コロナ禍にも関わらず拠点をNYに移した日本人女性フォトグラファー“MIKI YAMATO”さんへインタビュー!
皆さんこんにちは。
今回は、コロナ禍にも関わらず活動拠点を日本からNYに移した女性フォトグラファー
“MIKI YAMATO”さんにインタビューしてみました。
・どうして拠点を移したのか
・日本とNYの違いとは
・NYで活動するには
……などなど、気になるポイントについて答えていただきました。
それでは、以下インタビューをお楽しみください。
コロナ禍で拠点をNYに移した写真家
ー早速ですが、MIKIさんは写真家として、元々どんな活動をされてたんですか?
MIKI:
私は2011年から東京で撮影スタジオをやっていて、2014年から年に1,2回、東京とNYを行ったり来たりしていました。NYの仲間からは「早くNYに引っ越して来なよ」と言われていて、でも日本に自分のスタジオがあって、良くしてくれている人達も居て・・・
ずっとどうしようか悩んでいて、そしたら(世界が)コロナになっちゃって、世の中が一からやり直していたので、むしろちょうど良いタイミングかなと、NYに引っ越しました。
ーなるほど! 逆に心機一転的な。
MIKI:
そう、キッカケ無く長年やってたスタジオを辞めて引っ越すのって結構思い切れなかったんだよね。
クライアントさん達を置いていくのが、裏切りみたいな後ろめたさもあって・・・でもコロナになったら結局撮影もカットになったりしてて「むしろ今じゃないか」ってちょっと気が楽になりました。
当初は(コロナによる)NYの死者数とかも多かったから皆に心配されてたんですが、ワクチンが早かったから街が開くのは日本に比べて早くて。でも引っ越し前後は結構(知人友人から)言われましたね。「なんで今行くの」とか「無責任だ」とか。引っ越しが落ち着いてからは「結果良かったね」って言われたり、人種差別の問題で心配されたりとかもありました。
(簡単に言うと)今までの逆で日本ベースでNYに行くんじゃなくて、NYベースで日本に時々帰ってくるって形にしたんですよね。
日本とアメリカとNY
ーアメリカと日本の違いとか聞いてみたいです。
MIKI:
私、アメリカじゃなくてNYが好きなんです。
NYって他の州と違う文化があって、外から来てる人が多いから、人種も宗教もバラッバラでまとまりがなくて、でもそれが良いんだと思う。
皆変だし、皆違うから誰も気にしないみたいな。
日本はスタンダード・・・
なんか「一般的に」みたいなのがあるじゃないですか。
ーありますね(笑)
MIKI:
日本は、言いたいけど言わないみたいなところもあったり、それで気まずい空気だけがあったりして・・・
アメリカも、自分たちの認識と違う面があると議論になったりとかはもちろんあって・・・
人種差別とか性差別とかもあるし。
でもNYの場合は、差別も多いけど、そもそもの対象がバラッバラ過ぎて(いろいろな人が集まり過ぎていて)・・・まぁ差別する人の方が叩かれますね。そこは結構アグレッシブというか。
ハッキリしてるから暴力になったりもするんですけど(苦笑)
その分同じコミュニティーの人達の助け合いの力も凄い。
NYは知らない人が助けてくれることが多くて、「治安悪い」とかいろいろ言われているけれど、私の中ではめっちゃ良い人が多いです。絶対なんか助けてくれるみたいなイメージ。
活動面でのNYと日本のスタイルの違いは?
MIKI:
NYは世界中から「モデルになりたい」「フォトグラファー」になりたいって人が集まっているから、なんかそこら中に居るんですよ。
ーそこら中に・・・(笑)
MIKI:
でも・・・同業者でも助け合いっていうか、そういうコミュニティーが強くて。
フォトグラファーのアシスタントに行くにしても上下関係があんまり無いかなって感じ。
日本みたいに現場の上下関係とかはあんまりなくて、考え方が違うのかな。
フォトグラファー同士のコミュニティーがいっぱいあって、日本より和気藹々した空気がありますね。
あとNYは性別が多様なんです。
東京とは比べられないくらい大混乱で、私的には本人が思っている性別で全然良いんだけれど、向こうが主張してくるから最初戸惑ったんですよね。
ー「わたしはこうです!」的な?
MIKI:
そう!で、そういう性別の人がファッション誌に出て来たり、表に出る機会は(日本と比べても)多いのかなとは思います。
日本のグラビアだと性別とか大事だったりするじゃないですか。男の世界だけど被写体は女の子だったり。
でもNYは「その人らしさ」がイケてるというか、性別が関係ない。
だからこそ、そういう(多様な性の)人たちが集まってくるのかもしれないですね。
NYならではの景色
ーMIKIさんはNYの街の雰囲気とか景色が好きなんですか?
