【名城大学】都市情報学部「観光とまちづくり」の講義で富山県氷見市の職員が登壇
「地方のまち」の観光の現況や観光振興策、今後の取り組みなどを解説
都市情報学部の森龍太助教が担当する2年次後期開講科目「観光とまちづくり」で、本学と連携協定を締結している富山県氷見市の職員が11月11日の講義でゲストスピーカーとして登壇し、受講する学生約150人に「地方での観光まちづくり」と題して、氷見市の観光の現況や観光振興策の推進体制と課題や目標、広域観光など今後の取り組みなどについて解説しました。
「選んでもらい、満足してもらうためには観光の新しい魅力の向上が必要」と岩坪さん
「観光とまちづくり」は、日本の観光政策の変遷や地方と都市部の観光特性などについて事例を学び、観光を活用した地域づくりの一翼を担う能力の修得を目指します。これまでに都市部の名古屋市や合掌造り集落で知られる岐阜県白川村の担当者から現況などを学んでおり、今回は受講生にはあまり知られていない地方のまちの観光まちづくりの進め方を探るため、氷見市企画政策部地方創生推進課の岩坪大祐さんを招きました。
岩坪さんはまず、氷見市の観光の強みとして寒ブリに代表される豊富な水産物や年間100万人が訪れる観光施設「ひみ番屋街」を挙げ、逆に弱みとして観光客は通過型で立ち寄り客が大半であることを説明。脅威として、近隣自治体との競争激化や高齢化による宿泊施設などの担い手不足などを指摘し、さらに今年1月の能登半島地震の影響で輪島市など奥能登地域を絡めて氷見市を訪れる観光客が激減していることを明かしました。
今後の観光振興については、「観光のまちとして選ばれ続けるには、より広域から来てもらうため、PRに努めて氷見市を知ってもらうことが重要」と強調。さらに「選んでもらって満足してもらうため、観光の新しい魅力の向上が必要」と述べて外部人材を招いて検討していくことや、観光需要喚起策として宿泊費を最大1万円割引する応援割キャンペーンを11月25日から始めることなども紹介しました。
「『中京圏の若者』の観光客増加を目指したPR・アプローチの方策」をグループで検討
講義の最後には、「氷見市への『中京圏の若者』の観光客増加を目指したPR・アプローチの方策」についてグループワークを実施。「ポップな表現でSNSを活用する」「ショート動画でPR」「インフルエンサーに依頼してインスタグラムでアピール」といったPR策が目立つ一方、「移動手段などの安さは若者に魅力」との理由から「学割やレンタカー割引、モバイルクーポンの活用」を挙げたグループもありました。