2020年12月8日 「亀田の柿の種(宇宙食)」ついに宇宙へ到着!

宇宙日本食認証取得から4年!ついにあの“柿の種”が宇宙に! 若手社員の一言が亀田を動かした!今までにないスケールの保存試験、あえて味は変えないこだわり製法、苦労の連続を乗り越えついに宇宙に!

亀田製菓株式会社

 日本時間2020年11月16日(月)午前9時27分ごろ、米民間企業『スペースX』の新型宇宙船「クルードラゴン」がアメリカ・フロリダ州から打ち上げられました。同船には、今回で3度目の宇宙滞在となる日本人宇宙飛行士の野口聡一さん(55)が搭乗しています。
 今回の搭乗に際し、米菓売上No.1ブランドであり、亀田製菓の看板ブランドでもある「亀田の柿の種」の宇宙日本食認証取得商品「亀田の柿の種(宇宙食)」を宇宙に届けることが決定。「亀田の柿の種(宇宙食)」は、2017年に米菓で初めて宇宙日本食認証を取得し、ついにこの度2020年12月8日に国際宇宙ステーション(ISS)へ到着いたしました。
 今回、「亀田の柿の種」宇宙日本食認証プロジェクトの裏側を、プロジェクトの中核を担った、お米総合研究所の佐々木俊之さんのインタビューとともにご紹介します。

「亀田の柿の種」宇宙日本食認証プロジェクトとは

 2014年「亀田の柿の種」を宇宙日本食にするための開発をスタート。2016年には「亀田の柿の種」の発売50周年を記念し節目の挑戦としてプロジェクトが立ち上がり、社内のエキスパート11人をプロジェクトメンバーとして招集。その後、構想開始から3年の研究・開発期間を経て、2017年8月7日に米菓で初めて宇宙日本食の認証を取得。宇宙日本食に認証された食品は、「亀田の柿の種(宇宙食)」を入れて現在45品目ありますが、米菓で認証されているのは「亀田の柿の種(宇宙食)」だけです。(宇宙日本食認証食品:全24社・団体、 全45品目)
 そんな「亀田の柿の種(宇宙食)」は、今回が初のISSへの搭載となり宇宙へ旅立ちました。

―「亀田の柿の種」宇宙日本食認証プロジェクトへ参画の話を聞いたときどう思いましたか?―

 入社2年目の女性社員の発案から「亀田の柿の種(宇宙食)」の開発がスタートしました。亀田製菓のグループ会社である尾西食品の「アルファ米」が2007年に宇宙日本食に認証されていることを受け、亀田製菓でも宇宙食の開発をしてみたいという想いから、入社2年目にして大きな提案をしてくれました。若手社員だからこそできた思い切ったアイデアだと思い大変驚きました。
 宇宙日本食の開発において、JAXA(宇宙航空研究開発機構)からは、打ち上げまでの準備期間や宇宙での滞在期間を考慮し、「1年6ヶ月」の保存期間を提示され、社内からは「そんな長い期間、品質を保つことはできない。」などと懸念する声もありました。当初は1年6ヶ月の品質維持は難しいだろうと私自身も考えていましたが、「亀田の柿の種」が発売から50周年を迎えるということもあり、「面白い!やってみよう」という声が多く上がり、会社のチャレンジ精神がこのプロジェクトを推進しました。
 宇宙日本食認証には、安全性の保証が最も重要だと聞いたので、そこから食の安全性に関して、品質保証部の方にアドバイスをいただきながら猛勉強しましたね。HACCP(ハサップ)に関しても、独学で初めて学びました。

