「死の体験旅行®」で話題の僧侶が初の著書を出版 日本人に必要な「てきとう」を説く
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2022年8月25日に浦上哲也著『てきとう和尚が説く この世の歩き方――心がスッと軽くなる40のお話』を発売しました。著者は浄土真宗慈陽院なごみ庵(横浜市神奈川区)の住職で、4千人以上が受講した話題のワークショップ「死の体験旅行®」の主宰を務めています。本書は、命を終えていく過程の擬似体験や、カジュアルな法話で人気の僧侶による初の著書です。真面目すぎたり細かすぎたりして、悩み苦しんでいる人をたくさん見てきたからこそ、「もう少し適当にしてもいいんだよ」と伝えるために40編の法話エッセイを書き下ろしました。
日本人には「適当」が必要なんだ
著者が提案する「適当」は、仏教で説く「中道」のように、「自分にとってちょうどよい場所を探し続ける営み」を意味します。コロナ禍により自殺者が増える中、著者は共同代表を務める「自死・自殺に向き合う僧侶の会」で、遺族が語る故人には「真面目で誠実」「責任感が強い」という共通点があることが気にかかっていました。さらに、「適当のススメをあなたに」と題した法話に過去最多の聴衆が集まり、涙する参加者を見たことで「日本人には適当が必要なんだ」と確信したことが、本書執筆のきっかけになりました。
仏教は、適当に、気楽に、そして幸せに生きていくことを教えている
私は本書で、真面目さを捨てろというつもりはありませんし、軽妙にテキトーに生きろというつもりもありません。心を少し柔らかくして、生きやすくなる適当な生き方を勧めたいのです。なぜなら仏教は、適当に、気楽に、そして幸せに生きていくことを教えている――、私はそう受け止めているからです。(「はじめに」より)
悩みや苦しみは、そう簡単に消えてなくなるものではありませんが、仏教には、「苦をなくす」ではなく「苦でなくす」という考え方があります。著者は本書で、自身が見聞きしたエピソードとともに、「三日坊主でもいいじゃない」「自分を甘やかしてみませんか」といった、肩の力が抜ける考え方や、心の荷物のおろし方を紹介しています。
【てきとう和尚からのメッセージ】
◎求めすぎないほうが、お互いに優しく生きられる
◎「3割成功すればOK」と思えたら、ちょっと前に進める
◎悲しみに向き合う日もあれば、適当に目を逸らす日があってもいい
『てきとう和尚が説く この世の歩き方』について
著者
浦上哲也(うらかみ・てつや)
浄土真宗 慈陽院 なごみ庵 住職。昭和48年、東京都出身。一般家庭に生まれ、大学卒業後は一般企業に勤めたものの、縁あって僧侶となる。そして「自分らしい方法で仏教を伝えたい」と発心し、平成18年に借家の一室を仏間に改装して「お寺のたまご・なごみ庵」を開設。平成22年に中古家屋を取得し移転。地道な活動が認められ、令和元年5月にたまごが孵化するかのように、全国で令和初の宗教法人として神奈川県より認可を受ける。自坊での法話会や写経会に加え、坊守(妻)とともに全国の寺院等での仏教演劇公演や、もとは医療者向けワークショップを一般向けにアレンジした「死の体験旅行®」を開催。多くのメディアに取り上げられ、9年間で4000人以上が受講している。また、「自死・自殺に向き合う僧侶の会」共同代表、「仏教死生観研究会」代表、「お坊さんがこたえるお悩み相談サイト hasunoha」回答僧を務めるなど、幅広く活動している。
書誌情報
タイトル:てきとう和尚が説く この世の歩き方
サブタイトル:心がスッと軽くなる40のお話
著者:浦上哲也
価格:1,430円(10%税込)
判型・製本・頁数:B6判変型・並製・256ページ
ISBN 978-4-569-85264-5
発行:PHP研究所
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85264-5