空気中の酸素から活性酸素を生成し、燃やさずに水草からセラミックを抽出にする技術をWEF技術開発が開発

水草から抽出したセラミックは、「琵琶湖彩(びわこいろ)」と命名された独特の発色となり、吹きガラス製品として人気です

環境関連技術開発を手掛けるWEF技術開発株式会社(所在地:滋賀県大津市、代表取締役:青山 章)は、空気中の酸素から活性酸素を生成する世界随一の技術で、水、エネルギー、食糧の地産地消技術を開発してきたが、今年8月、琵琶湖の水草を燃やさず活性酸素のみでセラミックを抽出することに成功した。琵琶湖水草に含まれるセラミックは独特の発色で、吹きガラス製品などに利用されてきたが、水草を乾かした後燃やして抽出するため、コストと時間がかかるのがネックになっていた。

■活性酸素生成技術について
 活性酸素は酸化電位ではオゾンの1.4倍くらいであるが、実際の処理では3倍近くの分解能力がある、地球上で最も酸化能力が高い物質。瞬時に細胞を傷つけることから、今までは癌や老化の原因として医学界で研究されてきた。近年、人類は微生物が分解できない難分解有機物を作り出し、これがほぼ発がん性で、河川から飲用取水される水中に含まれるようになったことから、水処理分野ではいろいろな活性酸素生成技術開発がなされてきた。
 しかし、大気中で活性酸素を生成する技術は世界的にも当社しかなく(当社調べ)、大きな可能性がある。例えば、動植物の細胞膜(壁)のリン酸脂質、セルロースの強固な炭素結合(C-C)を、常温で吹付けるだけで瞬時に分解することが出来る。今までこの技術で、外来水草、ホテイアオイ、生ごみ、農作物残渣等を低コスト、短時間で堆肥化してきた。
 2021年に特許取得、2023年にはUNDO(国際連合工業開発機関)の開発途上国・新興国の持続的な産業開発のために、優れた技術を紹介する「サステナブル技術普及プラットフォーム」に登録された。

活性酸素発生装置「AOSⅣ」
活性酸素水草処理 1時間処理後(右)

■活性酸素による水草セラミック抽出
 今回水草からセラミックを抽出するのに使用した装置は「Polaris(ポラリス)」で、これは処理物を加熱し、そこに活性酸素吹き込むことで、個体有機物の炭素-水素(C-H)、炭素-炭素(C-C)結合を分解することが出来る。
 含水率98%の水草を自然乾燥で表面の水分を蒸発させたのち、水分調整のためバイオ炭を少し混合して、「Polaris」に投入する。水草を加熱するセラミックはあらかじめ加熱しておくが、処理が始まると、原子結合分解が発熱反応のため200℃前後の熱がセラミックに供給されることで、処理中はエネルギー供給が不要となる。すなわち、この装置の必要処理エネルギーは活性酸素発生装置の80w×2台=160wだけである。

琵琶湖刈取り水草(琵琶湖では毎年2万トン近く発生)
滋賀県が毎年5~6,000トン刈取っている
処理装置「Polaris3.0」
処理装置に水草投入(図)

 スタート温度250℃で水草を1㎥投入。活性酸素投入量は個体有機物処理の2倍に設定した。処理温度は順調に推移し、およそ8時間で処理が完了した。

投入した水草
抽出したセラミック(多量のタニシが混入していた)
ふるいにかけた後のセラミック
 8㎏のセラミックを回収

■水草セラミックの利用
 水草が水中から吸収したセラミック類を利用することは、湖の浄化につながる。更にそれが人々が喜ぶものになれば、まさに一石二鳥といえる。
 琵琶湖水草セラミックは吹きガラス作家によって、独特の色を発色することが分かり、「琵琶湖彩」と命名され、そのガラス工芸品は今非常に人気になっている。

琵琶湖彩ガラス
琵琶湖彩ガラス発表会

 
■ 活性酸素利用の今後の展開
 活性酸素は強固な細胞壁(膜)が常温で瞬時に分解できるので、今後は今回のように完全分解までもっていくだけではなく、細胞膜分解することで圧倒的に効率が上がる、メタン発酵、堆肥化、エタノール抽出、微細藻の脂質抽出などの分野で利用していきたいと考えている。

■会社概要
商号  : WEF技術開発株式会社
代表者 : 代表取締役 青山 章
所在地 : 滋賀県大津市堂1-19-15
設立  : 2016年7月
事業内容: 水処理、廃棄物リサイクル、Mg関連技術開発、販売
URL   : https://aoyama-wefit.com

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