【名城大学】農学部の「ノパルノ研究室」などが開発したサボテン入りのタルタルソースを春日井市長が試食
本学OBが社長の「モア・フーズ」やNPO法人などと産学連携で製品化
農学部生物環境科学科の植物機能科学研究室とハンバーガー店などを展開するフードサービス業「株式会社モア・フーズ」(本社・春日井市、長谷川久幸社長)などが共同で、愛知県春日井市の特産「ウチワワサボテン」を使ったタルタルソースの素を開発しました。2月1日には春日井市役所で試食会が開かれ、味見をした石黒直樹市長は「これだけでご飯を2杯はいけます」と太鼓判を押しました。
石黒直樹市長「サボテンの酸味も食感もよく、素晴らしい商品」と太鼓判
植物機能科学研究室では近藤歩准教授と学生たちがウチワサボテンの品種「ノパル」に由来する名前の「ノパルノ研究室」として、本学の附属農場がある春日井市の特産・サボテンの研究を通じて、サボテン入りピタパン(袋状の薄い生地のパン)サンド「エスニックサボーレ」など食用サボテンの商品の開発・販売やサボテンの普及と魅力の発信、さらには春日井市の地域活性化などにも取り組んでいます。
一方、春日井市ではモア・フーズと子育て支援NPO法人「あいちかすがいっこ」が中心となり、野菜栽培を通して子どもとともに農業や食を学ぶ「春日井ミライNOU(ノウ)育プロジェクト」を進めています。その一環として長谷川社長が考案したサボテン入りタルタルソースを、ノパルノ研究室と春日井市に工場を持つ食材配達業「ショクブン」(本社・名古屋市)も協力し、パッケージのデザインなども含めてタルタルソースの素を約3年かけて製品化しました。
サボテンの処理法などで協力した近藤准教授によると、細かく刻んだサボテンのピクルスが入ったソースの素にゆで卵2個を混ぜ合わせて作るタルタルソースは、サボテン特有の酸味が味のアクセントになり、ミネラルやカルシウム、食物繊維などの栄養が豊富に含まれています。あいちかすがいっこなどによるイベントでのテストマーケティングで好評を得たことから、今後、市内の飲食店に無償で100g入りが2パック入ったサンプルを提供してメニュー開発に役立ててもらい、普及させていくことにしています。
「継続的に販売していくことが重要。アイデアを出していきたい」と近藤准教授
試食会は「春日井サボテン」の地域ブランド化を展開している春日井市観光コンベンション協会が主催し、石黒市長のほか、ノパルノ研究室から大久保開登さん(4年)と三浦ほほみさん(3年)、長谷川社長、あいちかすがいっこ代表の松元永己さん、ショクブンの上田真理子さんが出席。石黒市長はまず、ゆで卵を混ぜて作ったタルタルソースだけを食べて味を確かめると、続いて唐揚げにつけて試食し、さらにソースの素に野菜を和えたコールスローも味見しました。
石黒市長は「サボテンの酸味も食感もよく、素晴らしい商品。みんなに広がっていって親しんでもらえるようになれば」と期待しました。大久保さんと三浦さんは「農業イベントで何人かから興味を持っていただいた」「サボテンは栄養価が高く、食糧危機にも役立つ」などとサボテンの有用性などを紹介。本学OBでもある長谷川社長(2005年経営学部卒)は「若い人たちにサボテンに触れてもらうきっかけになり、春日井市の魅力づくりに役立てば」と話していました。
ノパルノ研究室でも今後、製品化したタルタルソースの素をどう広めていくかを検討していくことにしています。「継続的に販売していくことが重要で、パンにぬってトーストで味わうなど愛知の『モーニング文化』を活用するのも一つの方法」と近藤准教授。「大学の強みである情報発信力を生かし、いろいろとアイデアを出しながら動いていって次のステップにつなげたい」と意欲を示しています。