第10回 新千歳空港国際アニメーション映画祭 コンペティション部門 短編部門入選作品&国際審査員発表
この度、新千歳空港国際アニメーション映画祭実行委員会は、2023年11月2日(木)~6日(月)の5日間、北海道新千歳空港にて開催する「第10回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」の、コンペティション短編部門の入選作品を発表しました。今年は、世界93の国・地域より集まった2,000件以上の応募作品の中から、全58作品が入選しました。あわせて、コンペティション部門を審査する国際審査員6名も発表しました。
世界93国・地域、2,157作品の応募の中から、最先端のアニメーション58作品が入選
映画祭のメイン部門であるコンペティション短編部門では、30分以内のアニメーション作品を対象とし、2023年4月24日~6月30日まで募集をしました。その結果、今年度は93の国・地域から2,157作品の応募があり、そのうち58作品がインターナショナル/日本/学生/ミュージックアニメーションコンペティションの各カテゴリに入選しました。入選作品は映画祭会期中に新千歳空港シアターで上映され、審査員による審査を経て、賞金100万円の短編グランプリをはじめとした各アワードが授与されます。
全入選作品詳細は、映画祭公式サイト(https://airport-anifes.jp/)をご確認ください。
コンペティション短編部門 ノミネート作品一例
コンペティションを審査する国際審査員が決定!4年ぶりに海外ゲストが来場。
インターナショナル・日本コンペティションの審査員に就任したのは、本映画祭で2014年と2019年に2度の短編部門グランプリを受賞し、アニー賞へのノミネート歴をもつポーランドのアニメーション作家トメック・ポパクル。映像インスタレーションのほか、舞台コラボレーションにも取り組む日本を代表する現代美術アーティスト束芋。国内外で活動する現代美術キュレーター金澤韻の3名です。
学生コンペティションの審査員は、ルーマニアのアニメーション映画祭「アニメスト」のフェスティバルディレクターでありプロデューサーのミハイ・ミトリチャ。国際映画祭で多くの受賞歴をもち、プロデューサーとしても活動するハンガリーのアニメーション作家ナディア・アンドラセフ。そして、短編作品『骨嚙み』がオタワ国際アニメーション映画祭でグランプリを受賞、本映画祭でも審査員特別賞を受賞し、アニメーションにおけるセクシュアリティやジェンダー表象の研究にも取り組む新進気鋭のアニメーション作家である矢野ほなみの3名です。こちらの3名は、後日発表となる長編部門の審査も担当します。
映画祭会期中は、各国際審査員によるトークプログラムや関連上映プログラムも実施します。国際審査員プロフィールなど詳細は映画祭公式サイト(https://airport-anifes.jp/)をご確認ください。
インターナショナル、日本コンペティション 国際審査員
トメック・ポパクル Tomek POPAKUL(ポーランド)
アニメーション監督、ミュージシャン、グラフィックデザイナー、ミュージックビデオ・クリエーター。ウッチ映画大学でアニメーション演出と特殊効果を専攻しながら、脚本も同校で1年間学ぶ。卒業制作の『Ziegenort』は多くの国際映画祭で上映され、ヴロツワフのニューホライズン国際映画祭アニメーション部門最優秀賞、クラクフ映画祭最優秀アニメーション賞、オーバーハウゼン国際短編映画祭優秀賞、ブルックリン映画祭最優秀アニメーション賞など多くの賞に輝く。短編映画 『Acid Rain』は、これまでに35の賞を獲得し、約90の映画祭で上映。栄誉あるアニー賞にノミネートされ、アカデミー賞の候補にもなった。2023年には最新作である短編アニメーション映画 『ZIMA』が完成した。
ミュージシャンとしては、ASTMAという名で活動。Wysokie Pokrzywyというレーベルを設立し、インターネットラジオのRadio KapitałのEXOZENTRYKIMEミックスシリーズのホストも務める。Audile Snow、Pointless Geometry、Intruder Alertというレーベルからアルバムをリリースし、ミュージックビデオの制作とカバーアートも手掛ける。
束芋 Tabaimo(日本)
