震災復興支援、近畿大学産マダイ稚魚をのとじま水族館に無償提供 群泳ショー「マダイの音と光のファンタジア」を開催

近畿大学(大阪府東大阪市)は、令和6年(2024年)の能登半島地震により被災したのとじま水族館(石川県七尾市)の復興支援として、近畿大学発ベンチャー企業の株式会社アーマリン近大(和歌山県白浜町)を通じて、近畿大学産のマダイ稚魚(約9cm)約2,000尾を無償提供します。稚魚は令和7年(2025年)6月25日(水)から常設展示され、約2週間の訓練を経て、7月中旬には名物イベント「マダイの音と光のファンタジア」も開催します。
【本件のポイント】
●令和6年(2024年)の能登半島地震で被災したのとじま水族館に近畿大学産マダイ稚魚を無償提供
●稚魚約2,000尾は常設展示し、水中スピーカーの振動と餌の投入による群泳の訓練後、ショー「マダイの音と光のファンタジア」も開催予定
●震災からの復興を支援するとともに、展示を通して持続可能な養殖技術を社会に向けて発信
【本件の内容】
のとじま水族館では、平成16年(2004年)から継続して近畿大学産のマダイ稚魚を展示しており、2,000尾による群泳ショー「マダイの音と光のファンタジア」は、長年名物イベントとして親しまれてきました。
令和6年(2024年)1月1日に発生した能登半島地震により、のとじま水族館は大きな被害を受け、多くの生き物が犠牲になり、大型動物の一部が他の施設に避難を余儀なくされるなどして、休館に追い込まれました。しかし、同年7月21日には一部営業を再開。避難した生き物も順次戻り、令和7年(2025年)3月からはすべての展示を再開しました。
のとじま水族館の復興の歩みを支援するため、近畿大学が水産養殖研究の成果であるマダイの稚魚約2,000尾を、株式会社アーマリン近大を通じて無償提供します。提供したマダイ稚魚は、常設展示のほか「マダイの音と光のファンタジア」でも展示されます。のとじま水族館の生き物展示を通じて、地域のみなさまに癒しの時間を過ごしていただくとともに、持続可能な養殖について理解を深めていただく機会となることを期待しています。
【開催概要】
展示開始 :令和7年(2025年)6月25日(水)予定
開館時間 9:00~17:00 ※入館は16:30まで
群泳ショー:「マダイの音と光のファンタジア」 約5分間
平日 10:30/14:40 土日祝 10:30/15:00
※上記時間以外は常時通常展示
※訓練期間を経て7月中旬から開催予定
場所 :のとじま水族館(石川県七尾市能登島曲町15-40、
JR七尾線「和倉温泉駅」から能登島交通路線バス「のとじま臨海公園」下車すぐ)
お問合せ :のとじま水族館 TEL(0767)84-1271
【近畿大学のマダイ研究・事業】
近畿大学水産研究所では、昭和23年(1948年)の開設以降、草創期から「海を耕す」という理念に基づき、近大マグロをはじめとする多くの魚種の養殖研究・事業に取り組んできました。その根幹となるのが「完全養殖」と呼ばれる技術で、人工ふ化から育てた親魚から次の世代を生み出すサイクルにより、天然資源に依存しない持続可能な養殖が可能となります。中でもマダイの養殖研究は歴史が深く、昭和39年(1964年)に人工ふ化に成功して以来、優良品種の開発に取り組み、研究成果である稚魚を養殖現場に供給することで、国内のマダイ養殖普及に貢献してきました。現在も、近畿大学水産養殖種苗センターと株式会社アーマリン近大が連携してマダイ稚魚を生産し、全国の養殖業者に販売しており、その数は年間約1,500万尾にも上ります。マダイ人工種苗(稚魚)の水族館での展示は珍しく、展示を通して持続可能な養殖について理解を深めていただけることを期待しています。
【関連リンク】
水産研究所
https://www.kindaifish.com/
水産養殖種苗センター
https://aqua-seed.kindai.ac.jp/