発達障害当事者の「あったらいいな」をつめこんだ mahora(まほら)ノートが 「第30回 日本文具大賞 デザイン部門」優秀賞を受賞

マイノリティの小さな声にも耳を傾け 「紙のチカラ」で解決した社会貢献度の高いノートと評価

2021-07-06 09:00

昭和5年創業、年間2千万冊以上のノートを製造する大栗紙工株式会社(所在地:大阪市生野区、代表取締役社長:大栗 康英)の、発達障害当事者の声から生まれた、目にやさしい「mahora(まほら)ノート」22種が、その年の優れた文具に贈られる「第30回 日本文具大賞」のデザイン部門で優秀賞を受賞しました。

それぞれが抱える多様な困りごとの解消を目指して

mahora(まほら)ノートは、「光の反射を抑えた中紙」「識別しやすい罫線」「シンプルなデザイン」が特徴です。発達障害者を支援する一般社団法人UnBalance(所在地:大阪市平野区、代表:元村 祐子)と共に、当事者約100人の声を集めて開発し、2020年2月に発売しました。販売拡大とともに寄せられた、新たな「あったらいいな」の声に応え、2021年2月に追加した新色・新サイズ22種が、このたび受賞となりました。少数派であっても、困りごとを抱える人に寄り添った製品づくりを今後も目指してまいります。

目に優しいmahora(まほら)ノート

“「優しい」と「易しい」を実現”など審査員からのコメント

「日本文具大賞」は、機能面・デザイン面それぞれにおいて、その年もっとも優れた文具を選定するアワードです。審査員からは、“考え抜いた解決提案としての商品性を持っており、色彩と線により明快に「優しい」と「易しい」を実現”、“現状を丁寧に調べ、要望や意見を真摯に受け止めたノート”、“問題提起をすることができる文房具はこれからの文房具作りのスタンダード”、“マイノリティの小さな声に耳を傾け、使いやすい製品を販売することはメーカーができる社会貢献のひとつ”などのコメントをいただきました。(全文は以下をご参照ください。)

【日本文具大賞とは】 https://www.isot.jp/ja-jp/award.html
その年の「機能面」「デザイン面」それぞれにおいて優れた文具に贈られるアワードです。第30回を迎える今回の日本文具大賞は、2020年7月17日以降に発表された文具の新製品・リニューアル製品の中から「機能部門」「デザイン部門」を設け各5製品を選定し、グランプリ・優秀賞を決定。グランプリ・優秀賞受賞製品は、2021年6月30日に東京ビッグサイトにて開催された表彰式にて、発表・表彰されました。

審査員からのコメント

・紙質は今回の応募作では最高でした。ノートとして初めて、紙面を注意欠如・多動症(ADHD)への医療現場で考え抜いた解決提案としての商品性を持っており、色彩と線によりとても明快に「優しい」と「易しい」を実現しました。(デザインディレクター 大阪大学名誉教授 名古屋市立大学名誉教授 審査委員長 川崎 和男氏)

・発達障がい者の現状を丁寧に調べ、要望や意見を真摯に受け止めたノートは、開発者の温かい想いが伝わる優しい印象を持つ。(女子美術大学副学長 松本 博子氏)

・より多くの人が、見やすく、かつ光の反射を感じづらい紙面を実現することで、基本性能がしっかりしたノートとなっている。(株式会社ヘリテージ 趣味の文具箱編集長 清水 茂樹氏)

・このノートを使う人に対して様々な悩みを持っている人がいるという問題提起をすることができる文房具はこれからの文房具作りのスタンダードになるといい、という期待を込めて、推薦いたしました。(株式会社小学館 DIME編集長 安田 典人氏)

・特定の光や色によって受ける視覚ストレスの悩みを「紙」のチカラで解決し、マイノリティの小さな声に耳を傾け、使いやすい製品を販売することはメーカーができる社会貢献のひとつだ。(株式会社徳間書店 GoodPress編集長 高橋 正道氏)

mahora(まほら)ノートの特徴

(1)光の反射を抑えた、中紙を採用
mahoraの中紙は、白い紙に比べ光の反射を抑えられる、13色の国産色上質紙の中から、発達障害当事者の皆さまに選んでいただき、その中でもまぶしさがもっとも気にならなかった「レモン」「ラベンダー」「ミント」の3色を採用。また、今回採用した国産色上質紙は、通常のノートの中紙に比べ約10%程度厚くなっているので、強い筆圧でも紙がへこみにくく次のページへの影響が軽減されます。さらに紙肌がなめらかなので、消しゴムで消す際も紙がクシャクシャにならず綺麗に消すことができます。

(2)行の識別がしやすい、mahora独自の罫線
発達障害当事者の皆さまの中には「中紙に印刷された罫線が見分けにくく、書いているうちに行が変わってしまったり歪んでしまったりする」との声がありました。それらの悩みを解消させたのが、アンケートやヒアリングによってうまれた、mahora独自の2種類の罫線です。

(3)ノートの開きが良く、耐久性も優れた無線とじ製本
長年ノート製造に携わってきた製本技術による業界トップクラスの高品質な無線とじ。ノートの開きが良いのでページの端まで文字が書きやすく、また耐久性にも優れているので長期間の使用でもノートがばらける心配はありません。

(4)無駄な要素をなくしたシンプル設計
「中紙に印刷された日付などの余計な情報が気になり集中できない」との声にも耳を傾け、中紙の印刷からは日付欄などの罫線以外の情報は全てなくしました。またそのことによって、横書き・縦書きも気にすることなく使える自由なノートになりました。

mahora(まほら)ノート 新色登場
太・細交互横罫使用例
あみかけ横罫使用例

mahora(まほら)ノート概要

mahora(まほら)ノート 概要

※「第30回 日本文具大賞」のデザイン部門で優秀賞を受賞したのは、セミB5「レモン(太・細交互横罫)・ラベンダー(あみかけ横罫)」以外の無線とじノート22種です。

mahoraオンラインストア: https://www.oguno.jp/
mahora紹介ページ   : http://og-shiko.co.jp/mahora/

『mahora(まほら)』という名前について

『まほら』は「住みやすい場所」や「素晴らしい場所」、「すぐれたよい所・国」を意味する日本の古語で、『まほろば』の元となった言葉です。
私たちが作るノートがみなさまにとって「使いやすいノート」「心地よく使っていただけるノート」であってほしいという願いから、『mahora』と名付けました。
そして日本だけでなく、多くの国の人々に使っていただけるノートになってほしいという願いも込めて、アルファベット表記の『mahora』としました。

発達障害とは

発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。ですが、発達障害はその特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。(出典:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」から)
そうした発達障害と診断された人は48万1000人と推計されます(H28年「生活のしづらさなどに関する調査/厚生労働省」)が、実態は全人口の6%~7%は存在するとも言われます。
その中には「視覚過敏」と呼ばれる特性を持つ人もいて、特定の光や色によって受ける視覚のストレスが大きく、日常生活に支障をきたしてしまうこともあり、例えばノートを開くだけでも辛いと言う人もいて、決して知的能力に問題があるわけではないにもかかわらず、学習に支障が出るケースと言うのも起こりうるのです。

会社概要

社名  :大栗紙工株式会社
代表者 :代表取締役社長 大栗 康英
所在地 :〒544-0004 大阪市生野区巽北3-15-7
設立  :創業昭和5年/設立昭和40年
資本金 :1,000万円
社員数 :32人
事業内容:無線とじノートの製造 2,700万冊(年間)・電解水生成装置の販売

日本文具大賞2021優秀賞
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