―通常の「亀田の柿の種」と「亀田の柿の種(宇宙食)」ではどこが違うのですか?―

 市販の「200g 亀田の柿の種 6袋詰」の賞味期限は「180日」ですが、「亀田の柿の種(宇宙食)」は「1年6カ月」保存が可能となっています。鮮度保持剤を包装することで、味の劣化や酸化を防ぐことに成功しました。また、通常の袋に入った「亀田の柿の種」とは異なり、「亀田の柿の種(宇宙食)」は、D90㎜×W90㎜×H40㎜のトレーに入っています。トレーの蓋と外側底面に面ファスナーがついており、繰り返し蓋を開閉することができ、テーブルや壁、被服等にもくっつけることができるようにするなど、無重力の宇宙でも飛び散ることなく食べられるよう工夫しました。
 ただ、宇宙でも普段と変わらない「亀田の柿の種」の味を楽しんでいただくことで、少しでも日本を感じてリラックスしてもらえるよう、あえて味は変えていません。

―「亀田の柿の種」宇宙日本食開発において、苦労されたことはありましたか?―

 厳しい衛生管理や、新しい品質保証基準への対応等の苦労もありましたが、保存試験期間の長さが最も苦労しましたね。亀田製菓の通常商品のサイクルではほとんどないスケールで、保存する温度もJAXA指定のため、特別な宇宙日本食専用保管庫を用意するなど、基準を満たすために奔走しました。実は、梅しそ味とわさび味の「亀田の柿の種」も保存試験にかけたのですが、味や風味の劣化が目立ち、残念ながら断念してしまいました。
 また、JAXAの安全基準を完璧に満たすために、「亀田の柿の種(宇宙食)」の生産における新しい社内製造基準をつくらなければならず、何度も修正、やり直しを繰り返しました。正直、逃げ出したくなるときもありましたね。

―逃げ出したくなるぐらい辛いとき、何を励みにしていましたか?―

 『宇宙兄弟』が好きな上司から教えていただいた『宇宙兄弟』の数々の名言にはとても励まされました。心が折れそうになったとき「本気の失敗には価値がある」という名言と共に、「うまくいかなかったとしても、真剣に取り組んだことは佐々木さんの価値になるよ」と声をかけていただき、そのときは自分の中で何かが吹っ切れましたね。
 生産に携わってくれている方からも「俺らは宇宙兄弟だな(宇宙プロジェクトの仲間という意味で)」と会うたびに声をかけていただき、また、これまであまり接点のなかった他部署の方とも、このプロジェクトをきっかけに仲良くなり、会うたびに励ましの言葉をいただきました。

―「亀田の柿の種(宇宙食)」がついに宇宙へ旅立ちましたが、どのような想いですか。―

 「亀田の柿の種」は、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスが良く、登山の際の行動食としてご愛用いただいている方もいらっしゃいますので、少しでも宇宙飛行士の方にパフォーマンスの向上に繋げていただければと思います。また、「亀田の柿の種」は「CT解析」により内部の空洞の大きさとカリっと食感の関係性を実証してしまうぐらい、食感にこだわっています。軽快な食感で会話が弾み、宇宙飛行士同士のコミュニケーションのきっかけにしていただけたら嬉しいですね。それ以上に、純粋にお菓子タイムを楽しんで、少しでもリラックスしてほしいです。

―「亀田の柿の種」宇宙日本食認証プロジェクトを経て、今後の展望を教えてください。―

 今回のプロジェクトを通し、1年6ヶ月経っても味の品質を保つことができると分かったことが何よりの収穫でした。日に日にどのように味が変化していくかデータを取ることができたので、今後の商品開発にも活かしていきたいと思います。今回のプロジェクトの反響次第では、「ハッピーターン」など「亀田の柿の種」以外の商品でも、宇宙日本食認証の取得を目指す可能性はあると思います。
 これまで「亀田の柿の種」は、「柿の種とピーナッツの比率を問う国民投票」「亀田の柿の種 何なの問題?」「亀田の柿の種レシピ」など様々な企画を実施してきました。今回の宇宙日本食認証プロジェクトを通じて、更に「亀田の柿の種」の魅力をお客様に発信することができたと実感しています。今後も様々なプロジェクトにチャレンジする事で「亀田の柿の種」の魅力をお客様に発信していきたいです。

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 亀田製菓株式会社 コーポレートコミュニケーションチーム 池ノ上 / 藤崎
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