体外診断(IVD)市場規模は2027年に1,024億ドルに達すると予測される

世界の体外診断用医薬品（IVD）市場は、2020年には823億米ドルに達し、さらに2021年から2027年（予測期間）の間に3.2%のCAGRで成長し、2027年には1024億米ドルに達すると予測されています。 世界のIVD市場の成長には、POC（Point-of-Care）IVD機器の需要拡大がプラスの影響を与えています。新しく発売されたIVD機器/デバイスは効率的で使いやすいため、医療従事者の間で採用が進んでいます。また、病院への通院を最小限にするために市販されているグルコース・モニタリング・キットなどの診断機器は、高齢者にも好まれています。また、COVID-19のパンデミック時には、自宅で簡単に診断できるものが好まれ、このような商品の需要が高まりました。これらの要因に加えて、がんや糖尿病などの慢性疾患の増加、病気の診断に対する意識の高まり、可処分所得の増加などが、この業界の成長を促進すると考えられます。

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老齢人口における慢性疾患や感染症の増加
IVD市場の成長は、先進国および新興国における高齢者人口の増加に大きく影響されます。世界的な老年人口の急激な増加に伴い、加齢に伴う疾患の発生率が大幅に増加することが予測されています。OECDによると、2019年に米国で暮らす高齢者の数は5400万人。巨大で増加する老年人口は、世界の他の先進国にも存在します。例えば、日本、次いでドイツでは、現役人口に対する高齢者人口の割合が最も大きくなっています。日本の総人口は約1億2600万人で、高齢者が人口の28％以上を占めています。
ドイツの高齢者人口は、同国の人口の約21％を占めています。病気にかかるリスクは年齢に比例して上昇します。例えば、米国疾病管理予防センターによると、米国の高齢者人口の約80％が1つの慢性疾患を抱えています。また、米国医師会によると、2030年には65歳以上の高齢者の60％が、複数の慢性疾患を抱えていると予想されています。60歳以上の年齢層では、肺炎は高齢者に影響を与える致命的な感染症の一つです。

IVDツールの技術的進歩
ポイントオブケア（POC）機器の需要は、バイオチップやナノバイオテクノロジーなどの新技術の登場や、マイクロ流体機器の小型化によって増加すると考えられます。これらの先進的な方法により、診断薬のポイントオブケアテストへのアクセスが容易になり、迅速で有効なテスト結果が得られるようになったため、体外診断用医薬品の市場が活性化しています。その後、これらの要因が予測期間中の市場成長を促進すると予想されます。例えば、2019年6月には、アボット社が一般住民の糖尿病診断のための初の迅速なポイントオブケア検査である「Afinion HbA1c Dx assay」を発表しました。
市場の成長は、主要な市場プレーヤーによる、技術的に進歩した迅速な検査機器の製造への投資の増加によってもたらされると考えられます。最近では、感染症やその他の慢性疾患を診断するための迅速で正確な検査が市場を牽引しています。積水化学工業は、2018年3月に感染症診断用のポイントオブケア（POC）向けの「シラリス インフルエンザA＆Bテスト」の導入を発表しました。このような製品の発売は、患者の選択を標準的な診断機器から高度なIVDサービスへと移行させることになる。

IVD業界では、Roche Diagnostics（ロシュ・ダイアグノスティックス）、Abbott Laboratories（アボット・ラボラトリーズ）、Siemens Healthineers（シーメンス・ヘルティニアス）などの主要なTier IおよびTier IIサプライヤーが活躍しています。これらのサプライヤーは、アジア太平洋地域、ヨーロッパ、北米、南米、そして世界各地に製造拠点を持っています。COVID-19は、これらの企業にも影響を与えています。市場競争を勝ち抜くために、企業は迅速な診断テストを実施するようになった。COVID-19のパンデミック以降、人々は在宅医療の現場で実施できる基本的なスクリーニング検査を好むようになり、これらの重要性が高まった。COVID-19がIVD製品の市場に好影響を与えたのは、キットや試薬製品の高い成長率に起因すると考えられる。

