わたしたちの体を守る「免疫」とは? 免疫が低下する原因や、予防法を当社専属の保健師が紹介。
セントラルメディエンス、コラム更新のお知らせ
医療従事者のマッチングや医療品の卸、医療機関のトータルサポート事業を展開する株式会社セントラルメディエンス(本社:東京都港区、代表取締役:中川隆太郎、以下「当社」)は、「免疫」についてご紹介するコラムを更新いたしましたのでお知らせいたします。
最近、「免疫力が落ちたから病気にかかりやすくなった。」との声を聞くことがあります。インフルエンザの時期でもあり、免疫を気にしている人もいるのではないでしょうか。今回のコラムでは、そもそも免疫とはどのようなもので、高めるにはどうすれば良いのか、当社専属の保健師が解説いたします。
■免疫とは
免疫とは、細菌やウイルスなどの異物が体に入ってくるのを防いだり、排除したりする役割のことです。その中でも「自然免疫」と「獲得免疫」の2つが存在します。
●自然免疫
生まれ持った免疫機構で、異物が侵入すると「自己」と「非自己」を認識し、非自己である場合は攻撃し排除を行います。花粉症は、この免疫が働きすぎてしまい、体の中に入ったアレルゲンに強く反応することで、くしゃみや鼻水などの症状が起きてしまいます。他にも「自己免疫疾患」と言われる、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)は、免疫が、「自己」を「非自己」と勘違いしてしまい自分自身を攻撃することで起きる病気になります。
●獲得免疫
一度侵入した病原体を記憶し、再侵入された際に、早く対処する免疫機構になります。分かりやすいのは予防接種です。無毒化もしくは弱毒化した病原体を注射し、体が病原体を記憶することで、病気を予防、もしくは症状を軽くすることを目的とされています。
人間の体はこの2つの免疫で、異物から体を守っているのです。
■免疫が低下する原因とは
では、免疫が低下するとはどういうことでしょうか?
簡単に言うと、白血球という異物を退治する役割のある細胞の働きが弱くなることです。そのため、異物と戦う時間が延びてしまうことで、発熱などの症状が出てきます。
免疫が低下するのにはいくつか原因がありますので、少しだけ見ていきましょう。
① 年齢
② 運動不足、過剰な運動
③ 冷え
④ 栄養バランスの乱れ
⑤ 睡眠不足
⑥ ストレス
⑦ 喫煙
他にもありますが、大きく見てこれらが免疫を下げる原因となります。
■予防法とは
次に具体的な予防法を考えていきたいと思います。
●運動
WHOが「全ての成人は定期的な身体活動を行うべき」とし、健康効果を得るために1週間を通して、
・中強度の有酸素性の身体活動を少なくとも150~300分
・高強度の有酸素性の身体活動を少なくとも75~150分
または、中強度と高強度の身体活動の組み合わせによる同等の量を推奨しています。
●冷え
免疫の働きは温度が上昇すると強くなる性質があります。病気の時に熱が出ているのは、病原体が何かをしているのではなく、体温中枢があがることで免疫力が高まり、病原体を排除しようとしている自然な体の働きになります。つまりは、体を冷やしすぎず、温かく保つことが免疫を高めるには重要となるのです。
そこで皆さんが気になるのは、熱が出たときに解熱鎮痛剤を使用して体温を下げたらダメなのか?という疑問が出てくると思います。確かに、解熱することで病原体が排除できず、いつまでも長引くこともあります。具体的に何度とは決まりはないのですが、37℃後半~38℃以上の時は内服をお勧めします。ただし、体温が高くても、つらくないのなら無理に内服する必要はありませんし、逆に38℃無くてもつらいようなら内服しましょう。人によって平熱が異なるため、温度はあくまで目安で、つらいかつらくないかで判断すると良いと思います。
●栄養バランス
様々なビタミンが大きく免疫に関わっていると考えられており、それらが不足することで、免疫力が低下していきます。また、ビタミンDは紫外線を浴びて合成が促進されるので、適度な日光浴も大事になります。他に食品としては、大豆や納豆、味噌などの発酵食品が免疫を高める手助けになると言われています。
●睡眠不足・ストレス
自律神経が乱れることで、免疫の働きが弱くなります。そのためしっかりとした休息が必要となります。
●喫煙
有害物質により免疫の働きが低下すると考えられており、さらに肺疾患の原因ともなるため、肺炎などが悪化しやすいという特徴もあります。
■まとめ
免疫とは、生物が持つ力の一つです。不摂生をすればその分低下し、病気に掛かりやすくなりますので、健康に過ごすためには規則正しい生活と食事を心がけてください。また、病原体自体を遠ざけることも大事になります。
コロナ禍で病気が少なかったのは、マスク、手洗い、うがい、アルコール消毒を意識している人が多かったことが要因とされています。コロナに限らず、多くの病原体は同じ感染対策で対応できるので、この冬場も感染対策をしっかりして、病気にならないように過ごしていきましょう。
■ 執筆 ■
富谷圭佑
とみやけいすけ
株式会社Central Medience 専属保健師
一般企業で6年間営業として働き、介護職2年、
その後看護大学に入学した後に大学病院で臨床(ICU、内科)を4年経験。
現在は、当運営会社 株式会社セントラルメディエンスに入社し、専属保健師として勤務している。
株式会社Central Medience
代表者:代表取締役 中川隆太郎
所在地:〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-10-1 虎ノ門ツインビルディング EAST棟8階
事業内容:メディカルサポート、メディカルキャリア、医療経営等のソリューション提供 他
公式HP:https://centralmedience.com/