重度訪問介護の株式会社土屋 女性ゼネラルマネージャー登用! ~女性が活躍できる社会を目指して~
株式会社土屋(本社:岡山県井原市、代表取締役:高浜 敏之、在籍人数:1,003人)・ホームケア土屋は、重度の障害をお持ちの方に対する訪問介護サービスを全国で展開するソーシャルビジネス企業です。
介護者(アテンダント)が利用者(クライアント)のお宅に伺い、一対一で生活支援や医療的ケアを行います。通常の訪問介護と異なり、長時間にわたり介護者と利用者が生活を共にすることで、障害を持つ方が住み慣れた地域や自宅で自分らしく暮らしていくためのサポートをしています。
今回は新たに取締役に選任された岡田 千秋のご挨拶とともに、当社が推進するジェンダー平等と女性が働きやすい職場への取り組みをお伝えします。
女性管理職の現状と当社の取り組み
政府は2020年に女性管理職を30%にという目標を掲げていましたが、女性管理職の割合は7.8%と依然低い状況にあります。しかし、女性の管理職登用は、収益性の増加や、安全で質の高いサービスを顧客に提供できるとされます。そこで当社では、ジェンダーイクオリティ委員会を立ち上げ、女性が管理職になることを推進し、この度、女性で3人目となる取締役に、長崎出身の岡田 千秋を登用しました。以下、ゼネラルマネージャーとして、当社のメイン業務を牽引していくこととなった岡田 千秋のインタビューです。
ゼネラルマネージャー 岡田 千秋 インタビュー
トップマネジメントまでの道のり
私は介護業界は長くありません。30年以上、フラワーショップを経営していましたが、父が末期がんになり、在宅で看取るために実店舗を畳んでPC関係の資格を取り、Webでの経営に切り替えました。父が最期に私に残してくれた言葉、それが「介護は天職じゃないか」です。それで、父を看取った後、気持ちを切り替えて高齢者介護施設の門を叩きました。その時、私は50歳。でも遅くはない、まだまだいろんなことができると思い、介護業界での第二の人生に足を踏み入れました。
その後、重度訪問介護に転身し、医療的ケアなどのスキルや管理者としての経験を積み、株式会社土屋に入社。当社ではWebの経験を生かしてカイポケの導入やイントラネットを構築し、この度、ゼネラルマネージャーに就任して取締役となりました。
まさに今の仕事のために、今の私を作るために、これまでの経験があったのだとしみじみと感じています。
心のひだに触れる介護
介護の仕事は人との関わり合いそのものです。女性ならではのきめ細やかな対応をすることで、一つ一つの現場を丁寧に、心の通う場にするのが目標です。
まずは、クライアントの声を聞く体制づくりが課題です。介護現場におけるハラスメント事例の報告も上がってきていますが、より生の声を聞くため、「土づくり」というクライアントに向けた広報誌の発行や、障害当事者を招いたイベントを予定するなどして、関係性を近づける環境づくりを始めています。
一方で、クライアントの暮らしの質は、アテンダントのモチベーションに大きく左右されます。当社は直行直帰が主体のため、ともすればアテンダントが孤独に陥りがちです。ただ、信頼関係が構築されていなければ心を開いてもらえないので、声を上げやすい環境づくりが課題です。まずは日々のコミュニケーションを大切にし、ネガティブな発言をしない心がけをしていきます。
疲弊や悩み、ハラスメント事例など、実際に社内調査で上がってきた声に対しては、当人と思しき方には、最近はどうですかなど、声掛けをしたり、対人関係であれば、双方の声を聞いて対処します。大きく問題となる事例では、現場や環境を変えるなど臨機応変に対応していますが、まずはしっかりと話を聞くということ。とりわけ女性は話を聞いてもらいたいという気持ちが強いです。親身になって耳を傾ければ、気持ちも楽になると思いますし、「わかりますよ」の一言で変わる人もいます。
反対に、気持ちを吐き出す場がないと、不満が突然噴出し、周りを巻き込む騒動になることもあります。心を支えることで問題も少なくなってくるので、一人一人との対話を大事にするようなサポートをしていきたいです。
女性管理職が増えない理由と増やす方法
女性の管理職が増えない理由として、結婚・出産、あるいは親の介護など、家庭の環境に左右される面が多いことが挙げられます。昇進や管理職を目指したいけれど、今の環境上、責任のある仕事はできないという方は一定数いると思います。
改善策として、まず挙げられるのは、一人一人に応じた働き方の提案です。子育てや介護をしている方には、その方に合った働き方を勧めるなどでリーダー職も可能と思いますし、バックアップ体制を整えることも重要です。女性やコーディネーター、マネージャーはこうあるべき、とする「べき思考」を崩し、多様な形を提示していくと、それなら自分にもできるかもと、昇任の意欲も上がってくると思います。
