【名城大学】「実践スポーツ医科学研究会」　節目の10回目を迎えて記念大会を開催

記念講演で女子駅伝部へのスポーツ医科学サポートについて紹介する梅田教授

本学健康・スポーツ医科学研究センターの梅田孝センター長（薬学部教授）が代表世話人を務める「実践スポーツ医科学研究会」が３月12日、八事キャンパス新３号館で開催されました。今回で10回目の節目を迎えて一般聴講者も公募して行われ、梅田教授による記念講演や学生アスリートの試合や練習による身体への影響などに関する４題の研究発表があり、五輪メダリストや大学スポーツ指導者、研究者、学生、一般聴講者ら約100人が参加しました。

研究会は、本学に2015年、当時の「スポーツ医科学研究センター」（現在の「健康・スポーツ医科学研究センター」）が開設されたのを機に、梅田教授がかつて在職していた弘前大学大学院医学研究科社会医学講座で学んだ研究者やスポーツ指導者らに呼び掛けて設立。毎年３月に会員や関係者が本学八事キャンパスに集い、スポーツ医科学の研究や実践例などを発表・紹介するとともに、アスリートの育成や強化、健康管理の方法などをスポーツの現場にどうフィードバックし、応用していくかを議論する目的で開催しています。

この日の大会では、初めに梅田教授が「名城大学におけるスポーツ医科学研究の成果とアスリートサポートへの応用」と題して記念講演。梅田教授は12年前に名城大学に赴任して以来、米田勝朗監督（法学部教授）と「二人三脚」で取り組んできた本学女子駅伝部へのスポーツ医科学サポートのポイントについて紹介し「血液検査などのメディカルチェックは試合や練習の会場などといった実際のスポーツ実践現場に出向いて行い、問題点や課題を抽出して結果を選手や指導者にフィードバックするのが特徴」と強調しました。

続いて、尚絅学院大学の福井真司教授が「大学女子サッカー選手の練習試合における脱水が好中球機能に及ぼす影響」、本学経済学部の小泉和也准教授が「大学サッカー選手における試合によるエネルギー消耗が免疫機能に及ぼす影響」、愛知学院大学バレーボール部コーチで同大講師の安藤健太郎さんが「大学女子バレーボール選手における練習前の筋疲労状況が練習による免疫機能に及ぼす影響」、本学薬学部研究員の金城綾香さんが「高校生アスリートにおけるアンチ・ドーピングに関する意識調査」と題して発表しました。

それぞれの発表ごとに梅田教授の進行で討論も活発に行われ、参加者からは試合や練習中の水分補給やエネルギー補給、活動後のリコンディショニング方法などについての質問があり、女子駅伝部の米田監督や棒高跳びでアテネ大会など五輪３大会に出場した澤野大地・日本大学准教授、「バズーカ岡田」で知られるボディービルダーでもある岡田隆・日本体育大学教授らが、各競技の状況や工夫している点などを自らの経験を踏まえて紹介。「学習機会が不十分」「医療従事者への相談を促すべき」などと金城さんが考察したアンチ・ドーピングについても、どのような指導がなされているかの質問が出ました。

この日の研究会には2024年６月に脊髄梗塞を発症し、現在もリハビリを続けている「体操のお兄さん」の佐藤弘道・本学薬学部特任教授も出席。「まだ下半身はしびれっぱなしですが、名城大学まで歩いて来ることができるようになりました。難病指定がされていない脊髄梗塞で困っている人も多く、この研究会を通じてこの病気のことを広く知ってもらえれば」とあいさつ。また、柔道女子五輪金メダリストの谷本歩実・本学薬学部特任教授もあいさつし、スポーツ庁のスポーツ審議会の委員に就任したことが紹介されました。

大会終了後に記念撮影