【名城大学】経済学部「証券市場論」に実務家を招きリアルな証券市場を学ぶ
経済学部の「証券市場論」が7月8日、天白キャンパス共通講義棟北N304で行われ、株式会社大阪取引所の金融リテラシーサポート部 岩﨑恒平調査役が「デリバティブ取引の意義と役割」の特別講義を行いました。
「証券市場論」は経済学部2年生の選択必須科目の1つで、政府の「資産所得倍増プラン」や新NISAのスタートなど「貯蓄から投資へ」を背景に、証券市場の仕組みの理解と、将来の資産形成に備える目的で講義を展開しています。また刻々と変わる金融市場のトレンドや実務として市場で働くやりがいや苦労を感じてもらおうと、証券関係企業で活躍するゲストスピーカーを招き、特別講義も行っています。
JPXの岩﨑調査役「デリバティブの売買は20年前に比べ13倍」
この日、特別ゲストで招かれた岩崎調査役が所属する株式会社大阪取引所は、有価証券やデリバティブを扱う金融商品取引所で、日本経済を支えるインフラである日本取引所グループ(JPX)の1つ。岩﨑調査役は、取引所の役割やデリバティブの説明の他、先物取引の先駆けが江戸時代の大阪・堂島で行われていた「将来とれる米の値段をあらかじめ決めて取引をする=帳合米取引」であったと解説しました。
さらに、国内企業がデリバティブを利用してリスク回避する事例を複数紹介し、金融商品の活用が企業経営で重要な役割を担っていることを説明しました。
岩﨑調査役は「JPX市場でデリバティブの売買は20年前に比べ13倍に伸び、個人の割合は10倍、海外投資家の割合も2倍になっている。個人向け商品や夜間取引の導入がこれらの変化を後押しした」とし、また「資産形成の関心が高まった一方で詐欺事件も増えている。JPXを名乗り投資を持ち掛けるケースも聞いており、JPXが個人投資家に直接サービスを提供してないことを知っていれば被害を防げる」と証券市場の仕組みを学ぶ意義も伝えました。
講義を担当する壷内慎二教授は「普段講義で学ぶ内容と、第一線で活躍する実務家からの具体的事例をセットで学ぶことでより深い理解につながる。今後も外部の協力も得ながら、学生たちの関心を高め、就職後に活用できる知識の修得と、自分自身の資産形成に役立つ講義を模索したい」と意気込みを話しました。