HTB北海道テレビ制作 テレメンタリー2021「核のごみ 訣別(けつべつ)の町長選 ~過疎のマチ 分断の先には~」11月21日(日)深夜0時25分~放送(日時違い全国放送)
「核のごみ」文献調査を推進する町長、即時撤回を求める前町議 過疎のマチが分断した町長選 その先に何があるのか?
原発の使用済み燃料から出る「核のごみ」処分場選定に向けて、国内初の文献調査が始まった北海道寿都町。
10月下旬、20年ぶりに2人の候補が全面対決する町長選が行われた。「文献調査の交付金を活用した地域振興」を訴える町長。対抗馬に名乗りを挙げたのは「調査の即時撤回」を求める前町議。町長の腹心だったはずの「ブレーン」も決別の道を選び、対抗馬の支援に回った。熾烈な選挙戦で鮮明になった過疎のマチの分断。その先に何があるのか?
HTB北海道テレビは、文献調査に揺れる住民たちと町長選を追ったテレメンタリー2021「核のごみ 訣別(けつべつ)の町長選 ~過疎のマチ 分断の先には~」を11月21日(日)深夜0時25分から放送する。(テレビ朝日11月23日(火)深夜 3時31分~ ほか日時違い全国放送)
「こんなに揉めるとは思わなかった・・・」
1年前、私たちの取材にこう言葉を漏らしていた寿都町の片岡春雄町長。「核のごみ」最終処分場の候補地選定に向けた第1段階「文献調査」に応募を表明したのは去年10月だった。「日本の核のごみ問題に一石を投じる」「肌感覚では賛成が多い」として、知事や周辺自治体の反対の声を押し切って決断した。調査の見返りとなるのが、最大20億円の莫大な交付金。片岡町長はそれを、町が直面する人口減少対策や、衰退する産業の活性化に活用する構想を掲げた。
その町長に異を唱える住民たちが担ぎ上げたのが、前町議会議員の越前谷由樹氏。これまで4回連続で片岡町長の無投票当選が続いていた寿都町長選挙で、じつに20年ぶりの選挙戦が行われることになった。
「片岡町長も初めはこんな風によちよち歩きだったな」
こう語りながら越前谷氏の出馬会見を見つめていたのは、かつて自らを「町長のトップブレーン」と称していた町議会議員の沢村国昭さん。片岡町長の初当選以来、目玉政策の風力発電事業などを支えてきた。20年近く共に歩んできた盟友と「訣別」した理由は、町長が応募に踏み切った「核のごみ」文献調査だった。「こんなに町民を分断分裂させておいて、それでもやらなければいけないのが分からない・・・」かつての町長のブレーンは、対抗馬の後援会で選挙戦略を練る立場に変わった。
人口約2800人のマチを二分する熾烈な選挙戦。町民からはこんな声があがる。
「核のごみの話題は家族でも話したくない」
文献調査の是非をめぐり、町民の溝は深まった。10月26日に行われた投開票の結果、現職の片岡町長が235票の僅差で勝利したが、片岡氏に投票した住民からは「調査には賛成だが、核のごみ受け入れは反対」という声も目立つ。
衆議院選挙の最中に行われた今回の町長選。ただ、日本が抱える「核のごみ」の問題が、国政の場で真剣に議論されることはない。過疎のマチの住民が直面させられた大きな難題。分断の先に、何が残るのだろうか。
■番組名: テレメンタリー2021「核のごみ 訣別(けつべつ)の町長選 ~過疎のマチ 分断の先には~」
■放送日時:HTB北海道テレビ:2021年11月21日(日)深夜0時25分~0時55分(日時違い全国放送)
■番組ホームページ: https://www.htb.co.jp/telemen/ketsubetsu/
■ナレーター: 山根 基世
■制作スタッフ:
ディレクター: 雲戸 和輝
編集 : 角田 朋美
撮影 : 滝本 真実
音響効果: 前村 あづさ
プロデューサー: 金子 陽