AR(拡張現実)機能を搭載したマスクを開発 コロナ禍のテーマパークや商業施設などでの活用をめざす

2021-11-08 14:30
AR機能を搭載したワンダーマスク

近畿大学経営学部(大阪府東大阪市)商学科教授 廣田 章光のゼミの学生らが、AR(拡張現実)機能を搭載した「ワンダーマスク」を開発しました。
このマスクを着用し、事前に設定した場所で専用アプリを使って写真を撮影すると、さまざまなものが浮かび上がって見えるARで加工された写真を撮影することができます。今回、近畿大学東大阪キャンパスの5カ所に、近大マグロなどが現れるスポットを試験的に設置しました。
なお、本件は、近畿大学が全学を挙げて取り組んでいる「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」の一環として実施しているものです。

【本件のポイント】
●特定の場所で着用すると、ARで加工された写真が撮れるマスクを開発
●東大阪キャンパス内5カ所に、近大マグロなどのARが浮き上がるスポットを試験的に設置
●学生は、産学連携によって自分たちのアイデアを実現するためのプロセスを学ぶ

【本件の内容】
経営学部の廣田ゼミ(専攻:マーケティング戦略論)では、「デザイン思考」※ について研究しており、日常生活における観察調査をもとに、コロナ禍において「着けなければならないマスク」を「思わず着けたくなるマスク」に転換することをめざし、AR機能を搭載したマスクの開発を企画しました。「ワンダーマスク」と名付けられたこのマスクは、図柄がARマーカーとなっており、着用した人を専用アプリで撮影すると、GPSによって認識した位置情報をもとにARコンテンツが表示され、エフェクトのかかった写真や動画を撮影できる仕様になっています。廣田ゼミでは、今後、テーマパーク、イベント会場、観光地、商業施設、スポーツ・文化施設などで、このマスクが活用されることをめざしています。
※ 現場での人間観察から問題点を発見し、解決アイデアを素早く試作して実験と修正を繰り返すことでアイデアや手法の利用につなげるという思考法で、日本でもグローバル企業を中心に活用が進んでいる。

【ARエフェクトの撮影例】
近畿大学東大阪キャンパスに、試験的に5カ所のスポットを設置しました。ワンダーマスクを着用し、このスポットで専用アプリを用いると、エフェクトが浮かび上がって見える写真や動画が撮影できます。

(1)巨大マグロ 近大の代名詞ともいえる巨大な近大マグロが、校舎の壁を突き破って飛び出すエフェクト。
(2)泳ぐマグロ 素早く泳いで移動している近大マグロを見つけて写真におさめることができるか、というエフェクト。
(3)ランタン タイのコムローイ祭りを彷彿とさせるような、たくさんのランタンが空に舞い上がるエフェクト。
(4)クラゲ まるで水の中にいるような、七色に輝くクラゲの群れに囲まれるエフェクト。
(5)桜 入学式の出席者が、キャンパス内で記念写真を撮影できるエフェクト。

【開発支援】
ワンダーマスクの企画案は、ヤフー株式会社が運営するオープンコラボレーションハブ「LODGE」が令和2年(2020年)12月に開催した、「これからのマスクを考えるアイデアコンペティション」で最優秀賞を獲得しました。その後、「LODGE」から実現に向けたサポートを得て、開発が加速しました。
試作品の開発にあたっては、AR製品の開発実績がある株式会社アーティフィス(大阪府大阪市)、マスク製造事業を展開する小川良株式会社(滋賀県東近江市)の協力を得ました。
※ ヤフーの「LODGE」は多彩なパートナーと協働して公益性と先進性のあるイノベーションの創出を目指しています。
https://lodge.yahoo.co.jp

【"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト】
近畿大学は、令和2年(2020年)5月15日から「"オール近大"新型コロナウイルス感染症対策支援プロジェクト」を始動させました。これは、世界で猛威をふるう新型コロナウイルス感染症について、医学から芸術までの研究分野を網羅する総合大学と附属学校等の力を結集し、全教職員から関連研究や支援活動の企画提案を募って実施する全学横断プロジェクトです。これまでに126件の企画提案が採択され、約2億3千万円の研究費をかけて実施しています。

【関連リンク】
経営学部 商学科 教授 廣田 章光(ヒロタ アキミツ)
https://www.kindai.ac.jp/meikan/79-hirota-akimitsu.html

経営学部
https://www.kindai.ac.jp/business/

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