パンデミックの到来により、迅速な診断を可能にし、コロナウイルスの有害な影響と闘うための試薬やキットの必要性が高まっています。IVDではさまざまな生物学的サンプルの検査が必要とされるため、COVID-19の発生が調査対象の市場に好影響を与えることが予想されます。COVID-19のような感染症の診断は、この成長要因を支えるものと考えられます。COVID-19のパンデミックを抑制する上で、検査は依然として重要なステップです。COVID-19の感染者数が世界的に増加していることから、民間の検査機関が研究を拡大できるようにする可能性について、各国政府が検討しています。また、COVID-19の診断のために主要プレイヤーが診断キットを迅速に発売していることも、パンデミック中の市場を牽引しています。

市場はタイプ別に、製品（試薬・キット、機器）とサービス（ソフトウェア、テストサービス）に分かれています。予測期間中、市場を支配しているのは試薬分野であると予想されます。このセグメントの成長は、迅速かつ正確で高感度な機器の需要が高まっていることに起因しています。さらに、体外診断用医薬品の研究に使用されることが多いことや、セルフテストやポイントオブケア製品の需要が増加していること、試薬に関連する研究開発イニシアチブの数が増加していることなどが、市場の発展を支えていると考えられます。機器や機械は、診断プロセスを簡素化し、試薬やサンプルをまとめる分析ツールと呼ばれています。市販のキットやロボットは、ポリメラーゼ連鎖反応（PCR）検査室において、感染性微生物、血液抗原、ウイルス量などの同定・測定に使用されています。

アプリケーション別には、腫瘍、感染症、糖尿病、心臓病、腎臓病、自己免疫疾患、薬物検査/ファーマコゲノミクスなどに分類されます。予測期間中、市場を支配するのは感染症分野であると予想されています。これは、SARS-CoV-2、HIV、AIDS、結核、肺炎などの感染症の流行が拡大しているためです。さらに、このセグメントは、市場のプレーヤーによるIVD用の感染症検出アッセイの生産が増加することが動力源になると予想されます。例えば、2018年12月、シーメンス・ヘルシネアーズは、ウイルス性肝炎などの新しい12種類のアッセイについて、米国(Food and Drug Administration)FDAの市販前承認を取得しました。

市場は地域別に、北米、欧州、アジア太平洋、中南米、中東・アフリカに分けられます。北米では、多数の企業が進出していることから、市場規模は最大になると予想されています。また、病気の蔓延やお客様の意識の高まりにより、診断機器の需要が拡大しています。アジア太平洋地域では、新興経済圏が存在することから、市場は予測期間中に最も高い成長を示し、CAGRは4.3%となる見込みです。さらに、この地域では、医療意識の向上と患者の早期診断に対する需要の高まり、慢性疾患の高い有病率などが市場を後押しすると考えられます。

この市場では大手企業が存在しているため、高額な必要資本を揃えるのが難しく、新規参入の機会が減少しています。主なプレイヤーとしては、Abbott、Danaher、Siemens Healthineers AG、Roche Diagnostics、Sysmex Corporation、QIAGEN、Quidel Corporation、Quest Diagnostics、Agilent Technologies、Bio-Rad Laboratoriesなどが挙げられます。IVD市場は価格に敏感であるため、プレイヤーは費用対効果の高い、生産性の高い商品を生産するという点で集中的に競争しています。生産能力や製品ポートフォリオを向上させ、競争上の差別化を図るために、企業は買収、提携、合併への参加を増やしています。さらに、企業は、さまざまな感染症の診断用の新薬が消費者に受け入れられることを目指しています。

タイプ別（製品-試薬・キット、機器）、（サービス-ソフトウェア、テストサービス）。
技術別（臨床化学、免疫測定・免疫化学、分子診断学、血液学、微生物学、凝固・止血、尿検査)
アプリケーション別（腫瘍学、感染症、糖尿病、心臓病、腎臓病、自己免疫疾患、薬物検査/ファーマコゲノミクス)
エンドユーザー別（病院、ポイントオブケアテスト、研究所、学術研究機関)
地域別（北米、欧州、アジア太平洋、中南米、中近東、アフリカ)

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