トム・クルーズ主演、うまい話には裏が…若きエリート弁護士が陥る陰謀劇 「ザ・ファーム 法律事務所」 9月10日(土)よる7時~BS12 トゥエルビで放送
全国無料放送のBS12 トゥエルビ(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:須磨直樹)は9月10日(土)よる7時より『ザ・ファーム 法律事務所』(1993年・米)を放送します。
1.映画『ザ・ファーム 法律事務所』
トム・クルーズ主演、800 万部の大ベストセラー小説を基にしたリーガルサスペンス。法律事務所に破格の待遇で就職した若きエリート弁護士が、巨悪の絡んだ陰謀に巻き込まれていく姿を描く。(英語・日本語字幕)
■監督:シドニー・ポラック
■出演:トム・クルーズ、ジーン・トリプルホーン、ジーン・ハックマン、エド・ハリス、ホリー・ハンター ほか
■コピーライト:TM & COPYRIGHT (c) 1993 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
■番組HP:https://www.twellv.co.jp/program/drama/doyou-youga/archive-doyou-youga/doyou-youga-194/
2.みどころ(映画評論家・立花 珠樹 氏)
■名匠ポラックがトム・クルーズの魅力を引き出す
初来日時に「誠実さ」を実感
トム・クルーズという大スターの魅力を言い表す言葉を一つだけ選ぶなら、「誠実さ」だと思う。これは40年近く彼の映画を見てきた印象であると同時に、30年前、初来日した彼にインタビューした時受けた強烈なインパクトのせいだ。
初対面の日本人の映画記者に対して、「とむ・くるーず」(本当は漢字だったと記憶している)と日本語で書いた名刺を差し出し、真っすぐにこちらの目を見つめ、笑顔で始まった30分間は、最高にハッピーな時間だった。当時は、ハリソン・フォードやダスティン・ホフマンら、何人ものスターにインタビューする機会があり、それぞれにエピソードはあるのだが、クルーズの「誠実さ」は特別だった。
仕事の時にはお願いしないと決めていたインタビュー後の2ショットも、クルーズから声を掛けてくれて撮影した。ハリウッドスターのファンサービスと分かっていても嬉しかったし、30年たった今では、撮ってよかったと素直に思う。やはり、これがスターの輝きなのだ。
個人的な体験に多くを費やしてしまったが、この「ザ・ファーム 法律事務所」という映画は、トム・クルーズのそうした誠実さをうまく引き出している映画だと思う。
監督はバーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォードの「追憶」や、ダスティン・ホフマンの「トッツィー」などで知られる名匠シドニー・ポラック。
苦学して進んだハーバード大学ロー・スクールを優秀な成績で修了したミッチ(クルーズ)は、メンフィスの法律事務所から破格の好条件で誘われ、就職する。妻のアビー(ジーン・トリプルホーン)とメンフィスに移り住み、希望に燃えて弁護士生活をスタートさせたミッチは、ある日、事務所の裏側の部分に気付く…。
甘いえさに釣られて、ブラック企業に入ってしまった若者が、組織的な不正を知ったことから抜き差しならぬ窮地に追い込まれる。ポラック監督は、畳み掛けるような展開で観客を引き込んでいく。面白いのは、米国社会で弁護士がいかに力を持っているかを分かりやすく描きながら、法廷場面は全く出てこないことだ。
クルーズの「誠実さ」は、仕組まれた罠にはめられ、過ちを犯してしまったミッチが妻に告白する場面をはじめ、この映画の中でも確実に生かされている。さらに、基本的にはアクション映画ではないこの作品でも、後半に「ミッション:インポッシブル」につながる飛び降りシーンや全力疾走が出てくるのも楽しい。重要な舞台になるケイマン諸島は、パナマ文書で有名になったタックスヘイブン(租税回避地)なのを知っていると、物語への興味が増すだろう。
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