日英のテクノロジー提携を強化する新計画 英国と日本は、サプライチェーンのレジリエンス、 サイバーセキュリティ、データなど、 共有するデジタル関連の優先課題において協力することを発表
日英両国は2022年12月7日、テクノロジーやデータに関する国際競争が激化する時代において、共同の取り組みを加速させるための新たなデジタルパートナーシップの詳細を発表しました。
英国と日本は最先端のテクノロジー大国であり、IT分野の規模は両国で4,060億ポンドを超えます。新たに立ち上げた本パートナーシップは、両国がもつ独自の強みを推進するものであり、今年のデジタル戦略( https://www.gov.uk/government/news/new-digital-strategy-to-make-uk-a-global-tech-superpower )で英国が掲げた、複雑なテクノロジー問題での国際協力強化の実現にもつながるものです。
本パートナーシップは、デジタルを取り巻くさまざまな問題について、日英両政府の関与を構築するものです。これには、半導体や通信等の地球規模で重要なサプライチェーンのレジリエンス向上も含まれます。両国では、共同研究開発のイニシアチブを進め、これら重要なテクノロジーに関する専門知識を共有していきます。
英国と日本は、デジタル規制へのアプローチで足並みをそろえることで、双方の「テックエコノミー」間で行われる取引と投資の基盤を強化し、両国における企業活動の円滑化を図ります。
本パートナーシップではサイバーレジリエンス向上を優先事項とし、インターネット接続型製品やアプリにおけるセキュリティの標準化、およびサプライチェーンにおけるデジタルサービスのリスク対応に関するイニシアチブを両国で進めていきます。
英国のデータ規制機関である情報コミッショナー事務所(ICO)と日本の規制機関との間で行われる連携に対しては、本パートナーシップを通じて支援することにより、両国間のデータ共有のセキュリティに関する企業および市民の信頼を醸成します。
本パートナーシップの中心は、日英デジタル協議会が担うこととなります。日英デジタル協議会は、新たな優先事項の推進を図るため、英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)の大臣たちと、日本の総務省、経済産業省、デジタル庁の代表者が参加し、年に一度開催されています。
英国デジタル・文化・メディア・スポーツ省大臣であるミシェル・ドネラン氏は、次のように述べています。
「英国と日本の関係は、共通の目標と価値観に基づき、近年ますます強固なものになっております。両国のハイテク分野が活況を呈していることで、双方が協力し、両国の市民や企業に利益をもたらす新たなチャンスが生まれています。今後、日英デジタルパートナーシップを通じて、両国の関係が深まるのを楽しみにしております。」
また、ナタリー・ブラック英国国際通商省アジア太平洋地域貿易担当長官は次のように述べています。
「日英包括的経済連携協定の発効から2年、英国と日本は約250億ポンド相当の強固な貿易関係を築いています。両国はテクノロジーにおける世界的なリーダーであり、英国のこの分野は現在1兆ドルにのぼると評価されています。この新しいデジタルパートナーシップは、日本との貿易関係を強化するとともに、フィンテックからガブテックまで、刺激的で新たな協力の機会を提供します。
また本パートナーシップは、日本がメンバーとなっているGDP計9兆ポンドの環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)自由貿易圏への英国の加盟を後押しし、英国企業と経済成長に大きなチャンスをもたらします。」
両政府は、日本が議長国を担う次期G7やG20など、国際的な場を活用して、他のグローバル・パートナー国とともに、共通の目標や課題に取り組んでいきます。
この新しいパートナーシップは、こちらの統合レビュー( https://assets.publishing.service.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/975077/Global_Britain_in_a_Competitive_Age-_the_Integrated_Review_of_Security__Defence__Development_and_Foreign_Policy.pdf )で示された英国の目標をさらに実現するものです。このレビューにおいて英国は、テクノロジーの国際競争と世界で主張を強めることでその重要性がいっそう増しているインド太平洋地域において、最も大きな存在感を示す欧州の国になることを目標に掲げています。