「長く噛む」ことが愛犬の幸福感および 集中力の向上に影響することが明らかに! 愛犬のこころを読みとくデバイス「イヌパシー」を用いた 実験報告レポートを発表
「愛犬のこころ・もっと探求プロジェクト」は、噛むおやつのパイオニアブランド「DINGO」(スペクトラム ブランズ ジャパン株式会社、本社:神奈川県横浜市)と、愛犬のこころを読みとくデバイス「イヌパシー」を開発・販売する株式会社ラングレス(本社:東京都墨田区、代表取締役:山入端 佳那、以下:ラングレス社)が2024年4月~5月に行った科学的探究プロジェクトです。
探求プロジェクトの概要
今回の実験では、「愛犬のこころ・もっと探求プロジェクト」の一環として、スペクトラム ブランズ ジャパン(DINGO)とラングレス社が共同で実施した研究により、噛む行動が愛犬の感情に与える影響が明らかになりました。この研究は、愛犬の心を読み解くデバイス「イヌパシー」を使用し、日常生活の中で犬が経験する幸福感とストレスの変化を詳細に分析しました。実験では、30組の愛犬と飼い主が約2週間にわたり、1日15分間、(1)好物のおやつを与えた時、(2)飼い主とおもちゃで遊んでいる時、(3)長時間楽しめる牛皮ガム(DINGO)を与えた時、それぞれの犬の感情変化を「イヌパシー」で測定しました。
研究成果のポイント
愛犬と飼い主には各家庭で習慣的に用いられている遊びやおやつがあり、そのそれぞれが心身に与える影響も異なると予測し、本プロジェクトでは、日常的に利用しているおもちゃやおやつ、そして新たに長く噛むことの出来る牛皮ガムを与えた際に、犬の心理に与える影響を評価しました。その結果、いずれもある一定の幸福度、集中力、ストレスに変化を及ぼすが、各感情の出現頻度や出現した際の持続力が異なることが明らかになりました。
噛むことと感情の相関関係は…?
「イヌパシー」を用いて犬の心拍などから測定した感情変化をデータ化し、噛むことと幸福感の間に明確な関連性を見出しました。特に、ガムなどを長く噛んでいる時間で、犬はストレスを感じにくく、幸せな気分をより長く味わっていることが観察されました。一見、噛むという行動は飼い主からみて、やめさせるべき行動のひとつのように思いますが、犬が本来もつ噛むという行動が、犬にとって満たされるべき本能的な欲求であることを示唆しています。研究チームは、今後も犬の幸福についての探求を続け、より多くの飼い主にとって、愛犬の行動と健康について理解を深めることを目指していきます。
「噛む」ことで犬の「ハッピー」が増加!集中でき、ストレスも抑えるという結果に。
■結果(1):愛犬の『ハッピー』を最も高めたのは、「長く噛める」牛皮ガム
→Happyの高いスコアが出た犬の数は、牛皮ガムが圧倒的に多かった
解説:「牛皮ガム」は、ハッピーの「Realtime(瞬間的に最も優位になった感情の量)」と「Process(感情変化の推移)」の2つの分析において、ともに最も高い値を示し、犬は噛んでいる間ずっと安定したハッピーを感じ続けていることがわかりました。
「おやつ」で感じるハッピーは、期待が高まる“マテ”の瞬間が最も高く、時間の総量も低かったこと、「おもちゃ」は一緒に遊ぶ飼主さんの動きが関係しているのか、牛皮ガムで感じるハッピーの安定感に及びませんでした。
おやつの例 :ジャーキー、デンタルガム、ボーロ、クッキーなど
おもちゃの例:投げるおもちゃ、噛むおもちゃ、引っ張り紐など
■結果(2):「長く噛む」ことは、おやつやおもちゃよりも『集中』をもたらす
→現代犬に足りないといわれる「夢中になれる時間」を実現
解説:「牛皮ガム」は『集中』を感じている瞬間、時間の総量も共に高く、圧倒的でした。何かに集中する行為そのものは、余計なストレスに気を取られることがなくなるため、私たちは犬が集中する時間を重視しており、ひとりでも夢中になれる時間を提供できることに価値があると考えています。飼い主さんがおもちゃで犬と遊び続ける、おやつを長持ちさせ続ける時間として15分が長かった可能性もありますが、それだけ、ふだん愛犬が何かに夢中になれる時間は短いということの表れともいえます。
