出会って気付いたもう一つの夢――元自衛官のセカンドステージ 加盟エージェントのストーリーを公開
RE/MAX J Investment Property エージェント 大川 正洋
自衛隊の定年は少し早めの56歳
自衛隊の定年は少し早めの56歳。
まだまだ元気に仕事はできるんです。笑
大学卒業後、陸上自衛隊に入隊しました。
理工学部で情報システムを学んでいたのですが、様々な論文を読む中で、軍隊の情報システムがすごく進んでいることが分かり、興味を持ったのがきっかけです。
入隊後は、現場の部隊で活動もしながら、通信、システム、セキュリティ、オペレーションズリサーチ等の職務に従事。
具体的にいうと、部隊が動く時に通信システムを構成したり、敵から通信が傍受されないよう、民間のセキュリティよりも強力な読み取り不可能な暗号の設計をしたりしていました。
なぜ今不動産?って思いますよね(笑)。
自衛隊って2年ごとに部隊の異動があるんです。
34年間在籍していたので、単純計算で引越しが17回…(笑)。
なので不動産業が「消費者」として常に身近にありました。
大変でしたねって言われることもありますが、私自身は全く苦ではなかったです。
妻には子どもの学校の手続き等で苦労はかけましたが、家族も一緒でしたし、新しい家を探すことや新しい人との出会いが楽しみになっていたんですよね。
ただ、数ある引越しの歴史の中には、苦い経験も…。
住む家は官舎があるのですが、実はタイミングによっては入れないこともあるんです。
そうすると、自分で探して契約をしなければならず、今みたいにオンラインで内覧や契約をすることができないので、そのたびに数時間かけて異動先まで出向きました。
ここで出会ってしまうんです、ちょっとダークな不動産営業マンに…(泣)。
契約までは良い点のアピールも多く、良くしてくれるのですが、契約してしまえばそれで終わり…。
入居後にトラブルがあっても対応がとても遅く、結局自分で処理することもあり、退去時も気持ちの良い対応はしていただけませんでした。
安心・快適に住める場所や家を見つけることは人の幸せに大きく影響し、とても重要なのにも関わらず、不動産業界自体が消費者志向でなく、当時はあまり良い業界ではないんだなと感じていました。
自衛隊の仕事は…
自衛隊の仕事はとてもやりがいあり、指揮官、研究員、幕僚(指揮官の参謀役)とさまざまな経験をさせてもらいました。
ですが、先述のとおり、定年が56歳。
まだまだ元気に働けるといえども、その場は去らなければなりません。
50歳を過ぎたころから定年後に何かできるかなと考え始め、ふと、製図したいと思ったんですよね。
技術者っぽくてカッコいいなと(笑)。
多くの引越し経験から「家」に興味があったので、2級建築士の通信講座を受講することに。
すごく楽しかったですね。月に1回は対面での授業もあったので、若い子たちとの交流も良い刺激になっていました。
試験も無事合格!!
…と言いたいところですが、自信満々に終えたつもりが、回答を答案用紙に書き忘れるという大失態…(泣)。
でも、技術や知識は一定以上身についていたので、翌年の試験は受けませんでした。
実は建築士の勉強中に受けた宅建士の資格に合格をしていたので、もし家関連で仕事をするなら、不動産仲介業かなとふんわりと考えてはいたんです。
引越しの良し悪しも多く経験していますし、自衛隊で学んだ人間関係の構築や調整力も生きるのではと考えていたので…。
そして56歳。
そして56歳。
定年後の再就職先は自衛隊でも用意してくれます。もちろん自分で探すこともできるのですが、この歳での再就職は簡単ではないので、ほとんどの自衛官は紹介先の会社にいくことに。不動産業に興味がありつつも、私も用意された会社に入社しました。
紹介先としては珍しく、ベンチャー企業でビックデータ解析の会社なのですが、ここが、まぁ大変で(笑)。正直現場の膨大な作業をこのまま続けるのは体力的にも難しいと1年で悟りました…。
そこで、どうせやるならやってみたいことをしようと決め、不動産仲介業で職探し。
見つけたのが、RE/MAX の不動産エージェントという働き方でした。
ビジネスモデルを知れば知るほど、セカンドキャリアに適した働き方だなと…。
再就職した自衛官仲間から、私と同様、再就職先でうまくいっていないという話をよく聞いていたので、ゆくゆくは後輩自衛官のセカンドステージとしてオフィスを構えるのも良いなと、チャレンジしたい気持ちが一層強くなりました。
現在は…
現在は千代田区麹町にあるRE/MAX J Investment Propertyに所属して1年になります。
再就職先の会社は現場から内部監査の仕事に代わり、リモートで週2日勤務しているので、そのほかの日が不動産デーです。
宅建士の資格と建築士の勉強で一定の知識はあるものの、実務経験はないので、スタッフの西村さんが一から親切に教えてくれています。
お預かりした物件のオープンハウスをした時も、はるばる千葉から高尾までサポートに来てくれて、いろんなことにチャレンジできる環境はとても有り難いですね。
ただ、集客の難しさは感じています。
コロナ禍が長引き、自衛官時代の知り合いと会う機会も限られてしまい、なかなか宣伝ができませんでした。
でも、できなかったからこそ、地元のコミュニティに属したり、チラシをポスティングしたり、SNSで地元の情報を紹介したりと、人脈だけに頼らない集客の仕方を覚えました。
これらが手堅い集客の手段かといえば、まだそうはなっていませんが、まずは地道に丁寧に継続していこうと思っています。
正直に、素直に、自分らしく、楽しく。これが私の不動産エージェントとしての指針です。
そのためにも、お客様が心から満足いただけるような仕事をしていきます。
その結果として収入が得られたら嬉しいですね。
『消費者』側の希望や不満は何度も経験しているので、その視点を存分に生かしていこうと思っています。
まだまだ元気に仕事ができます(笑)。
後輩自衛官のためにも、もう一肌、二肌脱いで自己研鑽を積み、後で振り返って後悔しないように生きていきたいです。