手書きドローイングと日本の伝統的な木版画を思わせる色彩を用いたアニメーション・インスタレーションで知られ、現代日本社会に潜む問題をシュールでシニカルに表現。2011年、第54回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展に日本代表として参加。2006年にイスラエルのバットシェバ・ダンス・カンパニーのオハッド・ナハリンとのコラボレーションを皮切りに、様々な舞台コラボレーションに取り組んでいる。2016年、映像芝居「錆からでた実」(東京芸術劇場 シアターイースト公演)を演出。この舞台作品は、2020年に米国4都市を巡回した。2022年サーカスアーティストヨルグ・ミュラーとのコラボレーション作品「もつれる水滴」が世界初演として日本ツアーを行い、同年秋、フランス4都市を巡るツアーを開催。2022年にドイツのフォルクヴァンク美術館にて新作インスタレーション作品を発表。2023年にはコペンハーゲンのGL Strandにて大規模個展を開催。
金澤 韻 KANAZAWA Kodama(日本)
現代美術キュレーター。東京藝術大学大学院美術研究科修了、および英国ロイヤル・カレッジ・オブ・アート現代美術キュレーティングコース修了。熊本市現代美術館など公立美術館での12年の勤務を経て、2013年よりインディペンデント・キュレーターとして活動を開始する。国内外で展覧会企画多数。その仕事には、漫画やアニメーションで表現する作家との協働も多い。現代美術オンラインイベントJP共同主宰。株式会社コダマシーン共同代表。京都芸術大学客員教授。
学生コンペティション 国際審査員
ミハイ・ミトリチャ Mihai MITRICĂ(ルーマニア)
ブカレスト・アニメーション国際映画祭「アニメスト」の共同設立者でありディレクター。アニメストはルーマニア唯一のアカデミー賞公認の映画祭であり、ルーマニア国内とモルドバ共和国の様々な都市でフォローアップや特別上映会が開催されている。
アニメーション、ルーマニアの短編映画、ホラー映画全般を軸に様々な国際映画祭で短編映画のキュレーターや選考委員を務める。また、アヌシーやクレルモンフェランなどのマーケットでルーマニア映画のプロモーションを行い、世界中の映画祭に審査員として招かれている。2014年からはフリーランスの短編アニメーション・プロデューサーとして、地元出身の次世代を代表するアニメーターたちと仕事をしている。制作会社Safe Frameと共に手掛けた最新作『Cradle』(監督・アニメーション:パウル・ムレシャン)は、100以上の国際映画祭で上映されている。
ナディア・アンドラセフ Nadja ANDRASEV(ハンガリー)
アニメーション作家。ブダペストのモホイ=ナジ芸術大学で修士号を取得する。アニメーション・サンフロンティエールの修了生で、Open Workshopへの参加経験を持つ。監督作『The Noise of Licking』と『Symbiosis』は数々の映画祭で上映され、カンヌ国際映画祭シネフォンダシヨン部門同率3位入賞、サウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)映画祭短編アニメーション部門審査員賞など、40以上の賞を獲得した。実写映画で経験を積んだのち、現在はアニメーション映画の監督、プロダクション・マネージャー、プロデューサーとして、また様々な国際映画祭で予備審査のプログラマーや審査員として活躍している。監督としては、強迫観念、覗き見、セックスにまつわる個人的なテーマを扱うことを好む。
矢野 ほなみ YANO Honami(日本)
瀬戸内海島生まれ。2017年東京藝術大学大学院映像研究科修了。『骨嚙み』(2021)は第45回オタワ国際アニメーション映画祭で短編部門グランプリを受賞、第29回レインダンス映画祭で短編アニメーション部門最優秀作品賞、2022年第25回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞、他25の受賞。 NHK「みんなのうた」ほか、EDやMV等も手掛ける。現在最新作「エリ」(仮)を制作している。
新千歳空港国際アニメーション映画祭とは
新千歳空港国際アニメーション映画祭は、北海道と世界を結ぶゲートウェイである新千歳空港ターミナルビル(北海道千歳市)を会場とした、アニメーション専門の国際映画祭です。
記念すべき10回目の開催となる今年は、2023年11月2日(木)~11月6日(月)の5日間で、国内外の話題作など招待作品の上映はもちろん、アニメーションの意義を拡張する様々なプログラムを展開し、アニメーションの意義を拡張するような新しい価値を生み出す「遊び場」として、エネルギーを持ち帰ることができる文化交流拠点の創造を目指します。