海遊館と近畿大学の文理横断チームが研究調査を開始 水族館での鑑賞体験時の心理的効果を検証

アンケート調査で使用する動画のワンシーン
アンケート調査で使用する動画のワンシーン

海遊館(大阪府大阪市)と近畿大学(大阪府東大阪市)総合社会学部、医学部、理工学部からなる文理横断研究チーム(代表:総合社会学部教授 漆原 宏次)は、海遊館での鑑賞体験時の心理的効果を検証する研究調査を実施します。生き物や水中環境の展示を観賞した際の心理的変化を数値化し、来館者の心理や感情の変化を研究することで、居心地のよい空間づくりに応用する予定です。まずは第1弾として、令和4年(2022年)2月2日(水)より、海遊館で撮影した動画を用いて、WEB上でアンケート調査を開始します。
なお、本件は、海遊館と近畿大学が平成30年(2018年)4月に締結した包括連携協定の一環として実施するものです。

【本件のポイント】
●海遊館と近畿大学の文理横断研究チームが、水族館の生き物や水中環境の展示を鑑賞した際の心理的効果について検証
●海遊館で撮影した動画を用いて、WEB上でアンケート調査を実施
●海遊館と近畿大学の包括連携協定の一環として実施

【本件の内容】
海遊館には、来館者から「海遊館に行くと癒される」「元気が出た」「水槽を見たらリフレッシュできた」、といった感想が寄せられることが多くあります。このことから、水族館の価値は生き物を観察し、学び、親しむといった機会の提供にとどまらず、人々の心理によい影響を与えるということが考えられます。
今回、海遊館と近畿大学の包括連携協定をきっかけに、様々な分野の研究者が参画し、ストレスを蓄積しやすい現代社会において、水族館の生き物や水中環境の展示が来館者の心理にどのような変化をもたらすかを科学的に検証します。近畿大学総合社会学部、医学部、理工学部を中心とした文理横断研究チームが、コロナ禍でも実施できる研究デザインを立案し、まずはWEB上でアンケート調査を実施します。調査では、海遊館の様々な生き物や展示環境の短い動画を観賞したうえで、動画の特徴や動画から受ける印象に関するアンケートに回答していただきます。動画は、小魚の群れとジンベエザメが遊泳する様子、クラゲが漂う様子、アザラシの寝姿など、これまでの予備調査をもとに、海遊館が撮影した11種類を使用します。
今回の動画を用いて、それぞれの特徴を数値化する解析を行い、アンケート調査の結果と合わせることで、これまで想定していなかったような水槽ごとの類似度、相違点など関係性を分析します。そこから、水槽ごとの特徴が観賞時にどのような印象をもたらすのかを、調査で得られたデータに基づき明らかにする予定です。海遊館では、それを居心地のよい空間づくりに応用し、将来的には水族館がもたらす効果をメンタルヘルス分野へ生かすなど、新しい価値の提供につなげていきたいと考えています。

【調査概要】
期間:令和4年(2022年)2月2日(水)~2月4日(金)
方法:WEB調査
   20秒程度の動画を11本鑑賞し、
   動画の特徴や受ける印象についてアンケートに回答
対象:インターネット調査会社に登録している調査モニターのうち、
   全国の15歳以上の男女300名
   (15~19歳/20~35歳/36~60歳/60歳以上 それぞれ75名)

【今後の予定】
研究調査の第2弾として、近畿大学理工学部が開発した館内行動計測システムを用いて、来館者の歩行経路や体の向きを計測・解析し、心理学的調査と組み合わせることで観覧行動と心理上の変化を調査分析することを検討しています。混雑度や好み、年齢や性別など様々な背景での行動や視点の違いなどを把握することで、居心地のよい空間づくりへの応用を目指します。実施予定時期は現時点では未定です。

【近畿大学と海遊館の包括連携協定】
大阪にある世界最大級の水族館であり、ジンベエザメをはじめ様々な生物に会い自然を体感できる海遊館と、世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近畿大学は、ともに水産分野で広く知られています。水産分野の枠を超え、様々な分野で互いの特性を生かした研究や技術開発を行うことを目的に、平成30年(2018年)4月に包括連携協定を締結しました。この協定により新たな価値を創造し、相互の発展にとどまらず、社会の課題解決を目指しています。

【関連リンク】
総合社会学部 心理系専攻 漆原 宏次(ウルシハラ コウジ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/2337-urushihara-kouji.html

総合社会学部
https://www.kindai.ac.jp/sociology/
医学部
https://www.kindai.ac.jp/medicine/
理工学部
https://www.kindai.ac.jp/science-engineering/


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