MIKI:
うーん、NYも観光地っていうかランドマークだから、日本でいう新宿とか原宿みたいにそこでしか撮れない景色があるけれど・・・どちらかというとNYだからこそ会えるモデルさんやメイクさんとか関われる人たちが魅力なんじゃないかしら。
ーMIKIさんはNYの人間性が好きなんですね!
MIKI:
そうだと思います!
英語はいつから?
MIKI:
中高とか・・・でもちゃんと勉強したことないです。
最初は独学で始めて、ほとんどは東京で覚えたかな。
大学の時にもっと英語を伸ばしたいなと思って、アメリカ系レストランでバイトを始めて、そのあと働いたスポーツバーでも海外のお客さんが多かったからそこで結構鍛えられたかな。
(そもそも)最初は英語が喋れることを売りにしてスタジオをやってたんですよね。それで外タレ事務所さんとかといろいろ仕事をして、それも合わせて英語が伸びたと思います。
でも住んでみてから出来てない文法とか気づいたことがいっぱい出て来ました(笑)
NYで活動したい人へ一言
MIKI:
海外にいってみたい!
ニューヨークに住んでみたい!
という人は多いはず。
で、「とりあえず行っちゃえば」とか「大丈夫だよ」みたいなアドバイスはよく聞くけれど、「とりあえず」でNYに来る場合は現地で苦労することが多くて。
なので来る前にある程度、明確な意思だったりプランがあったほうが良いと思います。
アーティストになりたいんだったらそのための準備をして来た方が良いんじゃないかな。
本当にただNYを経験したいとか語学を学びたいとかはまた別だと思う。
それは「とりあえず」で良いと思うけど、アーティストになりたいんだったらね(準備は必要)。
来てからやりたいことを探すとしてもこっちは物価が高くて、お金ばっかり掛かって結局何も出来ない。
私はここまで待って良かったなって個人的には思ってます。
学生時代にそういう漠然とした気持ちで出ていたらすぐに帰ってきていたかも。
ー準備期間含め、タイミングって大事ですね
MIKI:
あとNYはぶっとんだパフォーマンスをするアーティストさんも多いけれど、話してみると皆すごく真面目で、プランがあって、人は見た目によらないなってビックリさせられたり、そもそもNYの人ってめっちゃ真面目なんです。コロナの2mとかのパーソナル距離も互いにナイスな感じで注意しあってたりね。
ー真面目で目的意識がハッキリした民族性なんですね。 だから何をしたいかわからないでNYに行っちゃうと余計に「YOUは何がしたいんだい?」ってなるのでしょうか。
MIKI:
そう!NYの人は合理的だし、目標を掲げて精一杯生きてるから・・・
とりあえず行ってみよう!もいいけど、楽しみたかったらゴールに向かってニューヨークへ行くのがオススメ!
ーある程度お金は貯めて行ったほうが良いですか?
MIKI:
そうだね!
アメリカは(日本よりも)お金で解決しやすい傾向があるように思います!
ーじゃあ、お金がない人には向いてないのでしょうか・・・?
MIKI:
それが、どうなってんのかわからないけれど、絶対大丈夫なの。
ー????
MIKI:
どうやって生きてるのかわからない人もいっぱいいる。でもどうにかなっちゃう。それがNYなの。
NYって、お金持ちとその他の人の差が凄くて、中間層が居ないの。
逆に超貧乏だと国からのサポートがあるから、ちょっとお金がある人より得なの。
不思議な街だよね。
ーじゃあNYに飛び出す時にはお金は・・・
MIKI:
あったほうが良い!(食い気味)
何故かわからないけれど、お金がなくても絶対どうにかなるけど、やりたいことができるかはまた別。
明確なゴールがある人はそれなりに(お金は合ったほうが良い)。
最後に
MIKI:
私はコロナ禍だけどNYに行って良かったと思ってます。
大変なのはみんな一緒だし、どこに居たって大変。
自分を追い込むことで今まで以上に頑張ることができるし、成長を感じられた。
この歳になってやって良かったと思う。(MIKIさんは現在35歳)
いくつになっても学ぶって楽しいなって。
超大変だけどそれが楽しいNY。
―以上、フォトグラファー “MIKI YAMATO” さんとのインタビューでした!
NYに行くか悩んでいるという方は是非、参考にしてみてくださいね!
ちなみにアメリカは州ごとに法律も違って、州が違えば国が違うというくらい人間性や街の空気感から全然違うそうです。
謎も多いNY・・・気になりますね!
また是非、おもしろNY事情を聞いてみたいです。
写真:MIKI YAMATO
インタビュアー:麻衣阿