2022年度の上場企業による不動産売却・取得動向と 財務指標(ROE・ROA・ROIC・自己資本比率)に関するレポートを公表

2023年5月15日(月)、CRE 戦略支援等を行うククレブ・アドバイザーズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:宮寺之裕、 以下「当社」)は2022年度(2022年4月~2023年3月)の上場企業による不動産売買動向と財務指標との関連性や牽連性に関する調査レポートを公表しました。

【ROE】不動産売却を行う上場企業の特徴・中央値・平均値は?

まずはROEの観点から、上場企業のうち実際に不動産を売却した企業と売却を行っていない企業の比較をしていく。

不動産売却した企業のROEを見ていくと、中央値が約2.9%、平均値が約5.2%となっている。一方で、不動産売却を行っていない企業では中央値が約7.4%、平均値が9.1%と両者には大きな開きがあり、不動産売却を行った企業ではそうでない企業に比べて、著しくROEが低い水準にあったと言える。

グラフからも、不動産売却を行った企業ではROE水準が高くなるにつれて企業数が大幅次第に減少する”右肩下がり”の形状となっており、ROEの低い企業に不動産売却の傾向が強いことが確認できた。こうした背景には、ROEの低い企業では株主資本に対して効率的な事業経営が達成できていないことが一つの課題であり、不動産を売却することで手元資金を確保し、収益性の高い事業への新規投資を進める意図があるのではないかと推測される。

ROE(自己資本利益率)(%)=当期純利益÷純資産×100

【ROA】不動産売却を行う上場企業の特徴・中央値・平均値は?

続いてROAの観点から、上場企業のうち実際に不動産を売却した企業と売却を行っていない企業の比較をしていく。

不動産売却した企業のROAを見ていくと、中央値が約1.4%、平均値が約2.1%となっている。一方で、不動産売却を行っていない企業では、中央値が約3.5%、平均値が4.3%とROEと比較するとそれほど大きくはないものの、一定程度の開きが確認できる。

グラフの特徴としては、不動産売却を行っていない企業の中にはROAが10%を超える企業が一定程度存在するものの、不動産売却を行った企業の中にはそうした高ROA企業はほとんど存在していない。10%を超える高いROAを示した企業でほとんど不動産売却がなされなかったことは、中央値や平均値に一定程度の差異が生じた要因の一つと考えられる。

ROA(総資産利益率)(%)=当期純利益÷総資産×100

不動産取得を行う上場企業のROE・ROAの動向・中央値・平均値は?

続いて、不動産を取得した上場企業の直前期のROEとROAの動きを分析していく。

まず、ROEで比較すると不動産取得を行っている企業のROEの中央値が12.4%、平均値が12.2%と高い水準である。一方で、不動産取得を行っていない企業のROEは中央値が7.2%、平均値が8.9%となっており、不動産取得の有無の面でも、ROEでは大きな開きがあることが分かった。

グラフからも分かる通り、不動産取得を行っていない企業のROEのボリューム帯は5%~10%であるのに対し、不動産取得を行った企業のROEのボリューム帯は10%~20%とより高水準の区間に企業が集中しており、ROEの高い企業(=経営効率の良い企業)ほど積極的に不動産取得を行う傾向が確認できた。

次にROAを比較すると、不動産取得を行っている企業と行っていない企業では、ともに中央値が3.4%、平均値が4.2%となっており、ROAの面では不動産取得の有無にほとんど差が表れていない。グラフの形状を確認しても、2つのグラフのサンプル数に大きな差があるものの、概ね形状は近似しているものと言えるだろう。

よって不動産の売却動向と同じく、ROEとROAを比較するとROEの方が、より企業による不動産の売買動向に強い牽連性があると考えられる。


(つづきは以下よりご覧ください)

ククレブ・アドバイザーズ株式会社 会社概要

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所 在 地 :〒101-0047
      東京都千代田区内神田一丁目14番8号 KANDA SQUARE GATE 8F
資 本 金 :400,000,350円(資本準備金含む)
事業内容 :AI・IoT を活用した CRE 営業支援ツールの企画・開発・販売、
      CRE アドバイザリー業務、コンパクト CRE 不動産投資・開発業務等
サ イ ト :https://ccreb.jp/

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