【名城大学】森和俊 薬学部特任教授が1年生に対して特別講義

講義を行う森特任教授

2024年4月1日付で本学薬学部の特任教授に就任した京都大学高等研究院の森和俊特別教授が10月2日、八事キャンパスで薬学部1年次の必修科目「生化学2」で特別講義を行いました。

熱心に耳を傾ける学生たち

「薬学部は領域が広い。やりたいテーマに出合えることに期待しています」

1年生約290人を前に森特任教授は、「田舎者の少年がどのようにしてノーベル賞候補と言われるまでになったか?」をテーマに講義。中学生の頃に新聞で読んだ素粒子物理学の世界に憧れ、また日本人初のノーベル賞受賞者の湯川秀樹博士、2人目の朝永振一郎博士が京都大学出身と知り、理学部を目指して勉強に励んでいたと紹介。しかし、第一志望は叶わず、工学部合成化学科で学んでいたが、利根川進博士の記事を読み、分子生物学に興味を持ったという。「DNAの中には、どのアミノ酸がつながって、どんなタンパク質を作るのかが“暗号”として書き込まれている。ミステリーが好きでこの“暗号”という言葉に惹かれた」と振り返り、暗号を解く面白さと人の役に立つ分野を志し、薬学部に転学部して、生化学の世界に飛び込んだということです。

講義終了後にも質問に答える森特任教授
特別講義終了時には感謝の拍手が沸き起こる

その後、岐阜薬科大学で助手のポストを得ましたが、分子生物学の研究をするため、アメリカ留学を決意。テキサス大学で小胞体ストレス応答に出合いました。「どうせ苦労するなら、もっと面白いこと、もっと重要な研究をしたいと思い、思い切って環境を変えた。それがライフワークとなる研究テーマの幸運な出合いにつながった」。講義後半では、薬学を学ぶ学生向けに小胞体ストレス応答の仕組みを分かりやすく詳細に解説しました。森特任教授は「研究は誰も答えを知らない問題に答えを出す面白さがある。薬学部は領域が広く、どこかに皆さんが興味を持てる分野があるはず。国家試験対策だけに留まらず、6年間取り組む中でこれをやってみたいという出合いに期待しています」とエールを送りました。

講義終了後には質問も相次ぎ、ノーベル賞候補者から大いに刺激を受ける特別講義になりました。

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