【星のや竹富島】島と共生するリゾートとしての新たな取り組み「海水の淡水化による飲料水の自給を開始します」

2021-02-12 09:30

沖縄県・竹富島にある滞在型リゾート「星のや竹富島」は、2021年2月13日より「海水淡水化熱源給湯ヒートポンプユニット*1」で汲み上げた海水の淡水化による飲料水の自給を開始します。星のや竹富島はこれまで、島と共生するリゾートとして、島の環境保全や課題の解決に取り組んできました。現在、竹富島の生活用水をまかなう水質源は限りがある状態です。1日に使用できる水量が限られている中で、ペットボトルフリーに取り組むにあたり、必要になる飲料水用の水量を海水淡水化装置によって自給します。これに伴い客室でのペットボトル入りミネラルウォーターの提供を廃止します。
さらに、導入するユニットの特徴である太陽光発電とヒートポンプの一体化で、災害時の自立稼働やCO2の削減が可能です。ペットボトルの利用とプラスチックごみ削減の促進にとどまることなく、今後も島と共生するリゾートとして、竹富島の自然環境保全に努め、環境負荷を低減するサステイナブルな活動を行ってまいります。
*1「ゼネラルヒートポンプ工業株式会社」と「株式会社エナジア®」が施設への導入に合わせて開発した製品。現在特許を出願中。

背景

手軽に飲み物を持ち運べる大変便利なペットボトルですが、その一方で大量のゴミが問題となっています。世界では、1分間に100万本のペットボトルが消費されていると言われています。*2 星のや竹富島が所在する竹富島でも海岸の漂流ごみや集落内のポイ捨てによるペットボトルの処理問題が島の抱える大きな問題の1つにあります。*3 これまで星のや竹富島では、島と共生するリゾートとして、「クモーマミ(小浜大豆)」など伝統作物の復興や島の子どもたちのキャリア授業の実施などの活動に取り組んできました。今回は新たに、島でも問題意識の高いペットボトルフリーに挑戦します。
1日あたりの水資源に制限がある中、施設への送水量を増やすことなく、島で持続可能なペットボトルフリーの取り組みのために導入されたのが海水淡水化装置です。さらに、太陽光発電が一体化したユニットの設置に伴い、災害時でも水と湯、電力の自給が可能となり、竹富町内の民間企業で初の避難所への指定を予定しています。
*2 参考The Guardian June 28 2017
*3 参考2019年3月7日八重山日報

海水淡水化装置の機能

施設に設置された海水淡水化装置は、従来の機能の他に太陽光発電とヒートポンプが一体化した「海水淡水化熱源給湯ヒートポンプユニット」です。

1 海水を淡水化

地下から汲み上げた海水を特殊なフィルターを通して、淡水化します。これまで施設で提供していたペットボトルの全本数をまかなうことができます。汲み上げる海水の水質が上質なため、フィルターへの負荷が少なく、メンテナンスにかかる負担を減らすことができます。

2 太陽光発電

太陽光パネルと蓄電池が一体化しているため、災害時でも自立して稼働が可能です。これにより、災害時にも施設内で水と湯、電力の自給ができ、竹富町内の民間企業で初の避難所に指定される予定です。

3 ヒートポンプ

ユニットに内蔵された水冷式ヒートポンプを使用することで、淡水化した水を冷却して最適な温度にすることや、その際に発生する排熱を使用して給湯することができます。年間で約35tのCO2を削減します。

ウォータージャグ、ウォーターサーバーの設置

客室でのペットボトル入りミネラルウォーターの提供を廃止に伴い、客室にはウォータージャグを、パブリックスペースにはウォーターサーバーを設置します。環境保全に寄与するだけでなく、豊かな自然が育んだ良質な「水」を提供します。

参考:これまでの星のや竹富島での取り組み

星のや竹富島は、2012年6月1日に開業して以来、島の方々から歴史や文化、伝統を学びながら、島の文化継承や環境保全への活動、島の抱える問題解決に取り組んでいます。

■2012年 10月~ 種子取祭に関わる取り組み

竹富島で最大の祭事である「種子取祭」の文化継承の活動として、施設内の畑で育てた粟の奉納や、伝統的なイイヤチ作りの継承など様々な取り組みを行っています。

粟が使われた奉納芸能

■2012年 12月~ たきどぅん講座

島の伝統文化の継承活動を精力的に行っている島の方々から、歴史や文化を直接学ぶ講座を設けています。
*実際に行われた講座の例
・素足で感じる竹富島(講師:阿佐 伊拓氏)
・神司たちの祭事 (講師:島仲 由美子氏)
・島の草木と薬効 (講師:前本 隆一氏)

島の草木と薬効講座

■2014年 6月~ 集落の日

2014 年より毎年、開業月である 6 月に、島の方々へ日々の感謝の気持ちを伝えるイベントを開催しています。宿泊者向けにも竹富島の文化に気軽に触れ合える催しを準備します。

島民の唄

■2017年 10月~ 畑プロジェクト

かつて農業が営まれていた竹富島ですが、観光業や流通の発展と共に、その数は減ってきています。竹富島特有の農作物や食文化を次世代へ継承すべく、施設内の畑で育てています。
*これまでの畑プロジェクト内容の例
・2017年10月~ 竹富島に伝わる芋の継承
・2018年10月~ 種子取祭へ粟の奉納
・2019年2月 ~ クモーマミの復興・伝統的な豆腐作りの継承
・2019年6月 ~ 「命草(ぬちぐさ)」の継承

前本氏に畑を見て頂いている様子

新型コロナによって島外への課外授業が中止になった竹富小中学校の生徒に向けて、課外授業を実施しました。同じ島内にある事業者として、施設内で取り組んでいる海水淡水化の活動や、スタッフの講話からキャリア形成について学ぶ機会を提供しました。

キャリア講話の様子

星のや竹富島

竹富島の東に位置する琉球赤瓦の集落「星のや竹富島」。約2万坪の敷地には、島内の家々と同じように「竹富島景観形成マニュアル」に従い、伝統を尊重して建てた戸建の客室、白砂の路地、プール、見晴台などがあり、小さな集落が構成されています。
〒907-1101 沖縄県八重山郡竹富町竹富/客室数 48室
URL :https://hoshinoya.com/

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