『今後利用したいLinuxOSについてアンケート調査』を実施  2022年と比較しRocky Linuxが激減  AlmaLinuxも減少するも25%程度を占める

オープンソースソフトウェア(※1)(以下 OSS)に特化したIT企業である株式会社デージーネット(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:恒川 裕康)は、2023年7月12日、2023年7月27日に開催した当社主催の「LinuxOS(※2)最新情報セミナー2023版」セミナーの参加者(87名)に対し『今後利用したいLinuxOSについてアンケート調査』を実施しました。今回の結果と、2022年7月に実施した同アンケートとの比較結果を公表します。

今後利用したいLinuxOS

調査背景

CentOS Linux 7(※3)(以下 CentOS7)の公式サポート終了まで残り1年を切りました。
CentOSは、Red Hat Enterprise Linux(以下 RHEL)の完全互換を目指した無償のLinuxディストリビューションです。CentOSは書籍の出版数も他のディストリビューションよりも多く、RHELの互換OSとして先端の技術も安定したものを取り入れており、日本国内では非常に人気のあるディストリビューションでした。しかし、CentOS8のサポートはすでに2021年末で終了しており、CentOS7の公式サポートも2024年6月末で終了の予定となっているため、乗り換え先となるCentOSプロジェクトは存在しない状態となっています。この流れを受け、2021年には新しくRHEL互換のLinuxOS開発プロジェクトがいくつか発足しました。

そんな中、2023年6月21日にRed Hat社による公開リポジトリの停止が発表されました。これにより、RHELのソースコードを使っていたLinuxOSでは、今後の対応について様々な声明や方針が出され始めています。

そこで、株式会社デージーネットでは、2022年7月に実施した「今後利用したいLinuxOSについて」のアンケートから1年経過した今、LinuxOSの開発プロジェクトの動きや、Red Hat社による公開リポジトリの停止の発表を受け、企業では、CentOSの乗り換え先として今後利用したいLinuxOSはどう変化したのか調査すべくアンケートを実施しました。

■ 調査結果まとめ(2023年 有効回答数:68)
今後利用したいLinuxOS Top5(2022年)
AlmaLinux(※4)     :36%
Rocky Linux (※5)    :20%
Red Hat Enterprise Linux:17%
Ubuntu(※6)       :10%
MIRACLE LINUX(※7)   :8%

今後利用したいLinuxOS Top5(2023年)
AlmaLinux        :26%
検討中         :26%
Red Hat Enterprise Linux:24%
Ubuntu         :7%
Amazon Linux      :6%

AlmaLinuxを利用したい企業はやや減少し26%

今回のアンケート調査で、今後利用したいLinuxOSとしてAlmaLinux(アルマリナックス)が26%で、検討中と並んで最も多い結果となりました。2022年のアンケート調査では、AlmaLinuxが36%と最も多い結果となっており、やや減少傾向にあるものの、引き続き今後のLinuxOSとして注目されていることが分かりました。

Rocky Linuxを利用したい企業は20%から3%に激減

一方で、2022年のアンケート調査では2番目に今後利用したいLinuxOSとして回答の多かったRocky Linuxが、2023年ではわずか3%の企業のみとなり、今後利用したいと考えている企業が激減したことが分かりました。

利用したい企業が増加したOSはRed Hat Enterprise Linux

2022年の結果と比較し、今後利用したいLinuxOSとして増加したOSはRed Hat Enterprise Linux(RHEL)でした。RHELは、商用Linuxとして人気の高いディストリビューションで、Red Hat社によって開発され、バイナリ版の入手とサポートは有償で販売されています。
公開リポジトリの停止により、RHELのソースコードを利用していたクローンOSがどうなるか分からない状況で、有償であっても確実に動くRHELを利用したい企業が増えていると思われます。

今後のLinuxOSの動きに注目

今回のアンケートでは、2022年のアンケート結果で上位を占めていたAlmaLinuxとRocky Linux共に、利用したい企業が減少した結果となりました。また、検討中としている企業が26%と大幅に増えています。これは、2023年6月21日にRed Hat社による公開リポジトリの停止が発表されたことが要因の一つであると思われます。

RHELのソースコードを使っていたAlmaLinuxは、RHELとの1対1の互換を辞め、可能な限り似たOSとしていくことを宣言しています。開発プロジェクトによって今後の方針が異なるため、利用したいOSがどのような方針で動いていくのか確認し、クローンOSを利用する場合はリスクも理解し利用していく必要があります。

デージーネットのサービス

  1. システムの構築
    デージーネットでは、OSSを利用したシステムの提案・構築を行っています。デージーネットで利用しているOSSは多岐にわたり、お客様に合ったOSSでシステム構築を行うことが可能です。
  1. 導入後支援サービス
    デージーネットでシステムを構築した場合、Open Smart Assistanceという導入後サポートを提供しています。継続してシステム管理のサポートを行うサービスで、以下のようなサポートがあります。
    ・Q&A(インストールしたOSSやソフトウェアの利用方法に関してのご質問にお答えします。)
    ・セキュリティ情報提供
    ・障害時システム再構築
    ・点検とチューニング
    ・運用サービス
    ・障害調査、障害回避
    ・ソフトウェアのアップデート
    ・障害時オンサイト対応

参考URL

用語注釈

※1 オープンソースソフトウェア(略称:OSS)とは、無償で利用でき、ソースコードが公開されているソフトウェアのことです。
※2 LinuxOSとは、ソースコードが公開されている、オープンソースのOSです。
※3 CentOS Linux 7は、Red Hat Enterprise Linux 7と同じソースコードから作られた無償のディストリビューションです。
※4 AlmaLinuxは、RHELのクローンとして開発されたOSで無償で提供されています。既にRHEL/CentOS互換のCloudLinux OSを提供している実績のあるCloudLinux Inc.という企業が母体となっており、この知見を活かしてAlmaLinuxの開発を行っています。
※5 Rocky Linuxは、RHELのクローンとして開発されたOSです。Rocky Linuxのプロジェクトは、CentOSプロジェクトの創始者であるKurtser gregoryを中心に発足しました。Rocky LinuxはRHELから商標やプロプライエタリなソフトウェアを取り除いた無償のディストリビューションです。
※6 Ubuntuは、Debian GNU/Linuxから派生したLinux ディストリビューションです。
※7 MIRACLE LINUXは、サイバートラスト社によって、約20年前から開発されているRHELクローンOSです。元々は利用に有償ライセンスが必要でしたが、CentOS8の終了をうけて、2021年10月リリースのMIRACLE LINUX 8.4から無償公開されています。

会社概要

会社名: 株式会社デージーネット
代表者: 代表取締役 恒川 裕康
本社 : 〒465-0025 愛知県名古屋市名東区上社四丁目39-1
資本金: 4,000万円
URL  : https://www.designet.co.jp/

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