津南醸造は、『郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition』にα-EGが高濃度に含有されることを確認しました
津南醸造株式会社(本社:新潟県中魚沼郡津南町、代表取締役:鈴木健吾、以下津南醸造)は、魚沼産コシヒカリを原料に醸した純米大吟醸酒 『郷(GO)GRANDCLASS 魚沼コシヒカリEdition』の成分分析のうちエチル-α-D-グルコシド(以下、α-EG)量を金沢工業大学の尾関健二 研究室にて測定したところ、100gあたり0.93gという量を含有することを確認しました。
背景
機能性物質として知られてるα-EGは日本酒のグルコース、エタノールに次ぐ、第3主要成分であることが知られていて、純米酒で0.6~0.8%または吟醸酒で0.2~0.3%含まれることが一般的とされています※1。 この度、津南醸造が行うスマート醸造※2の仕組みを用いて日本酒の高付加価値化を検討する中で、コシヒカリ由来の日本酒を作るプロセスにおいてα-EGを高含有化が期待されたことから、尾関健二先生のもとでα-EG量の計測をするに至りました。
※1 参照: 食と医療 29号 SPRING-SUMMER (講談社MOOK),2024
※2 スマート醸造に関するプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000032.000054865.html
αーEGについて
α-EGはエタノール、オリゴ糖の存在下で麴由来の酵素により生み出される成分です。「並行複発酵」と呼ばれる、糖化とアルコール発酵が同時進行する日本酒の生産プロセスで多く産生されることが知られています。また、ヒト臨床試験を含む多数の研究成果として、α-EGに関する機能性が報告されています。
今後の展開について
日本酒業界の中で、日本酒が健康増進に寄与する方向性での研究開発は一部の企業や研究チームで行われていますが、認知を広める余地があると考えられます。津南醸造としては、世界的に日本酒のプレゼンスを高めるためにも、アルコール飲料の中でも日本酒に多く含まれる成分などを中心に、人の健康増進に寄与する可能性などを継続的に検証して、情報発信をしていく予定です。
金沢工業大学の尾関健二 研究室について
有用な酵素と発酵微生物の力を借りて、食品廃棄物から素材開発のSDGsに挑戦する研究室です。研究室では麹菌や酵母などの微生物と、米ヌカ、小麦フスマ、大豆オカラの食品廃棄物資源(バイオマス)に着目。有用な酵素の力と微生物による発酵の力によって、新たな機能性の高い素材(αEG、レジスタントプロテインなど)に変換するバイオコンバージョンに挑戦。SDGsの観点から廃棄物を出さない機能性素材を開発しています。
https://kitnet.jp/laboratories/labo0165/index.html
津南醸造株式会社について
津南醸造株式会社は、新潟県中魚沼郡津南町で日本酒造りをする酒蔵です。この地域は豪雪地帯で知られ、標高2,000mの山々からの天然の湧水を仕込み水に使用しています。地元特産の米を用いて、自然と共生する酒造りを行っており、「Brew for Future〜共生する未来を醸造する〜」をブランドコンセプトに持続可能な酒造りに取り組んでいます。
https://tsunan-sake.com/