年齢や性別にとらわれることなく、心持ち次第で多くのことができるので、意欲のある方を全力でサポートしていきたいです。
ジェンダー平等へ向けて
当社では、ジェンダーイクオリティ委員会を設置し、仕事と家庭の両立を可能とする福利厚生制度の確立や女性経営陣の育成・増員、女性のアテンダントやクライアントが安心できる介護現場づくりに向けて動いていますが、そのためにもまずは女性の声を拾いたいです。
現在、コーディネーター以上の女性リーダー会が北海道、東北、関西、九州の4ブロックで立ち上がっていて、座談会のような形で、現場の声を聞く体制を取っています。
ただ、声というのは、聞く耳を持たないと聞こえてこないので、まずは声を拾う体制を作ることが重要だと感じています。各マネージャーには、現場ミーティングや1on1などで、ちょっとした言葉を汲み取れる力を付けることを提案しています。
また、土屋はシングルマザーの従業員も相当数いるので、託児所を開設したり、事務所の設備(トイレ等)も、女性の使いやすさを考慮したものに変えていくなど、女性の働きやすさを重視していく方向です。
今後の抱負
今後、当社は大きく変わっていくと思います。知的障害者への支援や日中生活サービス、デイサービスやテラテットの活動、訪問看護も進めています。ですが、重度訪問介護のホームケア土屋がメイン事業で、ここがぶれたり経営不振になると全体が倒れてしまうので、気を引き締めて、根幹を担う責務を果たしたいです。
その際、上層部と現場のしっかりとしたパイプ役になりたいです。現場の声は、上の層になればなるほど聞こえにくくなるので、現場とのパイプを太くして小さな声を拾い、それに応えられるような体制を作っていきたいです。
アテンダントとクライアントのコミュニケーションの促進も役割の一つだと思っています。当社のクライアントは約600名ですが、中には問題を抱える現場もあります。問題の原因は何か、こちらが寄り添う形での解決策はあるのか、どうすればアテンダントが疲弊して追い込まれる状況を回避できるのか、まずはそれらを見極めることが重要です。アテンダントとクライアントの意見交換の場を作り、双方が分かり合える機会を多く設け、時間をかけて信頼を培っていければと思います。
少しだけ、人となり
これまでブルーハーツの歌詞に励まされて生きてきたので、ブルーハーツ、甲本ヒロトが大好きです。そして、黒猫のツネ。2年前に庭でカラスに襲われてうずくまっているところを保護した子ですが、今ではすっかりやんちゃで、甘えん坊で、手を焼いてますが、大事な家族ですね。
はまっているのは多肉植物の栽培とローカーボーな食生活。2日に1回、大豆でパンを焼いたり、カロリーゼロのお砂糖でジャムやピーナッツバターを作っています。
主人のバイク好きも影響し、我が家では三種の神器と言われる3台の有名国産メーカーKの旧車の後ろに時々乗せてもらい、気分転換のツーリングも楽しんでいます。
今後は、社内でこのような趣味の同好会(社内クラブ)を作ることができればとも考えています。「多肉植物倶楽部」や「バイク好き集まれ~」等、好きな事柄で横のつながりの強い組織を作っていきたいです。
頑張る女性へのエール
今までの経験からお伝えできるのは、中年と言われる年代でも、女性が諦める必要はない。絶対に道は開けるということです。
「もう年だから」とか、「いまさら」という声を時々聞きますが、いくつになってもやろうと思ったときが、やれるときです。諦めないで頑張れば、想いは叶いますと言っていきたいです。
今回、定年近い歳の女性である私が取締役に就任したことが、他の方々の希望になれば嬉しいです。以前からポジションが上がるたびに、私では無理ですとお伝えしてきました。けれど、そのたびに周りの方が協力して助けてくれました。自分には管理職は無理だと思っている方には、この会社には頑張りを見てくれる方は必ずいるので一緒に頑張りましょうと、声を大にして言いたいです。
是非当社ホームページ、Twitter・YouTubeをご覧ください。
→法人公式サイト
https://bit.ly/press-tsuchiya
→法人公式Twitter
https://twitter.com/tcy_honsha
→公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCboj8uAyr_W7Vw4kT9HS7ng
会社概要
会社名 :株式会社土屋
所在地 :岡山県井原市井原町192-2 久安セントラルビル2F
代表取締役:高浜 敏之
設立 :2020年8月
事業内容 :障害福祉サービス事業及び地域生活支援事業、
介護保険法に基づく居宅サービス事業、
講演会及び講習会等の企画・開催及び運営事業、研修事業、
訪問看護事業