■結果(3):『ストレス』が最も低かったのは飼い主とのおもちゃ遊び
→いつも通りの安心できるおもちゃは、突出したストレスを感じさせない
解説:イヌパシーの感情分析において 犬の「ストレス」は“孤独を感じたときなど、どうしていいかわからない時”によく測定されます。信頼する飼い主さんと慣れ親んだ「おもちゃ」で遊んでいる状態でストレスの値が低かったのは当然ともいえましょう。
「牛皮ガム」は、どう攻略しようか悩むことが感情変化の推移分析におけるストレスとして現れた結果も出ていますが、一方で最も優位に現れた感情分析においてストレスが一番低かったのは牛皮ガムでした。集中して悩んだ結果、強い感情としてのストレスが出なかったといえます。「おやつ」ではもっと食べさせてほしい、といった欲求が満たされないストレスが数値化された可能性があります。
実施状況~被験者(イヌパシスト)のコメントと写真でご紹介
(1)おやつを与えた時
「試験参加者のコメント一部抜粋」
「干し芋のおやつ:3~4分ほどで食べ終わり、その後はリラックスしていました」
「ジャーキー:欲しい!と急かしてくる。満足するとリラックス」
「ササミ巻き:食べた後ずっとナデナデを要求(笑)」
(2)おもちゃで遊んだ時
「試験参加者のコメント一部抜粋」
「段ボール噛み:ハッピーな気分で爪でガリガリ。落ち着いたと思ったら別の遊びに誘ってきた」
「紐ひっぱりっこ:こちらがやめなければもっと続けたそうにしていた」
「お気に入りのボール:投げて取って来させることを繰り返した。ノーバウンドでキャッチしたら特に喜んでいる様子だった」
(3)牛皮ガムを与えた時
「試験参加者のコメント一部抜粋」
「あげようとすると、真剣すぎてちょっと怖い顔になってきましたが、あげてみると興奮とハッピーが入り乱れていて、大好きすぎて早くほしかったのねと納得しました」(ちゃちゃ丸くん:豆柴)
「袋を見てクンクンするだけでハッピーな反応を示し、食べ始めると集中・興奮も表れ、とにかく夢中な姿がかわいかったです」(マミちゃん:ベドリントンテリア)
「食べてる間はずーっとハッピーが高かったので、見てるこちらもハッピーな気分になりました」(リリーちゃん:トイプードル)
■以上の結果から、愛犬をもっとストレスフリーで幸福にするための秘訣は「長く興奮と集中を持続させること」と言えそうです。事実、実験によれば、「長い時間集中して噛むこと」が最も良い結果を生みました。
しかし現代の飼い犬事情にとって「噛むこと」は「困ること」であり「迷惑なこと」という印象が強いのではないでしょうか。最後に、犬にとっての「噛むこと」の大切さと、「噛ませて良いもの」の代表格、牛皮ガムについてご紹介します。
【研究と考察】(※1)
(1)犬がモノを噛みたがる理由 犬の習性からわかること~最新の「動物行動学」から~
犬の祖先は狼だったと言われています。家族と共に協力して獲物を捕獲していた狼が犬となり、人と共に番犬や猟犬として働くようになりました。つまり犬が家族であるヒトに寄り添ってくれるのと同じように、噛んだり、吠えたり、仲間と過ごしたり――これが犬の本来の姿であり、正常な行動のレパートリーといえるでしょう。
齧ることは犬の本能なので、犬は興味を持ったものを噛み、その結果楽しいことがあれば、遊びの対象として学習します。それが飼い主にとって噛んで欲しくないものの場合が多いため、「噛む=迷惑で困った行動」となってしまっているのです。
犬用のオモチャを噛んでいるときより、リモコン、スリッパ、家具などを噛んでいるときに、飼い主の反応が大きくなっていないでしょうか。犬は飼い主が反応してくれるのがうれしくて、噛むことを繰り返します。
齧ること自体が問題なのではなく、リモコンのように噛んで欲しくないものを噛むということが問題なのです。行動をただ禁じて抑え込んだのでは、犬はイライラして、問題は悪化するばかり。無理してガマンさせるのでなく、うまく本能を発揮させてあげることが、犬にとっての「幸福」につながるのです。
(2)ニンゲンは癒されるだけでいいのか?犬を幸せにする「癒しの習慣」とは?
