『日本掠奪 知ったら怖くなる中国政府と人民解放軍の実態』桜の花出版
日本の領海を「核心的国家利益」と位置づける中国が描く奪取のシナリオとは⁈
ポストコロナに向け米中が覇権を争う中、日本が忘れていけないこととは…
米中の覇権争いを対岸の火事とのんびり構えてはいられない。尖閣諸島を「核心的国家利益」と位置づける中国が描く奪取のシナリオとは。そして次に中国が狙うものは。『日本略奪』の著者・鳴霞氏は日本に帰化したジャーナリスト。
この早すぎた警告の書から、中国の国家戦略を読み解こう。
早すぎた警告の書
『日本略奪』の紹介として、本書よりフォトジャーナリスト山本皓一氏の寄稿文を紹介したい。
「眼から鱗」の中国「生」情報発信源 (本書 4頁より)
フォトジャーナリスト 山本皓一
鳴霞さんの情報収集能力と、その分析力にはいつも驚かされている。中国人民解放軍のどんな小さな動きでもたちどころに察知してしまう。
その鳴霞さんがいま、「燃え上がっている尖閣諸島」の本を書いた。
二十年来、国境の島を撮り続けている私にとっても鳴霞さんからの教示は宝の山とも言えるほどだ。「点」にしか過ぎなかった情報の数々が「線」となり、さらには、立体的に見えはじめる。
2004年に海軍の特殊部隊が編制され、中国沿岸の無人島や岩礁に次から次へと「中国領海基点」と記された石碑が建てられた事実を知ったのも彼女の示唆からだった。そのころ私は「釣魚台列嶼 中国領土」の石碑投入事件を追っていた。保釣連盟と称する中国民間の反日団体が魚釣島周辺の海に投げ込んだ20数個の石碑は、“中国領土”の証拠として捏造されたものであろうと想像していた。だが、民間だけでこんなことができるのだろうか、と疑問を感じていた。鳴霞さんとの情報交換によって、軍の発案だが、軍が直接“日本の尖閣諸島”に放り込むわけにはいかず、民間の保釣連合にやらせたことが明確になったのである。まるで子供騙しのようだが、笑ってはいられない。軍と民間が連動して露骨な攻勢を仕掛けるのが中国のやり方なのだ。
鳴霞さんは、中国遼寧省の瀋陽市(旧満州の奉天)生まれの元共産党エリートで、戦闘機やミサイル製造に携わる国家直轄の航天軍工企業の情報課で日本語担当を勤めた。その後日本に留学した後、日本国籍を得ている。中国語はもちろんのこと、達者な日本語も駆使して日本人には得る事が難しい生の情報を伝えてくれる。
本書の原稿を熟読して「眼から鱗」の例えどおり、恐るべき実態が次々と明らかにされている。本書のみならず、鳴霞さんの発行する情報紙『月刊中国』からも当分眼が離せない。
元中国共産党エリートが警告
著者の鳴霞氏は1957年、中国遼寧省瀋陽市(旧奉天市)生まれ。元中国共産党のエリートコースを歩むが、現在は日本に帰化。中学校で中国青年団のリーダーとなり、高校卒業後は東北の農村に下放され1979年に瀋陽市科技日本語学院に入学。1981年、中国航天部瀋陽市軍工企業の戦闘機・ミサイル製造現場(旧満州航空機株式会社)情報課日本語担当勤務。1982年来日、京都日本語学校を卒業し、兵庫・大阪の中国語学校で講師を務める。
以前より、中国を深く知る著者ならではの啓蒙活動を行なう。
日本に帰化して
『日本略奪』<おわりに>より
中国は古い歴史と文化を持ち、本来であれば、堂々たる大国になれるはずだった。しかし、中国共産党の独裁支配下にある現在の中国は、お世辞にも立派な国家とは言えない。周辺国を軍事力で侵略し、チベットやウイグルなどにはいまも理不尽で残虐な弾圧を加え続けている。また国交のないブータンからはこっそり国土を奪い、隣国のインドとも領土紛争を起こし、尖閣諸島や南沙諸島など他国の領土領海は、平気で侵犯し、あわよくば自国の領土に組み込もうとしている。
日本はこのような中共の暴虐を容認している。それどころかODAをはじめとして、各種の経済協力や技術協力によって中共を助けているのだ。中国軍(人民解放軍)という世界平和への脅威を育てたのは日本の金と技術だと言って間違いない。
日本人は、日本の援助が結果として何をもたらしてしまったのかを知らなければならないだろう。南京大虐殺記念館などが日本のおかげで出来ていることなどまだマシかもしれない。自分の国を侵略するための軍隊のスポンサーになっているのが、平和ボケした日本人の姿なのである。(続く)
『日本掠奪―知ったら怖くなる中国政府と人民解放軍の実態』
出版社 : 桜の花出版 (2012/7/19)
発売日 : 2012/7/19
言語 : 日本語
単行本 : 241ページ
ISBN-10 : 4434169033
ISBN-13 : 978-4434169038
寸法 : 18.2 x 13 x 1.6 cm
価格 : 1,870円