アルファ・ラバル、海洋技術企業を買収　 流体空気潤滑技術による船舶の脱炭素化貢献を目指す

アルファ・ラバルは、市場で初めて流体空気潤滑システムを開発したロッテルダムに拠点を置く海洋技術企業、Marine Performance Systems B.V.(以下 MPS)を買収したことを発表しました。

今回の買収の動きによって、アルファ・ラバルは環境に優しいこの技術を市場に導入し、船舶の効率向上、燃料消費の削減、および船舶の排出物の最小化に大きく貢献することができます。

2021年にMPSの少数株主となって以来、アルファ・ラバルは最終的に同社を完全に自社ブランドの下に統合しました。この買収により、特許取得済みの流体空気潤滑システム「FluidicAL」の市場進出が加速され、持続可能な航行をサポートすることができます。

船舶が航行する際の摩擦は、船舶の運用費用の最大60％を占める燃料消費の最も重要な要因です。MPSの先進的な流体空気潤滑システムは、流体技術と空気潤滑技術を組み合わせて船舶の摩擦を大幅に低減することができます。システムは、流体技術を使用して高度に制御された微小な気泡を発生させ、最大の効果を発揮するために船体の平坦な底面全体を覆う空気層を維持する点でユニークです。船体の摩擦抵抗の低減により、燃料消費が削減されます。

「空気潤滑システムを私たちのポートフォリオに加えることで、エネルギー効率の高い持続可能なソリューションを顧客に提供することを大変嬉しく思っています」とAnders Lindmark、ヒート＆ガスシステム ビジネスユニット社長は述べています。「2021年以来、私たちはMPSの空気潤滑技術の開発を密接に支援しており、船舶に搭載した流体空気潤滑システムのパフォーマンスに感銘を受けています。」

流体空気潤滑技術は、1つのソリューションで船主に多くの利益を提供する能力があり、船舶の脱炭素化に大きな影響を与えると予想されています。空気潤滑による摩擦の低減により、排出物削減だけでなく、船舶の燃料コストの大幅な削減と全体的な船舶の効率の改善が実現され、船舶の正常な運航速度と3年以下のペイバック期間で達成されます。

「今日の海運業界では、運用コストを削減し、排出物を最小限に抑えるソリューションが以前以上に重要です。MPSの空気潤滑システムは、航行業界のニーズと課題を念頭に設計されており、船主にとって使いやすいインストールが可能なソリューションを提供し、環境排出物を大幅に削減します。」とAndersは述べています。

特許取得済みの流体空気潤滑システム「FluidicAL」には、船体の構造変更や船舶の再認定が必要なく、既存船のほか新造船にも最適です。最小限のフットプリントと最大限の柔軟性を持ち、システムは船舶の設計や運用プロファイルに合わせて構成および最適化され、既存のオンボード技術に無理なく統合されます。

空気潤滑技術は、国際海事機関(IMO)によって「革新的なエネルギー効率技術」として認定され、炭素排出量を削減するための技術として、EEXI(既存船舶のエネルギー効率指数)、EEDI(新造船舶のエネルギー効率設計指数)の遵守やIMOの炭素強度指標(CII)要件の炭素強度削減に対応しています。さらに、革新的な流体空気潤滑技術は、CO2排出を最小限に抑え、炭素税の制限に役立ちます。

流体空気潤滑システム「FluidicAL」の詳細については、こちらをご覧ください：
https://www.marineperformancesystems.com/

アルファ・ラバルの環境技術や持続可能な航海に取り組むアプローチについて詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください：
https://www.alfalaval.com/marine