「犬としての正常な行動」を習慣化してあげよう。人と犬とのウェルビーイングのために。
まず大前提として毎日の散歩でしっかりエネルギーを発散してあげましょう。さらにプラスするといいのが『噛む習慣』。
夢中になれる時間を増やすことで、愛犬の発散欲求を満たしてあげることができます。
今回イヌパシーで計測したデータ分析から言えることは、「噛む習慣」が犬にとって、ハッピーが長く続く、飼い主が無理なく興奮と集中を与えやすい良い習慣だということ。
夢中になれる時間を増やすことで、愛犬の発散欲求を満たしてあげることができます。
意外と知られていない!「牛皮ガム」は世界で定番のウェルビーイングなおやつ
長年、犬の嗜好品として親しまれてきた「ガム」は、犬としての本能や欲求を満たす興奮や集中を引き起こし、愛犬と過ごす時間が限られている忙しい飼い主でも犬のストレス解消の効果が期待できるアイテム。ペット先進国のドイツでは犬の飼い主の94%が牛皮ガムをはじめとした硬いおやつを与えています。
愛犬家に聞いた、ガムの疑問トップ5
Q. 硬すぎて心配→A. 唾液で柔らかくなります
Q. ふやかしてもいいの?→A. もちろん大丈夫
Q. 誤飲が心配→A. マズルからはみ出す長さが基本
Q. 初心者向けは?→A. 肉巻きがお薦め
参考資料
リサーチ内容
・実施時期:2024年4月12日~5月2日
・対象件数:36件の飼主と愛犬のペア(うちデータ回収できた30頭分を分析)
・犬種 :超小型犬(5kg未満)10件、小型犬(5-10kg)13件、
中型犬(11-24kg)6件、25kg以上1件
・年代 :1歳未満1件、1-3歳16件、4-7歳9件、8-9歳2件、10歳以上2件
・性別 :おとこのこ16件、おんなのこ14件
・実施方法:各ご家庭にて、飼い主さんによる実施
・実施概要:
愛犬と飼い主さんに、DINGOが提供するおやつ「牛皮ガム」を提供し、その時の心拍反応を取得し、ストレス度や幸福度を測定しました。
長く噛むことは犬にとって良い影響を与えるという研究があり、日常使いしているおやつや遊びと比較して、愛犬の心拍と各感情がどのように変化するのかのデータを測定し、科学的に分析しました。
DINGO(ディンゴ)とは
1997年、牛皮に正肉を巻き込んだ初めてのガムとして特許を取得。犬の歯や歯ぐきの健康維持、また食べやすさも兼ね備えることから、発売以来世界中の犬と飼い主に愛されているブランドです。
詳しくはDINGOブランドページをご覧ください
https://spectrumbrands.jp/dingo/
会社名 : スペクトラム ブランズ ジャパン株式会社
所在地 : 〒220-0004 神奈川県横浜市西区北幸2-6-26 HI横浜ビル
URL : http://spectrumbrands.jp/
事業内容: 犬・猫・小動物関連製品の輸入・販売(ファーミネーター、DINGO他)、
観賞魚飼育関連製品の輸入・販売(TETRA他)
・DINGOについてのお問い合わせ:TEL:045-322-4330
株式会社ラングレス 会社概要
ラングレスは、イヌパシーを通じて、ペットのこころの動きを可視化する革命的な技術を開発しています。この愛犬専用の首輪型は、犬の心拍を分析し、5つの感情状態を色とパターンで表示することで、飼い主様と愛犬のコミュニケーションをサポートします。現在では、研究機関や法人の製品開発部門、トリミングサロンへ技術提供を行っています。
会社名 : 株式会社ラングレス
代表 : 代表取締役 山入端 佳那
本社 : 〒130-0003 東京都墨田区横川1-16-3
設立 : 2015年2月18日
事業内容 : 愛犬専用ウェラブルデバイスを通じた生体情報解析の開発及び販売
・イヌパシーについてのお問い合わせ: sales@inupathy.com
・ラングレス公式サイト : http://langualess.com/
・イヌパシー公式サイト : https://inupathy.com/