11月22日は“いい夫婦の日”です 「会話のある夫婦」が 子どもの自立を促す!?

5万人以上のお父さん・お母さんをサポートしてきたNPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事の天野ひかり先生の著書『賢い子を育てる 夫婦の会話』より

11月22日は、二人の時間を大切にする「いい夫婦の日」

 11月22日は、二人の時間を大切にする日として「いい夫婦の日」となったそうです。最近では、榊原郁恵さん渡辺徹さん夫婦、LiLiCoさん小田井涼平さん夫婦などが「いい夫婦 パートナー・オブ・ザ・イヤー」として選ばれるなど、毎年11月22日は注目される日となっています。
 夫婦の関係を気にかけることはあるかもしれませんが、「会話」についてはいかがでしょうか。わざわざ話をしなくても、通じる方々もいらっしゃるかもしれませんが、今日はぜひ「夫婦の会話」について考えてみませんか?


 昨年からのテレワークにより家で過ごす時間が増えたことで、これまでより会話が増え、関係がよくなったという夫婦がいる一方で、家にいるのに家事や育児に積極的にならないパートナーを目の当たりにし、価値観の違いから「コミュニケーションをあきらめた」という夫婦もいるといいます。

 そんな夫婦の関係から大きな影響を受けるのは、子どもの成長です。「パートナーとの会話は少なくても子どもと私は話しているから大丈夫」と思われるかもしれませんが、実は子どもは親との自分の「タテの関係」から学べない多くのことを、両親の「ヨコの関係」から学んでいるのです。

 夫婦の価値観の違いを認めたうえで、お互いの希望をうまく伝え合い、子どもの成長をうながすコミュニケーションの方法――それが5万人以上のお父さん・お母さんをサポートしてきたNPO法人親子コミュニケーションラボ代表理事の天野ひかり先生の著書『賢い子を育てる 夫婦の会話』で紹介している、子どもを賢く育てる夫婦の会話法です。

子どもの問題の裏には夫婦コミュニケーションの問題が隠れている!?

 天野ひかり先生は、子育てセミナーや講演会で親御さんに向けて親子コミュニケーションの指導をするなかで、「夫婦の会話がほとんどなくて、どうしたらいいでしょうか……」というご相談にも対応されてきました。

 そして、親がもつ子どもの悩みの裏には、実は“夫婦のコミュニケーションの問題”が隠れていること、夫婦の会話そのものも少なくなっていることに気づかれます。

 夫婦の関係に子どもはとても敏感で、そして健気です。夫婦間が良好でない場合は、幼い子どもはふざけて親を笑わせようとします。少し大きくなると、いたずらや悪さや反抗といった変な行動をとることで、ふたりを向き合わせようとしたり、子どもが自分自身を責めたりすることもあります。

子ども自身がリラックスできないために、変な行動をとる。すると、その子どもを見て、親もまたイライラし関係が悪くなる……こうした悪循環に入ってしまいます。

 そうならないためにも、夫婦の会話の方法を見直し、子どもがリラックスできる夫婦関係を築いていくことが大切です。お父さんとお母さんがお互いに向き合う姿を見ることで、子どもはのびのびと自分の思いを育むことに集中できるのです。

まずは夫婦仲よくできることを探そう

 仲のいい夫婦というと、いつも手をつないでニコニコ、毎日ハグやキスするのをイメージする方もいるかもしれません。
 でも、仲よし夫婦のかたちは、それぞれ。夫婦で力を合わせて家族を育んでいこうとする思いが、子どもに伝わればよいのです。

 わかりやすいのは、いっしょに家事をすることです。夫が家事を積極的に行う夫婦は、しない夫よりも夫婦仲がいいという結果も出ています。
 家事というと、掃除や食器の後片づけなどを思い浮かべますが、それだけでなく、家族の生活をデザインし、プロデュースして、家族を育てていくことです。家事をいっしょにする過程で、少しずつ会話が増え、子どもの成長にもいい影響を与えていくのです。

相手が動いてくれる会話のコツとは?

 家事をいっしょにしたいけれど、夫は進んでやってくれない。そんなふうに悩むお母さんもいるかもしれません。では、相手を動かすにはどのような伝え方をすればいいのでしょうか。

ポイントの1つは、「〇〇してほしい」「〇〇するべき」といった「You(あなたは)」を主語にした伝え方をやめ、「I(わたしは)」を主語にして「〇〇したい」という自分の“気持ち”を伝えることです。

 「You」を主語にして話すと、相手を責めたり、勝手に相手を「○○な人だ」と決めつける言い方になり、要望は伝わりにくくなりますが、主語「I」に変えると、自分の気持ちが相手に伝わり相手に理解してもらいやすくなります。

 要望や非難ではなく、相手の思いを受け止めて自分の気持ちをうまく伝え合えるお父さんお母さんを見ることで、子どもも相手の立場に立って考えられるようになるのです。

子どもが安心できる家庭をつくるために大切なこと

 親御さんの中には、裏表のない子どもに育てなければと思うあまり、「本音と建前があるのはよくない」と考える人も多いようです。時々、子どもが学校と家とでふるまいが違うため、「うそつきになってしまった」と心配するお母さんもいます。

 でも、社会において円滑な人間関係を構築するためには、建前と本音をうまく使い分けることも必要です。ですが、建前だけで生きていると、自分の本心を出せなくなり、人と会話するのもイヤになってしまいます。

 私たちは弱い部分をだれかに受け入れてもらうことで、バランスをとっています。弱い部分を家で見せ合えるぶん、外に出たときに、強い自分や、あるべき役割を負えるのではないでしょうか。

 だから、家庭においては、夫婦で本音を言い合い、子どもも本音をちゃんと出せる場をつくっていくことが大切です。家の中は、自分の弱さや本音を吐き出せる場であっていいのです。
家でも親が「失敗しちゃった。でも外では、しっかりしたお母さんだよ」と、失敗や弱音を言える姿を見て子どもは安心し、成長するにつれてTPOをわきまえてふるまえるようになっていきます。

 このように、相手の気持ちを受け止め、家族みんなが心地のいい関係をつくるのが、子どもを賢く育てる夫婦の会話法です。


 いかがでしたでしょうか。今日、顔を合わせたら、なんて声をかけようか、ぜひ参考になると嬉しいです。

参考書籍 『賢い子を育てる夫婦の会話』

『賢い子を育てる夫婦の会話』
天野 ひかり 著 汐見 稔幸 監

もくじ
第1章 賢い子どもは「夫婦の会話」でつくられる
第2章 夫婦の会話を変えると、子どもはこう育つ
第3章 “ありのまま”を認めると、夫婦関係も子育てもラクになる
第4章 子どもの「器」を育む夫婦・家族の会話のコツ

『賢い子を育てる夫婦の会話』
『賢い子を育てる夫婦の会話』

※書評・著者インタビュー、専門家出演等のご検討をいただけましたら幸いです。


AIが記事を作成しています