医薬品中間体市場- 成長、動向、COVID-19の影響、予測（2023年～2028年）
株式会社グローバルインフォメーション（所在地：神奈川県川崎市、代表者：小野悟、証券コード：東証スタンダード 4171）は、市場調査レポート「医薬品中間体市場- 成長、動向、COVID-19の影響、予測（2023年～2028年）」（Mordor Intelligence Pvt Ltd）の販売を4月13日より開始しました。
医薬品中間体市場は、予測期間中に約5.3%のCAGRで成長すると予測されています。
COVID-19のパンデミックは、調査した市場に大きな影響を与えました。アメリカ化学会Pharmacology and Translational Scienceに掲載された研究によると、2020年、COVID-19の新しい潜在的治療薬は、仮想と実験を組み合わせたスクリーニング戦略を使って発見されました。さらに、すでに使用されている薬の中から選択し、ヒドロキシクロロキン（HCQ）を参照薬として、すでに使用されている約4000種類の薬のライブラリとの構造的類似性を確認するために検討されたそうです。その結果、COVID-19治療のアジュバントとしてレムデシビルやファビピラビル療法が、SARS-CoV-2感染の初期段階に対する臨床試験の候補としてズクロペンチキソール、ネビボロール、アモジアキンが期待されることが示唆されました。このように、医薬品中間体市場はコビドパンデミック時に大きな成長を遂げ、パンデミック後も世界市場で医薬品中間体の需要が高いことが確認されています。
市場の成長を促す具体的な要因としては、慢性疾患の増加や製薬業界における研究開発活動の活発化などが挙げられます。これらの医薬品中間体は、がんの検出やさまざまな慢性疾患の治療に使用されていることから、慢性疾患の有病率の上昇は、調査対象領域における市場拡大を促進すると予測されます。例えば、2021年4月に発表されたWHOの非伝染性疾患に関する主要事実によると、慢性疾患は年間約4100万人の死亡者、すなわち全世界の死亡者の71%を占めています。これらの疾患による高い致死率は、早期介入への需要を高め、市場の拡大を後押ししています。
肺がん、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器系疾患の有病率の上昇により、市場の発展が期待されます。例えば、WHOは2022年1月の報告書で、慢性閉塞性肺疾患（COPD）は世界で3番目に多い罹患率と死亡率の原因であると述べています。COPDの世界の有病率の上昇には、低・中所得国（LMIC）諸国が大きく寄与しています。慢性閉塞性肺疾患の有病率の増加により、効果的な治療法の必要性が高まっており、市場の成長が期待されています。
より良い薬剤候補を同定するために、ハイスループット、バイオインフォマティクス、コンビナトリアルケミストリーなどの先進技術の利用が急増しています。がん、糖尿病、心血管障害、慢性腎臓病などの疾病を治療、予防、治癒するための新薬の発見と開発は、世界の疾病発生率の著しい上昇により加速しています。2022年3月に発表されたCMSのデータによると、米国の医療費は9.7%上昇し、2021年には4.3兆米ドルに達し、2020年に記録した4.2%の増加率を大幅に上回るとされています。さらに、研究開発への投資の増加は、市場拡大の大きな要因となっています。例えば、JSRライフサイエンスは2021年3月に中小規模のバイオテクノロジーに特化したコーポレートベンチャーファンドを導入し、同社のライフサイエンスサービスの範囲に顧客を引き付けています。このように、製薬業界における研究開発活動の活発化に伴い、医薬品中間体の用途も堅調に推移すると予想されます。
しかし、特定の医薬品中間体に関する厳しい規制が、市場の成長を妨げると予想されます。
医薬品中間体市場の動向
循環器系薬剤が医薬品中間体の世界市場で重要なシェアを占める
世界のヘルスケアシステムにおける心臓病の負担は増加の一途をたどっています。医薬品中間体の市場拡大を牽引する主な要因の1つは、心不全や冠動脈疾患などの慢性心血管系疾患の発生率の増加です。2021年7月にCureus Journal of Medical Scienceに掲載されたレポートによると、虚血性心疾患（IHD）は世界の主要な死因となっています。同報告書によると、世界で約1億2600万人（10万人あたり1655人）、つまり世界人口の約1.72％が虚血性心疾患に罹患しているとされています。2030年には、全世界で人口10万人あたり1,845人以上が虚血性心疾患に罹患すると予測されています。
さらに、心臓病に関連する危険因子は、いくつかの国で増加傾向にあり、これが有病率を押し上げています。例えば、World Population Reviewのデータによると、2022年の時点で、フランスでは男性の約11.10%、女性の約3.10%がアルコール依存症であることが分かっています。アルコール依存症は心臓病の可能性を高めるため、市場の成長に大きな影響を及ぼします。同様に、2021年7月に発表された英国心臓財団による英国ファクトシートでは、英国で760万人が心臓および循環障害の影響を受けていると推定されています。さらに、同資料では、英国における年間死亡者数の25%に相当する1,60,000人以上が心臓および循環器疾患の原因であるとされています。このような心血管疾患の高い有病率は、心血管治療薬に対する大きな需要を生み出し、それが様々な医薬品中間体のニーズの伸びを促進すると予想されています。
したがって、前述の要因により、医薬品中間体市場の当該分野は、予測期間中に安定した成長を遂げると予想されます。
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