倒産と「3.11」を乗り越えた温泉旅館の「再生小説」 江上剛が元銀行マンの挑戦を描く『再建の神様』発売

株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、江上剛著『再建の神様』(本体1700円・税別)を、2021年3月4日に発売します。本書は、失意の若き元銀行マンが会津の温泉旅館の再建に挑むビジネス小説です。倒産からの再生、東日本大震災の克服と、「再建の神様」早川種三の経営哲学をヒントに乗り越えていく主人公たちの戦いを、自身も銀行マン出身の著者がリアルに描きます。「3.11」から10年の節目に当たり、コロナ禍にあえぐ現代人に届けたい「再生の物語」です。

『再建の神様』表紙

人と人との絆をつなぐ「努力と希望の物語」

昭和40年代、史上最大の倒産といわれた興人の再建を行なうなど、「再建の神様」と称えられた早川種三。その種三を尊敬し、世のため人のために働くことを志して地方銀行員となった春木種生は、投資物件をセールスした男性が自殺、銀行員として生きていくことに挫折してしまいます。
逃げるように東北新幹線に乗り込んだ彼は、再建請負人・渋沢栄二と偶然出会い、倒産しかけた会津の温泉旅館の再建に誘われ、協力することを決意します。さまざまな壁にぶつかりながらも、渋沢の姿や早川種三の言葉に励まされ、春木は人との絆を感じ、人のために働くことの喜びに目覚めていきます。
ようやく温泉旅館の再建が軌道に乗ったころ、今度は東日本大震災──。しかし渋沢ら再建を引っ張った仲間たちと温泉街全体を盛り上げながら乗り越えていきます。温泉旅館、温泉街、そして春木自身がマイナスから“再建”を果たす「努力と希望」の長編小説です。

連載時から反響「地方再生のリアルが描かれている」

この小説は、「再建の神様──絆を求めて」と題し、「河北新報」をはじめとする「新潟日報」「長野日報」など東北・東日本の地方紙各紙で、2019年12月から2020年12月まで、13カ月にわたり連載されました。
連載中から「地方再生のリアルが描かれている」「人と人との絆に気づかされた」「小説にある早川種三の言葉に学び、仕事に取り組みたい」などの反響が寄せられました。今回「東日本大震災10年」の節目に、単行本化されます。

本書に出てくる「早川種三の言葉」

●「まず大事なことは、社員の士気を鼓舞することだ」
●「組織に属する人間の最大の喜びは、仕事をたくさん任されて、思う存分に働くことである。つまり、社員はだれでも精一杯働きたいのである」
●「日本人は勤勉だから働く意欲さえ取り戻せば、企業は立ち直る。企業にも人間の身体と同じように復元力があるのだ」
●「物事に対して悲観的に臨んだことは、ただの一度もない」
●「孤独な優等生より個性的な劣等生たれ」

著者について

江上剛(えがみ・ごう)
1954年(昭和29)生まれ。銀行員を経て、『非情銀行』で小説家デビュー。主な著書に、ビジネス小説の『失格社員』『翼、ふたたび』や「庶務行員 多加賀主水」シリーズ、評伝小説の『我、弁明せず』『成り上がり』『怪物商人』『クロカネの道をゆく』『住友を破壊した男』などがある。

著者メッセージ──大切なのは「希望を見つけようとする能力」

コロナ禍で地域経済が破壊に瀕している。特に観光業の人たちは、絶望の淵に沈んでいるのではないだろうか。
この小説の登場人物たちも同じだ。しかし彼らは、「希望を見つけようとする能力」を発揮し、主人公の春木種生と力を合わせてそこから這い上がろうとする。
昭和40年代の大不況から日本を救い、「再建の神様」と尊称された早川種三の《働く人たちのモチベーションを高める》思想を支えに、不況や原発事故などの苦難と戦う彼らの姿が、コロナ禍で苦しむ人たちの未来を照らす光となればいい。

著者・江上剛氏

書誌情報

・メインタイトル:再建の神様
・著者:江上剛
・発売日:2021年3月4日
・定価:本体1700円(税別)
・仕様:352ページ/46判並製
・発行:PHP研究所

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