理工同窓会総会記念講演会が6月9日、天白キャンパス名城ホールで開催され、リチウムイオン電池の発明で2019年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰終身教授が講演しました。
講演タイトルは「リチウムイオン電池が拓く未来社会」で、同窓会員や在学生、一般の約150人が聴講しました。
吉野終身教授「カーボンニュートラルは必ず実現する」
吉野終身教授がリチウムイオン電池に関係する研究をスタートしたのは1981年。当時、繰り返し充電が可能な二次電池がなく、後にノーベル化学賞を受賞する白川英樹先生が発見した「ポリアセチレン」という電気を通すプラスチック材料の研究を通して、電池の負極材料への活用を考えたという。
ほぼ同時期にノーベル化学賞を共同受賞したグッドイナフ教授が正極材料としてコバルト酸リチウムを発表し、1985年に二次電池が完成。1995年のMicrosoft Windows 95の発売を契機に、モバイルIT社会が一気に加速したことを説明しました。
一方、ノーベル賞の受賞理由には「サステイナブル社会の実現に大きな期待」と示され、吉野教授は「サステイナブル社会はまだ実現しておらず、2050年のカーボンニュートラル達成にリチウムイオン電池の果たす役割は大きい」と話しました。さらに「Windows 95が発売された当時、現在の世の中を誰が予想できたのか。言い換えれば、2050年の社会は誰も想像できず、ドラスティックに変わっているはず」とし、「複数の技術が連鎖的に組み合わせれば、カーボンニュートラルは必ず実現する」。「2025年は2050年に向けてのスタートの年、サステイナブル社会の実現に向け、日本がどれだけ貢献できるか試されている」と締めくくりました。
講演後には質疑も行われ、盛況のうちに講演会は終了しました。
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リチウムイオン2次電池の発明者 吉野 彰 終身教授・特別栄誉教授 | MEIJO RESEARCH | 名城大学
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名城大学の赤﨑勇 特別栄誉教授と天野浩 特別栄誉教授は、青色LEDの発明により、2014年ノーベル物理学賞を受賞され、吉野彰終身教授・特別栄誉教授はリチウムイオン電池の開発により、2019年ノーベル化学賞を受賞されました。本展示室では、3名の教授のこれまでの研究活動とノーベル賞受賞の功績を顕彰し、この偉業を後世へ伝えていく場としてさまざまな展示を行っています。
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