「HMスキンマーカー」を11月23日から医療機関に販売開始 手術等で使用する、消えづらく発がん性物質を含まない皮膚マーカー
近畿大学医学部(大阪府大阪狭山市)放射線医学教室(放射線腫瘍学部門)教授 門前一と、同小児科学教室医学部講師 宮崎紘平を中心とする研究グループは、早川ゴム株式会社(広島県福山市)と共同で、放射線治療や手術で患者の皮膚に目印をつけるマーカーとして、発がん性物質を含まない「HMスキンマーカー」を開発しました。令和5年(2023年)11月23日(木・祝)より、東洋メディック株式会社(東京都千代田区)の協力のもと、医療機関に販売を開始します。
【本件のポイント】
●発がん性物質を含まない皮膚マーカーとして、「HMスキンマーカー」を開発
●令和5年(2023年)11月23日(木・祝)から、医療機関を対象に販売を開始
●消えづらく、安全な皮膚マーカーとして、医療現場で幅広く活用されることに期待
【本件の内容】
放射線治療や手術の際、治療の位置を正確に把握するため、医療現場では皮膚マーカーが用いられています。これまでは、メチルロザニリン塩化物を主成分とした専用の皮膚マーカーペンが国内外で広く用いられてきましたが、メチルロザニリン塩化物を含む医薬品には発がん性があることがわかり、日本でも令和4年度(2022年度)末に製造・販売が停止されました。そのため、近年は一般的な油性マジック、水転写シール、仮タトゥーなどが皮膚マーカーとして使用されています。しかし、放射線治療中に描いた線が薄れたり、マーカーによって子どもの皮膚がかぶれたりと、耐久性や安全性などの面でそれぞれ欠点があります。
そこで研究グループは、医薬部外品原料規格に掲載されている安全な化粧品材料から、発がん性物質を含まない「HMスキンマーカー」を開発しました。このマーカーは、油性マジックに比べて約2倍の耐久性があるうえ、油性マジック等で報告されていた合併症も見られず、安全に使うことができ、医療現場での幅広い活用が期待されます。
【商品概要】
商品名 :HMスキンマーカー
販売開始:令和5年(2023年)11月23日(木・祝)
販売方法:東洋メディック株式会社大阪支店にお問合せください
価格 :5本1セット 24,750円(税込)
インク :水性顔料タイプ(紺青色)
サイズ :直径10㎜×125㎜、線幅約2㎜
重量 :約9g
滅菌 :ガンマ線
販売目標:10,000本
お問合せ:東洋メディック株式会社大阪支店 TEL(06)6441-5741
【早川ゴム株式会社】
所在地 :広島県福山市箕島町南丘5351番地
代表者 :代表取締役社長 小川浩司
創業 :大正8年(1919年)3月
事業内容 :土木・建築用防水材、住宅防音材や工業用ゴム製品の製造・販売
従業員数 :363人 ※ 令和5年(2023年)4月現在
資本金 :払込資本金 494,336,000円
ホームページ:https://www.hrc.co.jp/
【東洋メディック株式会社】
所在地 :東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル8階
代表者 :代表取締役社長 竹内靖治郎
創立 :昭和57年(1982年)7月
事業内容 :医療用診断・測定機器及び放射線・計測機器類の輸入販売と保守サービス
従業員数 :164人 ※ 令和5年(2023年)1月現在
資本金 :6,700万円
ホームページ:https://www.toyo-medic.co.jp/
【関連リンク】
医学部 近畿大学病院 教授 門前一(モンゼンハジメ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1301-monzen-hajime.html
医学部 医学科 医学部講師 宮崎紘平(ミヤザキコウヘイ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/1588-miyazaki-kohei.html