米国製の新型コロナワクチン「ノババックス」は、従来のワクチンと何が違う?3回目の追加接種の選択肢となるか 産業医ラボ.com専属薬剤師が解説します

ヴェリタスジャパン、「産業医ラボ.com」コラム更新のお知らせ

 産業医と企業をマッチングするサービス展開するなど、企業のヘルスケアをサポートする産業医ラボ.comを展開する株式会社Veritas Japan(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:中川隆太郎、以下産業医ラボ.com)は、2021年9月に厚生労働省が新しく供給を受ける契約を結んだと発表した「ノババックス社製 新型コロナワクチン」について産業医ラボ.com専属の管理薬剤師が解説します。

 日本でもワクチン接種が徐々に進みつつありますが、2021年9月、厚生労働省がノババックス社製の新型コロナワクチンを早ければ2022年初めから1億5000万回分の供給を受ける契約を結んだと報道されました。武田薬品工業が国内で生産、供給を行うとの事です。このワクチンは、2回接種が完了し、3回目の接種が必要と議論されている今、新しいワクチンの選択肢となるのでしょうか?
 これまではファイザー社、モデルナ社、アストラゼネカ社製の選択肢がありましたが、新しく導入されるワクチンは一体どのようなワクチンなのでしょうか!?産業医ラボ.com専属の管理薬剤師が詳しく解説いたします!

■現在様々な予防接種に使われているワクチンとは?

 そもそもワクチンとは病気の原因となるウイルスや細菌などの特徴を前もって私たちの免疫システムに覚えさせます。後にその病原体が体内に侵入したとき、その記憶を頼りに抗体を作り出し病原体を効率よく攻撃するのです。

従来、人に応用されているワクチンは一般的に大きく4種類に分けられます。

これらのワクチンは以前から多くの感染症を克服するために使用されてきました。しかし開発には10年以上かかる事が多く、新型コロナワクチンに対応するためにはまだまだ時間がかかると考えられます。

■新型コロナワクチンで使用されている次世代型ワクチンとは?

 爆発的に新型コロナが流行したことで、急いでかつ安価にワクチンを開発する必要が生じ次世代ワクチンとして遺伝子を利用した方法が開発されました。

■ノババックス社ワクチンはどんなワクチン?

 さて今回導入が発表されたノババックス社製ワクチン(米国)は大規模臨床試験で発症リスクを約90%抑えるという有効性を示しました。(3週間をおいて2回接種した場合)日本への供給は武田薬品工業が自社工場で製造します。このため今後安定供給が見込まれます。

 このワクチンは上記の分類で言えば③組み換えタンパク質ワクチンのタイプです。
新型コロナウイルスに特徴的な突起部分のタンパク質を合成する遺伝子を昆虫ウイルスであるバキュロウイルスに導入し(遺伝子組み換え)幼虫の細胞内を使って新型コロナウイルスのタンパク質を作り出します。できたたんぱく質を接種することで免疫応答を引き出します。
つまり以前から使われてきた方法であって安全性が十分に検討されています。また冷蔵保存が可能で他の医薬品と同じように流通する事ができます。

 日本では塩野義製薬がこのタイプのワクチンを開発中です。その他にも世界では数百社が様々なタイプのワクチンを開発中です。日本でも来年以降次々認可される可能性があります。いずれにしてもワクチンの選択肢が増えるのはいいことです。ファイザーやモデルナは打ちたくないけど感染のリスクは下げたい方には朗報であることに間違いはありません。


■ 執筆 ■
竹内 敦子 たけうち あつこ
株式会社メレコム 薬事センター管理薬剤師

昭和55年に薬剤師免許を取得。その後、医学部臨床病理学で生化学研究室勤務。
後、消化器内科学にて肝炎ウイルスの遺伝子解析、がん腫瘍マーカーなどの研究に携わる。
現在は、同グループ会社 株式会社MeRecomの薬事センターにて専属薬剤師として活躍している。

Veritas Japan 会社概要

・ 会社名:株式会社 Veritas Japan
・ 代表者:代表取締役 中川隆太郎
・ 所在地:〒231-0015 横浜市中区尾上町 6 丁目 87 番地 3 産経横浜ビル3階
・ 事業内容:産業医紹介、メンタルヘルス対策、医療コンサルタント事業 他
・ 公式HP:https://www.corivapartners.com/field-veritasjapan

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