滅びゆく日本の大切な文化を再現し、日本の住文化を守ります
〜第5回令和の太子講を開催〜
循環型建築ネットワークグループの中心である一般社団法人全国古民家再生協会(東京都千代田区 理事長:杉本 龍一)は令和4年11月13日に京都府亀岡市の丹波亀山城址 万祥殿にて「令和の太子講」を開催したことをお知らせいたします。
大工・職人の伝統的技術の継承が問題視されている今日、循環型建築ネットワークでは技術・文化の承継のために様々な取り組みを実施しております。その取り組みの一つとして、職人の職業守護神である聖徳太子を祀る【太子講】を開催いたしました。
太子講と併せて、全国古民家再生協会近畿地区会員大会も開催を行い、全国での様々な事例の共有や自由民主党衆議院議員田中英之議員にお越しいただき「地域の活性化/これからの官民連携」をテーマに基調講演を頂きました。
太子講とは
聖徳太子を讃仰する宗教講,または大工,左官など建築関係の職人たちが,それぞれ同業者集団として結束をはかるため聖徳太子を守護神として行う職業講のことです。真宗では,親鸞が和国の教主とたたえた聖徳太子の奉賛が盛んで,存覚の太子講式にのっとって行われていました。聖徳太子が寺院建築史上大きな存在であったところから,江戸時代には職人ことに大工,左官,鍛冶屋,屋根葺き,桶屋などが工匠の祖として祭るようになり,忌日の2月22日に太子講を行うようになりました。地域ごとに年1〜2回開催されることが多いとされています。民間への広まりはこの真宗を通しての流布が論じられていますが,とくに鉱山関係や職人などの農耕に従事しない人々の間に広まっていったとされています。現在でも太子講といい,毎月聖徳太子の命日とされる22日に掛軸や像の前で講を開くのは,大工,左官,桶屋などの職人関係の人に多く、とくに年頭にあたる2月22日は,そこでその年の日当や職の割りふりが行われています。
近年、職人の日当や職の割り振りを行う文化が少なくなっていることから太子講を行う文化も比例して少なくなり、地域での開催や大手建設会社などで法要として年に1回程度開催されるものとなっています。
当協会の調査では、国内で行われている太子講の回数は大小問わずで、概ね200カ所程度となっております。
「世界大百科事典」より一部抜粋
循環型建築ネットワークで太子講を行う目的
太子講は職人達が聖徳太子を職業神として祀ること、その年の賃金・日当を決定するための会合の役割を従来は担っておりました。
循環型建築ネットワークの太子講では、職人の賃金等を決めたりなどはありませんが、
こうした歴史ある行事を守るとともに今、古民家を始め建築に携わるものとして
聖徳太子を偲び集う「講」は大事と考えています。
こうした「コト」をどう大切にできるか、が重要だと考えています。
循環型建築ネットワークは古民家を取り扱う中で、大工をはじめとする職人さんはとても大事な存在であり、
その市場を創る必要があります。
その中で、技術の継承だけでなく、歴史や文化も大切にしていかなければならないと考えており、技術ある職人さんが輝ける市場を創るためにも、毎年、各地域にてお宿をお引き受けいただき、大工・職人の歴史・文化の継承についても積極的に行ってまいります。
令和3年11月15日(日)に第4回令和の太子講を真宗 木辺派 天海山 光徳寺にて開催してから、約1年間、全国古民家再生協会京都第一支部にてお宿をお務めいただき、今回の第5回令和の太子講を無事開催することができました。
次回のお宿は笹川支部長を中心とする富山第二支部に引き継がれ、第6回令和の太子講は次回、富山県にて開催されることが予定されております。
循環型建築ネットワークではこうした職人の技術・伝統・文化を継承していくことを目的にとして様々な取り組みを行っております。
【本件に関するお問い合わせはこちら】
一般社団法人全国古民家再生協会
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受付:平日 10時から12時、13時から16時
※土・日・祝祭日を除く
担当:河野・山名