でも「乳がん」になりますか?

豊胸をしたいという男性が増えています。一方で、そんな人たちからは色々な不安の声が聞こえてきます。その一つが「豊胸をしたら乳がんのリスクが高まると聞いたけれど……」ということです。

果たして、男性でも乳がんになるのでしょうか。

男性でも乳がんになる…しかし乳がん全体の1%未満

結論から言うと、乳がんは男性でも発症する可能性があります。しかし男性の乳がんは、乳がん全体の1%未満と、非常に少ないがんです。

乳がんの家族歴などがあると、男性でも乳がんのリスクが高まります。ただ病気になるリスクを高めるものは危険因子と呼ばれますが、危険因子があるからといって、がんになるとは限りませんし、危険因子がないからといって、がんにならないとは限りません。

男性における乳がんの危険因子には、以下のようなものがあります。

・乳房や胸に放射線治療を受けている

・肝硬変(肝臓の病気)やクラインフェルター症候群(遺伝性の病気)など、体内のエストロゲンというホルモンの濃度が高い

・女性の親族に乳がん患者が1人以上いる

・BRCA2などの遺伝子に突然変異がある

男性の乳がんは、遺伝的な遺伝子の変異によって引き起こされることがあります。遺伝性乳がんは、乳がん全体の約5%~10%。BRCA2など、乳がんに関連する変異遺伝子の中には、特定の民族に多く見られるものがあり、乳がんに関連する変異遺伝子を持っている男性は病気のリスクが高くなります。

男性の乳がん…発見が遅くなることが多い

男性の乳がん患者には、通常、しこりが見られます。しかし、しこりなど、乳がんに見られるような兆候は、他の病気が原因の場合もあります。以下のような症状がある場合は、一度、医師に相談するといいでしょう。

・乳房内や乳房近く、または脇の下にしこりや厚ぼったくなっているところがある

・乳房の大きさや形に変化がある

・乳房の皮膚にえくぼやくぼみがある

・乳首が乳房の内側に向いている

・乳首からの液体分泌(特に血が混じっている場合)

・乳房、乳首、乳輪(乳首の周りの黒い部分)の皮膚がうろこ状になったり、赤くなったり、腫れたりしている

・オレンジの皮のような乳房のくぼみ

男性の乳がんの診断には、乳房を調べる以下のような検査が行われます。

・乳房や脇の下の診察

・マンモグラフィ

・超音波検査

・MRI

・生検(細胞や組織を採取して、顕微鏡で観察し、がんの兆候を調べる)

がんが見つかった場合、がん細胞を詳しく調べるための検査が行われます。最適な治療法の決定は、これらの検査の結果に基づいて行われます。

また、男性の乳がんの生存率は、診断時のステージが同じであれば、女性の乳がんの生存率と同様です。しかし、男性の乳がんは、女性のように定期的な検査が推奨されていないこともあり、診断される時期が遅いケースが多く見られます。少しでも異常を覚えたら、医師に相談することをおすすめします。

脂肪注入豊胸と乳がんの関係は?

「豊胸により乳がんが発生するのではないか……」、そんな噂を聞いたことがあるでしょう。一方で「脂肪注入による乳がん発生リスクはない」という論文も発表されています。

論文では、乳がんで乳房を切除したのち、脂肪注入で乳房再建手術を受けた人の乳がんの再発リスクを検証しています。結論を言うと、脂肪注入で再建された乳房に乳がんリスクの増加は見られず、脂肪注入による豊胸の安全性が示されています。

一方で、ヒアルロン酸の注入による乳がんの発生リスクに関しては、可能性が否定できていません。新しい知見が出てくるまでは、十分に注意が必要だと言えるでしょう。

まとめ

・男性が乳がんになる可能性はあるが、発症例は非常に少なく、乳がん患者の1%未満

・男性の乳がんは発見が遅くなるケースが多い

・脂肪注入による豊胸で乳がんリスクが高くなることはない

南クリニック 院長:南晴洋
南クリニック 院長:南晴洋

南クリニック 院長:南晴洋

京都第二赤十字病院形成外科勤務、大手美容外科院長を経て1997年 南クリニック開業。創業以来、豊胸に力を入れている。注射で豊胸を行う「成長再生豊胸」を海外の学会でも発表。


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