日本分析機器工業会が7月10日に開催された 「第53回 国際化学オリンピック日本大会2021」の プレイベントへ参加

~次世代の化学を担う中高生へ機器分析に関する情報を提供~

一般社団法人日本分析機器工業会(JAIMA、所在地:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町1-12-3、会長:中本 晃/株式会社島津製作所 代表取締役会長)は、2021年7月10日(土)に開催された第53回 国際化学オリンピック日本大会2021のプレイベント「化学との出会い 未来を拓く君たちへ Part2」に共催参加しました。

本企画は7月25日(日)~8月2(月)にかけて開催される第53回 国際化学オリンピックのプレイベントで、中高生から一般を対象とし、将来の化学を担う中高生に化学の楽しさを伝えることを目的として、7月10日(土)にオンラインで開催され、中高生および大学・大学院生を中心に常時、150~160名に聴講していただきました。

冒頭、国際化学オリンピック日本大会実行委員長 京都大学 中條 善樹名誉教授に、「化学で未来を元気に Chemistry! It's Cool!」と題した講演で、高分子化学の基礎をわかりやすくご説明いただきました。また、現在の状況において、国際交流をいかにリモートで実現するかについての課題、対応についてもご紹介いただきました。一方で、リモート開催によって空間的な距離などの制限が少なくできるという利点についてもご指摘いただきました。

名古屋大学 大学院工学研究科 山下 誠教授からは「分子が設計できること」、東京大学 大学院工学研究科 山東 信介教授からは「分子デザインの創薬への応用」について、身近な素材・話題、化学に対する研究の可能性を示して頂きました。また、国際化学オリンピックのOB・OGの皆さんからは体験談を通じ、これから化学を志す学生に対してのアドバイスを頂きました。

日本分析機器工業会はこのイベントに共催者として参加し、化学の基盤となっている分析機器の働きとそれを使う楽しさを伝えるコーナーを設けました。分析機器に関する情報は、株式会社堀場製作所と日本電子株式会社の2社が提供しました。堀場製作所は、“掘りながら測るマルチタスクなグロー放電発光装置GD-OESとは何だろう”をテーマとして、車のボディやコンピュータのハードディスクなどの身の回りの製品に使われているコーティングを調べる分析機器の働きについて、ケーキの層構造をどうやって調べるかを喩えとして説明。普段目にすることのない専門装置を分かりやすく紹介しました。日本電子は、“電子顕微鏡とファンデルワールス力―ヤモリの肢と他の小動物肢の接着機構解析―”をテーマとして、ヤモリが壁を素早く動き回る仕組みが電子顕微鏡を使ったナノの世界を見ることで解明できることを説明しました。てんとう虫の肢の先の働きがヤモリと同じ原理で働いているという今年(2021年4月)発見されたばかりの成果を紹介。また、これらの装置を含む最新の分析機器やその働きを示す展示会として毎年開催しているJASISも紹介しました。

日本分析機器工業会は、今回のような企画への参画以外にも、次世代を担う皆さんへの機器分析に関する情報提供を積極的に推進しています。
毎年、中学生、高校生の皆さんを対象とした、分析機器の実機を使用した講習会「JAIMAサマーサイエンススクール」を開催しています。昨年は、COVID-19拡大の影響で中止としましたが、今年は、リモート開催で実施する予定です。
また、早稲田大学で開講されている「素材機器分析評価」に会員企業の講師を派遣しています。昨年、今年はオンデマンド講義としての開催となります。

第53回 国際化学オリンピック

日時   : 2021年7月25日(日)~8月2日(月)
開催地  : 日本(WEBリモート開催)
WEBサイト: https://www.icho2021.org/jp/

JASIS2021

日時   : 2021年11月8日(月)~10日(水)
時間   : AM10:00~PM5:00
会場   : 幕張メッセ国際展示場
WEBサイト: https://www.jasis.jp/

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