日高山瓦窯の発掘調査(飛鳥藤原第213次調査)の現地見学会のご報告

現地見学会資料をPDFでご覧いただけます

2023年7月1日(土)、日高山瓦窯の発掘調査(飛鳥藤原第213次)の現地見学会を開催しました。
当日は381名の方にご参加いただきました。

発掘担当者からのコメント

都城発掘調査部 研究員 道上 祥武

 都城発掘調査部の道上です。当日は豪雨の予報もありましたが、なんとか小雨で収まり、現地見学会を開催することができました。今回は、藤原宮に瓦を供給した、日高山瓦窯の発掘調査をおこないました。藤原宮に瓦を供給した瓦窯は奈良盆地内外に複数存在しますが、日高山瓦窯は宮に最も近く、また、藤原宮の造営過程の中でも初期段階に操業していた窯であることが、これまでの研究から指摘されています。

 日高山瓦窯では3基の瓦窯が既に知られており、今回の調査で基の瓦窯を新たに確認し、合計6基の瓦窯の存在が明らかになりました。窯の数はさらに増えるとみられます。

 日高山瓦窯は従来型の窖窯と、藤原宮造営段階に新たに導入された平窯を併用することが知られてきました。今回の調査では、窖窯と平窯を組み合わせたような窯(5号窯)も含まれるなど、これまで考えられてきたより個体差があることが明らかになりました。瓦葺き宮殿の造営という一大プロジェクトを前に、新型の瓦窯を取り入れつつ、なんとか生産に対応しようとした、日高山瓦窯の瓦工人たちの試行錯誤がうかがえるような成果を上げることができました。今後は出土した瓦の検討をさらに進めていく予定です。なお、今回の調査で出土した瓦とこれまでに藤原宮内で出土した瓦を集めた展示、「日高山瓦窯の瓦」を、藤原宮跡資料室にて開催しております。こちらもぜひお越しください。

現地見学会の様子
現地見学会の様子
現地見学会の様子
現地見学会の様子
現地見学会資料
現地見学会資料

AIが記事を作成しています